5、6年前のこと。
日本に住んでいた2人の韓国人に、日韓の違いや日本で驚いたことを聞いてみた。
2人とも20代の女子大生で、ワーキングホリデーで日本に来て、東京で働いていた。
いろいろなことを話していたけれど、2人とも共通していたのは次の2点。
・日本では、東京でさえもWi-Fiが使えるところが少ない。
・日本人の現金主義。日本人はカードでの支払いをほとんどしない。「カード使用不可」の店も多い。
ソウルではどこでもWi-Fiが使えるけど、東京ではそれができない。
だから、Wi-Fiスポットを探さないといけないことがある。
旅行で来る韓国人も、日本でのWi-Fiの使えなさに驚く。
韓国人にとって、自由にWi-Fiが使えないというのは、かなりのストレスになるらしい。
日本人と韓国人の違いで感じたことは、日本人の現金主義。
日本人は現金で支払いをすませることがとても多い。
韓国人は逆で、生活のほとんどのものはカードで支払う。
バスや地下鉄などの公共交通機関はもちろん、100円以下のお菓子を買うときもカード払い。
だから彼女たちが韓国にいたときは、財布の中に現金は1000円ぐらいしか入っていなかった。
カードで何でも買えるから、現金を持ち歩く理由がない。
2人とも日本には「世界有数の先進国」というイメージがあったから、Wi-Fi環境やキャッシュレス化も進んでいると思い込んでいた。
だから、現実の日本を知って驚いたという。
ボクは逆に、韓国のカード化社会にビックリした。
韓国には「T-money」というカードがある。
スイカやパスモと同じプリペイド式の交通カードだけど、このカードは使える範囲がメチャクチャ広い。
地下鉄・鉄道・バスで使うことができるし、タクシーも「T-money」で支払うことができた。
コンビニを始め、いろんな店での買い物もこのカードでOK。
静岡県民からすると、「未来ずら~」といった感がある。
最近の産経新聞でも、韓国のキャッシュレス社会に驚いたというコラム(2018.3.29)があった。
韓国の「日常」を感じようと地元の街を歩くように努めたが、日本人として驚いたのは、クレジットカードや電子マネーの普及ぶりだ。
ボクが韓国人から話を聞いたときから5年が過ぎたけれど、日本と韓国のキャッシュレス化には、まだ大きな違いがあるらしい。
韓国では、どんなに小さな店や個人タクシーでもカード払いができた。
取材で訪れた日本人記者がそのことに驚いている。
日本では、「カード不可」という店やタクシーはまだまだ多い。
日本人にはそれでいいのだけど、日本に来た外国人には不便。
現金の両替は必要最低限におさえたい外国人はたくさんいる。
ボクも海外に行ったときは、同じことを思った。
外国で多額の現金を持ち歩きたくはない。
世界全体の流れは「キャッシュレス」に進んでいる。
キャッシュレスから現金主義に戻る国なんてないだろう。
いま日本は、熱心に外国人を呼びこんでいる。
2017年に日本へやって来た外国人の数は約2900万人。
政府は、東京五輪がおこなわれる2020年までに「訪日客4000万人」を目指している。
コラムでは、そのためにも日本のキャッシュレス化が必要だと訴えている。
実現のためには外国人がストレスフリーに観光できる環境を少しでも整える必要がある。「キャッシュレス決済」の拡大は不可欠ではないだろうか。
タイでも訪日を呼びかけるキャンペーンがよくおこなわれている。
訪日外国人をもてなすためにも、日本も「キャッシュレス社会」になるべきか?
ネットでも賛否が分かれている。
〇キャッシュレス化に反対の意見
・コーヒーステマと一緒
キャッシュレスステマ
・日本に行けば現金主義を体験できるって、逆に魅力になると考えろよ
・手数料払うなら現金のほうがお得ですわ
・何も焦る必要はない。お得なものは、自然に広まる。
〇キャッシュレス化に賛成の意見
・外国人向けの共通電子マネーは一つはあってもいいな
スイカとかも使えるとおもっったけど駅周辺とコンビニくらいなんだな
・外国人のためだろうが、結果としてキャッシュレスが広まるといい。
・ETC、駅の自動改札、給料は現金から給与振込、公共料金は口座振替へ。
小売店は最後の関門だわ。
・昨日も、駅にあるゆうちょのATMで金を下ろそうとしたら、10人くらい並んでてうんざりした。
〇そのほかの意見
・韓国がカード大国なのは、債務危機の後に、政府がクレジットカードの利用を奨励して販売側の脱税を無くそうとしたから。
・韓国の場合高額紙幣がないってのも大きい
個人的にはこれからも現金払いですませるつもりだから、キャッシュレス化が進んでも関係ない。
40過ぎてから、支払方法を変えるのもめんどくさい。
でも外国人を呼びこむためには、日本もキャッシュレス社会になった方がいいとは思う。
日本の社会はこれからそうなるだろう。
「日本でキャッシュレス化がなかなか進まない理由は、日本では偽札がないからですよ」
中国を旅行中、現地のガイドからそんな話を聞いた。
中国では偽札が本当によく出回る。
ボクが初めて中国を旅行したのは、今から20年以上前のことだけど、その時も偽札問題があった。
偽札が出回るために、店側は偽札発見機を購入する。
すると今度は、”ニセの偽札発見機”が出回っていた。
今でも中国では偽札が流通していて、銀行のATMで現金を降ろしたら偽札が出て来ることもある。
中国でキャッシュレス化が進んでいるのには、「現金が信用できないから」という悲しい理由もある。
これに対して、日本では偽札が出回ることがない。
その中国人ガイドの見方では、日本は信用社会だからキャッシュレス化が進まない。
キャッシュレス化を進める必要がない。
たしかにそんな面もあると思う。
日本のネットでは、「中国人はすぐにパクって、偽物をつくる」というコメントがよくある。
でも、中国人の話を聞くと、中国人もそのことでかなり困っている。
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