時の記念日、由来や目的。日本人が時間厳守な理由とは。

 

日本にはいろいろな記念日がある。

昨日6月9日は、ロック(カギ)の日。
そして今日、6月10日は時の記念日。
日本では、1920年(大正9年)に時の記念日が制定されている。

1920年ごろはどんな時代だったのか?

1918年に第一次世界大戦が終わった。
そして1920年に国際連盟ができる。

 

このころの日本は社会の近代化を目指してつき進んでいた。
この1920年に、今のマツダや鈴木、日立製作所といった会社が生まれている。

社会を近代化させるには、人びとに時間厳守の感覚を身につけさせる必要がある!
ということで、時の記念日が定められた。

日本国民に「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」と呼びかけ、時間の大切さを尊重する意識を広めるために設けられた。

(ウィキペディア)

 

「日本人がしっかり時間を守って行動できるように!」ということで、時の記念日が定められた。
その必要性はわかったとして、なんでそれが6月10日なのか?

その理由は日本書記の記述にある。

671年、天智天皇の時代に日本で初めて時が刻まれた。
それが6月10日の由来になっている。

近江神宮のホームページから。

天智天皇の10年(671年)4月25日、漏刻と鐘鼓によって初めて時を知らせたという『日本書紀』の記事にもとづき、その日を太陽暦に換算して、定められました。

時の記念日の由来

「(日本で)初めて時を知らせた」ということは、日本人はこのときから時間という存在を具体的に認識できるようになったんだろう。
としたら、これはなかなか画期的なできごとだ。

 

ちなみに、記念日はだれでもつくることができる。

記念日の名称や由来、目的などを申請用紙に書いて、日本記念日協会へ申し込む。
そして協会がそれを認めたら、記念日になる。

でもタダではない。

日本記念日協会の記念日登録料は、1件10万円(税別)とさせていただきます。

登録効果と登録料

1記念日につき10万円。
高いのか安いのかよく分からん。

 

ちょっと話がそれる。

日本にはいろいろな記念日がある。
お隣の韓国も記念日が多いことで有名だ。
でも韓国の記念日は、日本とは意味が少しちがう。

最近、アメリカのメディアが「韓国人の独特な行動」(Weird Things Korean Do)という動画を公開した。
それが韓国で話題になっている。

「アメリカ人から見て韓国人の変わっているところ」の中に、「記念日がとても多い」というものがある。

中央日報の記事(2017年05月17日)から。

恋人たちの「記念日」も出た。韓国人女性が「ツーツーデー(付き合って22日になる日)」「100日」「200日」を言うと、恋人である米国人男性は混乱した表情を見せる。

外国人が挙げた「韓国人の独特な行動5つ」

 

日本人は世界でもっとも時間厳守な人たちだといわれる。

日本人がそんな時間感覚を身につけた大きな理由に、時の記念日が定められたことある。

でも今の日本人を見ると、時の記念日の役割はもう終わったと思う。

「日本国民に欧米並みに時間をきちんと守り、時間の大切さを尊重する意識を広める」という目的はじゅうぶんに達成した。

今の日本人は時間厳守の感覚で、欧米人を完全に越えている。

日本に来るアメリカ人たイギリス人は、日本の電車が1分単位の正確さで運行されているのを知って驚くことが多い。

 

数年前に、日本で英会話を教えていたイギリス人からこんな話を教えてもらった。

あるとき、彼女の母親が日本へ旅行に来る。
成田空港から浜松までは電車で移動した。
その間、電車の運行に1分の遅れもない。

「これはどういうこと?」と驚く母親に、「これが日本なの」と彼女が答えたという。

航空機の定時運行も日本が世界一と言われている。

これからも時の記念日を続けることは良いけど、その目的はもう変えたほうがいいと思う。
日本人がこれ以上時間厳守になっても、世界の人たちは多分ほめてくれない。
きっと引いてしまう。

今の日本人は日々、時間に追われてストレスがたくさん。
時の記念日は、時間から解放されたり時間の価値を忘れたりする日にしてもいいと思う。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。