平昌五輪、韓国が望む3強首脳は欠席。最後の望みは安倍首相。

 

オリンピックが開催される平昌は寒い。

開会式では、体感気温が-20度を下回ると予想されていて、中央日報は「シベリア開幕式」と表現していた。
このため平昌五輪の開会式は、世界的な規模のガマン大会になることが確実視されている。

でも、韓国政府は違う。
政府の平昌五輪にかける思いは、とても熱い。
中央日報の記事によると、韓国政府はこれを「外交の勝負どころ」と位置づけている。

このへんは、「できの悪い子どもほど、親にとってはかわいい」ということかもしれない。
いやいや何でもないっす。

 

日本でお店が開店するときには、豪華なお祝いの花が欠かせない。
*スナックの前にあった開店祝いの花輪を見て、「なあ、あそこで葬式をしてるのか?」と真顔で聞いたイギリス人もいたけれど。

平昌オリンピックの成功を世界にアピールするためには、開会式での”華”が必要になる。
だから韓国政府は、世界の首脳に来てほしかった。

なかでも、韓国政府がどうしても来てほしい首脳が4人いて、韓国紙は「4強」と書いていた。
日本なら「神4」といったところ。

その4強とは、アメリカ・ロシア・中国とわれらが日本。
韓国政府は平昌五輪の開会式で、この四神の姿を見ることを強く希望していた。

 

 

そんな韓国で、中央日報がこんなさみしそうな記事(2018年01月17日)をのせている。

2月9日の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)の開会式に日本・米国・中国・ロシアの首脳が出席しない可能性が高まった。韓国政府が構想する「和合の祭典」の絵がやや色あせることになった。

4強首脳はすべて平昌五輪欠席か…「誰も北の脇役になろうとしないはず」

「やや」?
4強のうち、1つか2つが来なくて「やや色あせる」というのなら分かる。
4強全滅で「やや」程度か?

 

「やや色あせることになった」という割には、韓国は4強に来てもらうために、並々ならぬ外交努力をしてきた。
例えば中国にはこんな感じだ。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が習主席に直接会って招請したのだけでも2回だ。北京が次回の冬季五輪の開催地という点も韓国政府の期待感を高めた。

4強首脳はすべて平昌五輪欠席か…「誰も北の脇役になろうとしないはず」

韓国政府の期待感が高まったところで、周主席は「ごめん、ムリ」と平昌五輪を欠席することとなった。
「国家主席がダメなら、中国の首相に来てほしい」と韓国が頼んだのだけれど、それもダメ。

で結局、中国からは共産党の党序列7位の人が出席する。
将棋で言えば、桂馬ぐらいだと思う。

中国は、韓国が配備した「高高度防衛ミサイル(THAAD)」がまだ気にくわないらしい。

 

アメリカもトランプ大統領が来ないことは確定している。
代わりに、ペンス副大統領が平昌五輪の開会式に参加すると発表した。

これは去年、韓国政府が開いた夕食会で「いらないサプライズがあったから」といわれる。
ということはなくて、「トランプ大統領が北朝鮮の代表団と同席するのはマズイ」と判断したためという。

 

ロシアのプーチン大統領も、平昌五輪の開会式はテレビで見るらしい。
ロシアはドーピング問題で、平昌五輪に参加できなくなってしまった。
だから、もしプーチン大統領が平昌オリンピックの開会式に参加するとしたら、ロシア大統領ではなくて、「個人のプーチン氏として」になってしまう。
これだったら、こたつに入ってみかんの皮をむきながら開会式を見るだろう。

韓国紙を見ても、プーチン大統領の出席を絶望視している。

 

韓国が出席をとくに希望した4強のうち、3強は来ないことは決まった。
すると、あと残るのは・・・。

 

4強の最後の砦が、安倍首相になってしまった。
韓国はここに最後の希望を見ている。
朝鮮日報の記事(2018/01/20)の見出し「安倍首相は来る?来ない?」が何かほほえましい。

韓半島(朝鮮半島)周辺の主要4カ国首脳のうち、日本の安倍晋三首相だけが出席するかどうかをはかりに掛けている。

「平昌五輪:安倍首相は来る?来ない? 日本でも情報錯綜」

さてさて、安倍首相は平昌五輪に出席して、「4強全欠席」の事態から韓国を救うことができるのか?
乞うご期待。

 

「それでも安倍さんなら、安倍さんならきっと・・・」 by 韓国政府一同

 

「4強首脳はすべて平昌五輪欠席か」のニュースには、ネットでこんな反応があった。

・逆に何で来ると思ったんだろう
・ふっ!奴は四天王の中でも最弱!
・五輪なんて選手が来れば十分だろ
・これって、イジメだよね
・政治家の出欠ばかり話題になって肝心の選手や競技が大して話題にならない変なオリンピックだな
・とりあえず開会式は録画しようと思う。アツいアクシデントの予感がするのでね。

*この記事を書いた後に、「安倍首相が平昌五輪に出席する」という報道が流れた。
このことについては、別の記事で書きます。

 

おまけ

朝鮮日報は「安倍首相は来る?来ない? 日本でも情報錯綜」と書いているけど、その記事を読むと、韓国でもかなり情報が錯綜している。

韓国の康(カン)外相は先月、「首脳級が出席する意向を明らかにした国は43カ国だ」と述べた。
でも、韓国の外務省は今月19日に、「平昌五輪には20数カ国の首脳級の外賓が出席する予定だ」と言う。

参加する国が43カ国から20数カ国って、半分になっている。
これは一体?

これについて外務省(外交部)はこう説明している。

外交部当局者は「43カ国は出席する『可能性』を表明した国であり、このうち20カ国で首脳級の出席が事実上確定したものと考えればよい」と説明した。

平昌五輪:安倍首相は来る?来ない? 日本でも情報錯綜

 

いやいやいやいや、それは違う。
「出席する意向を明らかにした」と「出席する『可能性』を表明した」は、同じ意味じゃない。
聞いた方は、前者なら「出席する」、後者なら「出席するかもしれないけど、分からない」って理解するでしょ。

韓国政府は、韓国人の記者でも混乱するようなことを言ってるのか。

慰安婦合意でも韓国政府は「内容は誤りだが、正式な合意だった」とか言って、日本を「つまり何?韓国は合意を履行するんだよね?」と混乱させたけど、国内でも同じことをやっているらしい。

韓国人記者も韓国政府の「言語明瞭意味不明」の被害者になってると知って、なんか安心した。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。