昨日2月9日、韓国で平昌五輪がはじまった。
日本のネットでは今、開会式についていろいろと盛り上がっている。
「夢に出そう」「子どもが泣きだした」という人面鳥が出てきたと思えば、開会式を中継していたNHKの番組で、桑子アナウンサーが致命的な言い間違えをしてしまう。
アナウンサーは開会式を「閉会式」と言ってしまった。
でも、本人はそれに気づかず、訂正することのないまま番組は終了。
本人は上司から怒られたと思うけど、ネットはやさしい。
・早く終わらせたかったのねw
・気持ちはわかる
・わざとだなw?
・雰囲気が閉会式だったんだろ
しょうがない
・ナイスフィニッシュ
そんな日本のネットでは、他にも話題をさらっているものがある。
それは「モルゲッソヨ」。
「モルゲッソヨってなに?分からない」という人も多いと思う。
今回は平昌五輪の「モルゲッソヨ」を紹介したい。
「分からない」
それがモルゲッソヨ。
でもその前に、オーストラリアのカンガルーの話をさせてほしい。
後でつながるから。
オーストラリアとはこんな国。
・面積:約770万平方キロメートル(日本の約20倍、アラスカを除く米とほぼ同じ)
・人口:約2,413万人(2016年6月)
面積が日本の約20倍で、人口は約5分の1。
どれだけ無人の野が広がっているのか。
・首都:キャンベラ(人口約39.6万人)
首都をシドニーと思っていた人は手をあげてください。
・民族:アングロサクソン系等欧州系が中心。その他に中東系、アジア系、先住民など。
オーストラリアの先住民は「アボリジニ」と呼ばれる。
・言語:英語
・宗教:キリスト教61%、無宗教22%
以上の数字は、外務省ホームページのオーストラリア連邦基礎データから。
ヨーロッパ人がオーストラリアに来る前から、ここには先住民の「アボリジニ」が住んでいた。
1770年にイギリス人探検家クックがシドニーの近くに上陸して、「ここはイギリスのものだ」と宣言する。
ここから、イギリス植民地としての歴史がはじまる。
18世紀後半にアメリカが独立すると、それまでアメリカに囚人を送っていたイギリスは、オーストラリアに囚人を送るようになる。
それでオーストラリアはイギリスの流刑地となった。
オーストラリアの州の歴史(ウィキペディアから)
オーストラリアという未知の大陸に足を踏み入れたヨーロッパ人は、カンガルーを見て驚く。
「カンガルー」という言葉の由来は、「gangurru(跳ぶもの)」という現地の言葉といわれる。
オーストラリアを発見(到達)したクックの航海の記録にも、すでにカンガルーという言葉が登場している。
ピョンピョン跳ねるこの不思議な動物に、ヨーロッパ人は大きな衝撃を受けたのだろう。
今の日本人が平昌五輪の「モルゲッソヨ」を見たときのように。
「カンガルー」という言葉についてはこんな話がある。
カンガルーを見たヨーロッパ人が現地の人間に、「あれは何という動物なんだ?」とたずねる。
でも、現地の人はヨーロッパの言葉が分からない。
何を言われたのか理解できなかったから、「カンガルー(分からない)」と現地の人が答える。
それを聞いたヨーロッパ人は「そうか。あの動物は“カンガルー”というのか」とかん違いしてしまう。
それでそれ以降、この動物がカンガルーと呼ばれるようになった。
これは史実ではないけれど、カンガルーの由来についてこんな話がある。
さて、お待たせしました。
平昌五輪の「モルゲッソヨ」ですよ。
百聞は一見にしかず。
まずはモルゲッソヨを見てほしい。
「モルゲッソヨ」とは平昌五輪のメインプレスセンター前にある像のこと。
前からここにあったわけではない。
五輪に合わせて、メインプレスセンターという注目度の高いところにこの像が設置された。
日本人の感覚からすると、この像にはかなりのインパクトがある。
それで、この像を見た日本のスポーツ紙の記者が現地の韓国人に、「あの像は何ですか?」とたずねた。
すると、ボランティアスタッフの韓国人が「モルゲッソヨ(わかりません)」と答える。
スポーツ紙がそれを記事にして報じたところから、日本のネットでも、この像がそのまま「モルゲッソヨ(わかりません)」と呼ばれるようになる。
モルゲッソヨ像は日本のネットユーザーの視線を釘付けにした。
例えばこんなツイートがある(いまは削除されている)。
モルゲッソヨ祭りの経緯
平昌オリンピック会場前の謎のオブジェに対し現地民「モルゲッソヨ(知らないです)」
↓
インパクトがでかすぎてAA祭りが始まる pic.twitter.com/wVZnupivNA— 歴女ではない (@rekijodehanai) 2018年2月8日
平昌五輪の開催とほぼ同時に、日本のネットでも「モルゲッソヨ祭り」がはじまった。
aa職人も腕をふるっている。
画質はイマイチだけど、モルゲッソヨはグーグルマップで見ることができる。
https://goo.gl/maps/4uKPZ89P1C32
平昌五輪が終わっても当分の間は、日本のネットからモルゲッソヨが消えることはない。
いまでは日本人間で「あいさつ」になってしまったほどだから。
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