日本人には理解できない韓国人の発想①関係ないのに謝罪要求。

 

「日本人には理解できないけど、これが韓国人らしい発想だなあ」という新聞記事があったから、今回はそれを紹介しようと思う。

でもその前に、第二次世界大戦中に起きた「ナチス=ドイツによるホロコースト(ユダヤ虐殺)」について、簡単に説明しておきたい。

これを知っていないと、何の話か分からないから。

1933年にヒトラーが政権を奪う。
その後、人種差別的な「反ユダヤ政策」にもとづく、ユダヤ人への迫害が本格的におこなわれるようになった。

ユダヤ人排斥

ユダヤ人を二級市民として公民権を奪い、ドイツ人との通婚を禁止した。38年以降、迫害をさらに強化し、アウシュヴィッツなどユダヤ人絶滅を目的とする収容所を設置した

「世界史用語集 (山川出版)」

ナチス=ドイツに「絶滅の対象」とされたヨーロッパ各地のユダヤ人は、見つけしだい強制収容所に送られていた。

ナチスによるホロコーストによって、600万人ものユダヤ人が殺されたという。

ホロコースト

600万人が殺されたと言われる、ナチス=ドイツによるユダヤ人虐殺のこと。この用語は「旧約聖書」に由来する。ユダヤ人絶滅を目指し、アウシュビッツなど各地の収容所で計画的に虐殺がおこなわれた

「世界史用語集 (山川出版)」

この「ホロコースト(Holocaust)」という言葉は、ここに書いてあるように旧約聖書の言葉からつくられた造語。
たしか「完全に焼き尽くす」という意味の言葉だったと思う。
ホロコーストとは、ある特定の民族の絶滅を目的にした計画的な虐殺で、ただ多くの人を殺害する「虐殺(massacre:マスカー)」とは違う。

 

アウシュヴィッツ強制収容所(ウィキペディア)

 

連合軍が到着したときの収容所の様子

おびただしい数のユダヤ人の死体が放置されていた。

 

毒ガスで殺害されたユダヤ人

 

死体はここで焼却されていた。

上の画像は「NHK 映像の世紀 第5集」から。

 

 

第二次世界大戦中に、多くのユダヤ難民の命を救った「杉原千畝(すぎはら ちうね:1900年~1986年)という日本人がいる。

イスラエルは今でも杉原千畝を恩人と考えていて、彼の功績をたたえるための「杉原千畝通り」という道がある。

杉原はリトアニアにいた外交官で、ナチス=ドイツによる迫害に苦しんでいたユダヤ難民にビザを出して、彼らを亡命させていた。

杉原千畝

リトアニアの首都カウナスの日本領事館代理の時、ナチスの迫害を逃れたユダヤ人らに、日本通過のビザを発給。1969年、イスラエル政府から『イスラエル建国の恩人』として表彰された

「日本史用語集 (山川出版)」

杉原によって、6000人ものユダヤ人が救われたという。

 

杉原がユダヤ難民に出したビザは、「命のビザ」と呼ばれている。

 

最近リトアニアを訪れた安倍首相は、杉原千畝の記念館にも足を運んだ。

そこで杉原の人道的な行動をたたえ、「同じ日本人として誇りに思う」と記者団に語る。

このニュースを知ったとき、「韓国が文句を言ってくるな」とピンときた。
韓国人なら、何を言うと思いますか?

 

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杉原千畝

 

予想通りの記事(2018年01月15日)が中央日報にあった。

安倍首相、「日本人シンドラー」杉原千畝記念館を訪ねて「誇りに思う」…日本の過去史は?

 

リトアニアを訪れた安倍首相が、6000人ものユダヤ人を助けた杉原千畝を「同じ日本人として誇りに思う」と言う。
すると、韓国の新聞がこれを批判する。

上の記事によると、韓国の「アジア経済」はこう報じた。

「戦犯国家の過去史にも直視できない安倍首相がドイツ政権のユダヤ人虐殺に対抗した日本人を賛えるのは二重的という指摘も出ている」

日本を「戦争犯罪国」とするのは韓国的な認識だ。
リトアニアが日本を「戦犯国家」と呼ぶわけがない。
「過去の歴史を直視できない」というのも韓国人の典型的な発想で、リトアニアには関係がない。

慰安婦問題について言えば、2015年の慰安婦合意で日韓が「最終的な解決」で合意している。
その合意にもとづいて、安倍首相は心からのお詫びを表明した。
「過去史にも直視できない」という韓国メディアは、これを直視していない。

 

 

また、杉原千畝の人道的な行動を「誇らしい」と言った安倍首相に、中央日報は別の記事(2018年01月16日)でこう書いている。

安倍首相が、唯一、慰安婦問題だけに対しては「1ミリも動かない」と言うのは人道主義と正義に符合しない。

日本版シンドラーが安倍首相に望むこと=韓国

その2つは関係ありませんよー。
杉原千畝がユダヤ難民を助けたことと、慰安婦問題はまったく別の問題ですよー。

先ほどの記事もこの記事も、まったく関係ないのに慰安婦問題を結びつけて、暗に元慰安婦への謝罪を求めている。
これが韓国人には自然な発想だけど、日本人にはなかなか理解できない。

ネットの反応でも、「韓国関係ないよね?」「ユダヤ人救済になんで慰安婦問題が?」といった反応が多い。

日本の新聞なら、「杉原千畝を誇りに思うなら、元慰安婦の人たちに謝罪するべきだ」と主張する記事はあり得ない。
その2つを結び付ける発想がないから。

安倍首相が杉原を「日本人の誇り」とたたえても、ダブルスタンダード(二重的)にはならないし、人道主義と正義にも符すりまっせ。

人道主義とか正義を語る前に、韓国は日本との約束を守りなきゃ。

 

 

 

安倍首相のニュースを見て「これは、韓国が文句を言ってくるな」とピンときたのは、前にも同じようなことがあったから。

次回、そのことを書きます。
これもなかなかパンチが効いてます。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。