韓国で1だけ残った日本のお寺・東国寺/日帝残滓とは?

 

エステもショッピングも韓流スターにも興味はない。
でも歴史を感じるところは好き。

そんな人におすすめの韓国の観光スポットがある。

それが群山市に残る日本の街並みだ。
「日本の街並み」といっても、日本式の家屋や寺などがチョコチョコあるだけだから、あんまり大きな期待を持って行かないほうがいい。
きっとガッカリする。

 

それでも、ここには行く価値がある。
今の韓国で日本のお寺が残っているのは、群山市のここだけ。
その寺の名前は東国寺という。
韓国で唯一残る日本式の寺院だから、これを見るためだけでもここに行ってもいい。

群山市はソウルから簡単に行くことが出来る。
ソウルの南にあって、バスに2時間30分ほど揺られていれば着いてしまう。
地方都市で一泊するのもいい。

ちなみにボクはここに行ったことがありません。
ここには行きたいなあ、と思っているだけです。

日本式家屋や韓国でここしかない日本式寺院・東国寺の画像は、群山市のホームページを見てください。

近代歷史

 

 

日本の寺と韓国の寺はどこが違うのか?
中央日報の記事にそのことが分かりやすく書いてある。

東国寺は国内唯一の日本式寺院だ。韓国の伝統寺院と違い、軒に装飾や丹青(色彩豊かに彩色すること)がない。建物の外壁に窓が多く、屋根の傾斜が急なのが特徴だ。

韓国唯一の日本式寺院、群山「東国寺」の観光がより便利に

 

このハデハデなのが丹青(タンチョン)。
韓国では、お寺や王宮でこの丹青を見ることができる。

ソウルのお寺のガイドに聞いた話では、この丹青は王が住むところにほどこすものらしい。
人間界の王は朝鮮国王で、仏教の世界での王は仏になる。
でも朝鮮時代、仏教は嫌われて弾圧されていたけどね。

 

日本の植民地時代(1910年~1945年)には、朝鮮半島の各地に日本のお寺が建てられていた。
でも、この東国寺以外のお寺はもう残っていない。

韓国では、日本の植民地時代のものは「日帝残滓(にっていざんし)」と呼ばれている。
日本による植民地支配の記憶が、韓国人にとっていい思い出であるわけがない。

そんな韓国人の思いが「残滓」という強烈な言葉にあらわれている。

「残滓」とは文字通り「残り滓(かす)としての捨て去るべき廃棄物」や「屑」という意味であり非常に差別的なニュアンスを含むが、主として韓国ではマスコミや日常会話でも使われるポピュラーな言葉

「ウィキペディア」

韓国が植民地支配から解放された後、日本時代のものはどんどん破壊されていった。
代表的な日帝残滓に、「朝鮮総督府そうとくふ庁舎」がある。

朝鮮総督府は、日本が朝鮮を統治するためにつくられた官庁のこと。
日本の植民地支配の象徴のような建物だから、これは壊されてしまった。

朝鮮総督府そうとくふ庁舎は景福宮と光化門の間に建てられていた。

 

日帝残滓は他にもたくさんある。
植民地時代に日本から伝わったものが日帝残滓になるから、建物だけではない。

三三七拍子、朝会、運動会、修学旅行といったものもある。

今の韓国の言葉にも日帝残滓がある。
「家族、注意、交通、博士、文明、芸術、古典、講義な」などなど。

 

さらには韓国語の「ありがとうございます」の「カムサハムニダ」も日帝残滓だし、韓国のお金の単位である「ウォン」もそう。
ウォンを漢字で書くと「圓」で、これは「円」の旧字体だ。

このへんのことは、ウィキペディアの日帝残滓を見てほしい。

 

韓国も台湾も、日本の植民地だったという共通点がある。

台湾では日本時代のものが多く保存されている。
台湾総督府は破壊しないで残していて、今では台湾の有名な観光スポットになっている。

八田與一(はったよいち)という日本人は今でも多くの台湾人からの尊敬を集めている。
こんなことは韓国では考えられない。

韓国では台湾とは違って、日本時代のものが次々と破壊されていった。
そう聞いていたから、群山市に日本式の家や東寺が残っていることを知ったときは意外な気がした。

今度いつ韓国に行くかは分からないけど、ここには足を延ばしてみたいと思う。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。