千葉県に銚子電鉄という鉄道会社がある。
この会社がヤバい。
ホームページを見ると、「現在また経営危機の真っただ中にいます」とド正直に書いている。
このピンチを乗り切るために、銚子電鉄はあることを考えた。
「そうだ!駅名のネーミングライツ(命名権)を売り出そう」
つまりお金を出せば、自分の好きな名前を駅名にすることができるということ。
とはいっても、駅の愛称をつけることできるだけで、期間も決まっている。
読売新聞の記事(
同電鉄の命名権売却を巡り、個人が対象となったのは初めて。
(中略)両駅とも契約期間は今月1日から11月末までの8か月で、金額は海鹿島駅が50万円、西海鹿島駅が45万円という。経営難で駅命名権売却…鮮魚店や個人名も登場
その結果、「千葉石毛魚類駅」とか「キャリアコンサルタント加藤隆久駅」といった、すごく読みづらい駅名が誕生した。
他にも、こんな素敵が駅がある。
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銚電ネーミングライツから。
このニュースにネットの反応は?
・無職アニオタ駅とかつけてほしいな
・うわぁ 車内アナウンスの人の舌が鍛えられるな
・銚子のんなよゴルァ
・数十万程度なら広告費と思えば安い。
・広告のためとはいえ自分の名前を駅名に付ける勇気がない。
・偵察ヘリコプター観測員「由比ヶ浜より上陸したゴジラ、みんなの夢 銚子電鉄 キャリアコンサルタント加藤隆久駅 西海鹿島駅方面へ向け進行中!」
・長い駅名どうにかしれ
・みんなで全部買い取って、全ての駅名を同じにしようぜ。
・ネーミングライツで好きな駅は「南部さけコンドロイチン釜石」
・駅名の命名権か、考えたな
球場なんかより安価で済みそうだし
・どこで降りていいのか全くわからねえw
こうしたネーミングライツ(命名権)の日本初の例は、2003年にできた「味の素スタジアム」といわれる。
5年間で金額は12億円ナリ。
前置きが長くなったけど、ここからが今回のメイン。
世界のネーミングライツにかかわる話。
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クイズです。
オーストラリアの「エアーズロック」とネパールの「エベレスト」に共通することはなにか?
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エアーズロック
「世界のおへそ」なんて呼ばれる巨大な岩
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エベレスト
ご存じ世界一高い山
答えは、「どっちもイギリス人の名前に由来する」ということ。
エアーズロックという名称はイギリス人「ヘンリー・エアーズ」にちなんでつけられた。
エアーズさんは19世紀、南オーストラリアの植民地首相をしていた人。
ちなみにエアーズは「Ayers」であって、空気の「Air」じゃないよ。
エベレストも「ジョージ・エベレスト(1790年 – 1866年)」というイギリス人にちなんでつけられている。
エベレストさんは探検家で地理学者でもあった。
さらにイギリスが支配していたインドで、測量局の長官をしていた。
そのインド測量局が、ヒマラヤ山脈にあった山が世界最高峰であることを発見する。
それでジョージ・エベレスト前長官にちなんで、「エベレスト山」と名づけた。
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この時代のネーミングライツは、支配者のイギリス人にあった。
でも近年では、イギリス人がつけた名称ではなくて「現地の呼び方を尊重しよう」という空気が世界的に広がっている。
いってみれば、ネーミングライツが地元の人たちに移ったということ。
それでエアーズロックは「ウルル」と呼ばれるようになった。
ウルルとは先住民アボリジニの言葉。
ウルルは先住民のもので、オーストラリアにレンタルしている。
ウルルの所有権はピッティンジャラジャ評議会というアボリジニの組織が有しており、オーストラリア政府にリースされ、1985年から2084年まで一帯の土地をオーストラリア国立公園ならびにワイルド・ライフサービスに貸すことになっている。
エベレスの場合は少し複雑だ。
エベレストの現地の言葉は複数ある。
チベット語だと「チョモランマ」だし、ネパール語だと「サルガマータ」になる。
1950年代に入って中国政府がチベット名「チョモランマ」(Chomolangma、珠穆朗瑪)を採用した、これは「世界の母なる女神」の意味であるという。1960年代にはネパール政府が「サガルマータ」(世界の頂上の意味)という名称を示した。
最近はチベット語の「チョモランマ」をよく見る。
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