韓国の人たちは、とても愛国心が強い。
だから国のために命をかけて活動した愛国者は、英雄として国民から尊敬されている。
そんな人物に安重根がいる。
日本と韓国の歴史観の違いから、安重根は日韓で正反対の評価を受けている。
伊藤博文を暗殺したから、日本ではテロリスト。
でも韓国で安重根は国民的な英雄になっている。
だから反対に、民族の裏切り者は絶対に許さない。
韓国の中学生用の歴史教科書を読んでいると、日本と韓国の価値観や考え方の違いをよく感じる。
例えば、第二次日韓協約については次のように書いてある。
でもその前に確認しておこう。
日韓協約ってのはこんなこと。
20世紀初頭、日露戦争の戦争中から戦後にかけて、3次にわたり日本が韓国保護化を進めた協約。
この日韓協約は3回にわたっておこなわれた。
1905年の第二次日韓協約について、韓国の歴史教科書にはこう書いてある。
この条約がまさに大韓帝国の外交権を強奪した乙巳条約で、主権を日本に譲り渡すことに賛成したのは、李完用をはじめ、(中略)民衆は彼らを乙巳五賊と呼んだ。
日帝は大韓帝国の外交権を奪い、統監府を設置して内政にも奥深く介入した。
少し後には高宗皇帝を強制退位させた後、軍隊を解散させるなど国家権力を掌握しはじめた。「躍動する韓国の歴史 明石書店」
賊とは、「時の政府や国家に反逆する者(デジタル大辞泉)」のこと。
五賊とは、「国を裏切った5人の卑劣な人間」といった意味。
「売国奴」でもいい。
でも、この五賊の子孫が今でも韓国にいる。
全国の中学生が使う歴史教科書で、100年前の先祖を「五賊」と書かれるのはツラい。
たまたまその家に生まれただけの中学生がこの記述を読んだらどう思うのか?
日本だったら教科書にこういうことは書かない。
でも、韓国でこれは当たり前。
国を裏切った人間は許されないから。
「韓日強制併合」とは、「日韓併合」の韓国での言い方。
「強制」とは韓国人の感じ方をあらわしたもの。
当時、日韓併合は国際社会が認めていた。
韓国が日本の植民地になる前後、日本側に協力していた人間を「親日派」という。
韓国と北朝鮮の2国においては、「親日派」は彼らの主張するところの歴史的経緯から反民族行為者、売国奴などの否定的な意味合いで使用される。
「ウィキペディア」
韓国で「親日派」とは、裏切り者や売国奴と同じ意味で使われる。
こうした親日派の人間は今の韓国でリストアップされている。
日本統治時代の朝鮮において反民族行為を行ったとみなした人物を親日人名辞典に収録する目的でに整理した資料を言う。
韓国では、国が「民族の裏切り者」を記録・保管している。
この作業は2005年と2008年におこなわれた。
今では、4776人の親日派がこのリストに収録されている。
これらは国家が認めた売国奴だから、歴史教科書で「五賊」と書くのは、韓国の価値観からしたら自然なこと。
日本にこうした「親日派」にあたる人物はいるだろうか?
ボクが考える範囲では、国家公認の「売国奴」や「裏切り者」という日本人は思い浮かばない。
太平洋戦争をはじめたときの首相であり最高責任者でもあった東条英機でさえ、中学生が使う歴史教科書で「賊」なんて表現はされていない。
日本人の考え方からしたら、教科書で「賊」は考えられない。
ネットで「日本の裏切り者」を探してみたら、戦国武将の明智光秀や小早川秀秋の名前が出てくる。
韓国でいう親日派とはまったく違う。
日本では親日派のような人はいない。
日本人はそんな人物を必要としていない。
韓国人の歴史観からしたら、親日派という民族の裏切り者を国がリストアップして永遠に記録するのは当然のこと。
日本だったら、これはあり得ない。
過去は過去。
どんなにひどいことをしたとしても、死者に恥をあたえるような行為を日本がすることはない。
でも、これは良い悪いの問題ではない。
日本人と韓国人は違うということだけのこと。
お互い外国人なんだからそれは当たり前。
だから、日韓で歴史認識を共有するとか同じ歴史教科書で学ぶことはムリだということがよく分かる。
そんなことはするなら、互いの違いを理解し合うほうがいい。
もちろん、「理解する」とは「受け入れる」ということではない。
豊臣秀吉も安重根と同じように、日韓でまったく反対の評価をされている。
日本では天下を統一した英雄。
韓国では侵略者。
秀吉がしたことは朝鮮出兵か?
朝鮮侵略か?
こんな歴史認識を一致させる努力なんてしなくていい。
だったらそのエネルギーや時間を、日本と韓国のためになることにつかったほうがいい。
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