はじめの一言
「受容した文明に張り合う文明と、はっきりした国民性と、力強く発達した独立の精神とをもっている。こういう国民は、日本人だけだ(オールコック 幕末)」
「日本絶賛語録 小学館」
・カンボジア人から見た日本人と韓国人
前回に登場したインド人は「見た目じゃ、日本人か韓国人かなんて分からないよ~」と弱音を吐いていたけど、カンボジアに旅行した時にお世話になった日本語ガイドは、その違いを見分けられるという。
「簡単ですよ。頭にタオルを巻いていれば日本人で、MLB(米メジャーリーグ)の帽子をかぶっていれば韓国人です」
なるほど、これは納得。
日本では肉体労働者や職人のように頭にタオルを巻いている姿は、一生懸命さが伝わるからけっこう人気がある。
ジャニーズの芸能人もよくそんな恰好をしていて、汗を流しながら活動する姿に”男らしさ”を感じるという女性も多い。
頭にタオルを巻くと、(人によるけど)「普段の2割増」と書くサイトもある。
でも、こういう現象が韓国ではないらしい。
これは友人の韓国人女性に聞いた。
「日本では頭にタオルを巻いた人を見ますけど、韓国ではないですね。だって、それじゃ肉体労働者みたいじゃないですか。芸能人がそんな姿でテレビに映っていたらドン引きですよ」
韓国が日本以上の格差社会というのは聞いていたけど、彼女が平気で「肉体労働者みたいじゃないですか」と言ったことには少しビックリ。
韓国社会ではこうしたブルーワーカーを見る目は厳しいようだ。
日本にもそうした意識や傾向は否定できないが、本を読んだり韓国人から話を聞いたりする限りでは、あちらはそのレベルが違う。
韓国は恐ろしいほどの競争社会だから、上昇志向が強い反面、「絶対に”下”になりたくない」という気持ちも強い。
そういう社会だから、受験や就職などの競争に疲れ果て、国民にとっては生きることが「地獄」のように苦しいという意味で、「ヘル朝鮮」という言葉が2015年に韓国で流行した。
話をタオルに戻すと、知人に「頭にタオルを巻くのはやっぱりカッコ悪い?」と聞いてみると、彼女はこう言う。
「ダメですよ。彼氏がやってたらすぐに外します。恥ずかしいですから」
伝統的な布・クロマー。
カンボジアには「クロマー」と呼ばれる伝統的な布がある。
日本でいうと手ぬぐいのようなもので、カンボジアではそれを頭にかぶる人がいる。
それを前提にカンボジア人の日本語ガイドにも聞いていた。
「君の言うように、頭にタオルを巻く日本人はよくいる。カンボジア人が頭にクロマーをしているのと同じだと思うけど、君はしないの?」
「それはお年寄りの人ですね。今の若いカンボジア人は、クロマーなんてかぶりませんよ。貧しい農民みたいに見えて、カッコ悪いじゃないですか」
クロマーは伝統文化のひとつで、カンボジア人にとってはアイデンティティーのようなものだと聞いていたから、この答えは意外だった。
言われてみれば、若いカンボジア人でクロマーをしている人を見た記憶がない。
ミャンマーには、ほおに「タナカ」という日焼け止め(化粧)をつける文化がある。
カンボジア人から「貧しい農民みたいに見えますから」と聞くと、「肉体労働者みたいじゃないですか」という韓国人の言葉を思い出す。
やっぱり韓国やカンボジアち比べると、日本人にはこういう感覚や発想が少ないと思う。
「頭にタオルを巻いていれば日本人で、MLBの野球帽をかぶっていれば韓国人」という見分け方はきっと当たっている。
でもこの違いは見た目以上のもので、日本と韓国の文化や価値観に基づいている
おまけ
カンボジアの至宝・アンコールワット
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