前回、韓国人の友人が話した「韓国人らしい発想と行動力による抗議」というものを紹介した。
韓国のスナック菓子には中身があまりに少なくて、窒素で袋をふくらめているだけ。
そんなお菓子をつくるメーカーに抗議の意をあらわすために、ある韓国人が変わった抗議をおこなった。
それが、「菓子袋にどれだけたくさんの窒素が入っているのか?」ということを示すために、スナック菓子でつくったイカダで漢江という大きな川をわたるというパフォーマンス。
これはお菓子のイカダの試作品。
これで試した後、本当に漢江をわたっている。
漢江のどの部分をわたったのかは分からないけど、ふつうはスナック菓子ではわたらない。
お菓子の袋には窒素ばかりはいっているから、袋が水に浮く。
それをたくさんくっつけたら、人が乗っても沈まない。
それで川をわたってしまう。
韓国人の友人からすると、こうした発想や行動力が「韓国人らしい」という。
でも彼は、こんなことも言っていた。
「ああやって、菓子メーカーに恥をかかせてやればいいんですよ」
この時彼には言わなかったけど、ボクが感じた「韓国人らしさ」というのはその言葉。
「恥をかかせてやる」という考え方が日本人と韓国人との大きな違いだと思った。
日本人が何かに抗議をおこなうときに、「恥をかかせてやる」という発想はしないだろう。
今、日本と韓国の仲はあんまり良くはない。
その最大の原因は日本大使館前に建てられた慰安婦像だろう。
*以下、韓国風に「少女像」と書く。
ボクのまわりの日本人で、「少女像を建てる理由や必要性が分からない」という人がけっこういる。
「韓国人はなんであの少女像を日本大使館の前に建てたのか?」
そんな疑問を持っている人はたくさんいるはず。
または、下の検索キーワードのように「日本は韓国にいつまで謝り続けるのか?」と思っている人も多いはず。
ボクのまわりの人は「水曜集会ならまだ分かる」と言う。
水曜集会とは、毎週水曜日に大勢の韓国市民が日本大使館前に集まって、慰安婦問題の解決をうったえるという抗議活動のこと。
こうしたデモ活動は日本でもあるからこれは分かる。
*水曜集会についてはこの中央日報の記事を見てください。
引き潮のように消えた水曜集会の人の波…「共に戦う」と言った人々はどこに行ったのか=韓国
韓国人が少女像を建てる理由が分からない。
それにはいろいろな理由があるけれど、これもその一つにあるだろう。
「恥をかかせてやればいい」
少女像を日本大使館前に置く理由に、「日本に恥をかかせてやる」ということがある。
そのことは、韓国の全国紙「東亜日報」を読むと分かる。
2013年、アメリカでも少女像が建てられた。
これは日本大使館前の少女像と「双子」になるらしい。
つまり、像を建てた意味や目的は同じということ。
8月1日の東亜日報の社説に、この少女像の意義についてこう書いてある。
この少女の像は、太平洋を渡って、日本で侵略や人権蹂躙の歴史を否定する人たちに、恥を悟らせることになるだろう。
日本政府は韓国に対して、「慰安婦問題を政治・外交的問題にしてはならない」ということを伝えている。
これには、ほとんどの日本人も賛成するだろう。
「慰安婦問題を政治・外交的問題にするべきだ」という意見を、日本人の側から聞いたことがない。
でもこの社説では、日本政府の声明に対して「屁理屈を並べた」と書いている。
さらに日本の読売新聞にも「国粋主義ジャーナリズムのお手本だ」とののしっている。
「日本で侵略や人権蹂躙の歴史を否定する人たち」と書いているけれど、実質的にはほとんどの日本人のこと。
「慰安婦問題を政治・外交的問題にしてはならない」という思いは、多くの日本の国民が共有しているから。
つまりこの社説は、日本に対して「恥を悟らせることになる」と書いているに等しい。
これが匿名でのネットへの書きこみなら分かる。
全国紙の社説でこんなことを言っているのだから、もう絶望しかない。
そして最後はいつもの「ニホンハハンセイシナサイ」。
関係の正常化を心から願うのなら、歴史問題と関連し、真剣な姿勢を示すべきだ。それこそ、植民地の被害の経験を持っている隣国への最小限の道理だ。
韓国にくわしいジャーナリストの黒田勝弘氏は、韓国の謝罪要求についてこう言っている。
韓国にとって日本はいつまでも謝罪、反省、補償をしない存在であってほしいのかもしれない。
いつまでも日本を叱り、諭し、教え、導くことができるからだ。この民族的快感は捨てられない。
この民族的快感のゆえに、日本がたとえいくら謝罪、反省を表明し補償したとしても、それは終わらない、いや韓国にとっては終わらせたくないのだ。
(‘日本離れ’できない韓国 黒田勝弘)
「日本は韓国にいつまで謝り続けるのか?」というのは、韓国が民族的快感は捨てられない限りないと考えていいだろう。
だから、日本の首相が何度謝っても終わることはない。
この民族的快感というのが、「日本に恥をかかせる」ということにつながる。
「日本を叱り、諭し、教え、導くことができる」や「この民族的快感は捨てられない」といった部分は、先ほどの東亜日報の社説と重なるところがある。
「韓国が少女像を建てる理由が分からない」というのは、「日本に恥をかかせるため」という視点が欠けているからだろう。
こんな発想はほとんどの日本人にはないから、理解することはむずかしい。
日本人がおこなう抗議活動で、「相手に恥をかかせるため」という目的をもっておこなったものは、聞いたことがない。
その意味で、この抗議のやり方は本当に韓国人らしいと思った。
2017年6月21日のレコードチャイナにこんな記事がある。
ソウル市がある地域を観光地として開発することになった。
その地域というのは、韓国が日本の植民地だったことを示すところ。
それを「ダークツアー(歴史教育旅行)コース」というらしい。
「国恥の道」は韓国統監官邸跡(現ソウルユースホステル下)から朝鮮神宮(漢陽都城発掘地)に続く約2キロの区間。名前の通り“国の恥”である日本による侵奪の痕跡を振り返る歴史探訪路になるという。
このソウル市の決定に対して、ネットで韓国の市民はこんな反応を見せている。
そうすれば外国人観光客も学ぶことができ、日本がどういう国か実感できる
恥ずかしがるべきなのは歴史を否定する日本だ
こうした声からも、「日本に恥をかかせたい」という気持ちが心のどこかにあるように思えてならない。
韓国の反日活動には、いろいろな理由や目的がある。
でもその中に、「日本に恥をかかせることによって民族的快感を得る」ということはきっとある。
こちらの記事もいかがですか?
コメントを残す