きのうの記事で、ソウル市長の朴 元淳(パク・ウォンスン)氏のことを書いた。
慰安婦問題をテーマにした映画「Her story」を見た朴市長はこう話している。
「まだ謝罪していないにもかかわらず、 日本は慰安婦問題を終わらせようとしている」
「まずは加害者が謝罪をするべきだ」
「日本は終わらせようとしている」と市長は言うけれど、慰安婦問題については、2015年の日韓合意で韓国政府が解決を確認している。
だからこの問題について、日本と韓国が話し合うことはもうない。
朴市長の言葉は現実的には的外れだけど、韓国人の心(国民感情)は射抜いている。
こんな言葉から分かるように、この市長は基本反日的。
市民の反日感情を刺激して、自分への支持を広げようとする。
韓国によくいる政治家なのだけど、この人はちょっと違う。
朴氏は今年6月13日の選挙で、ソウル市長に当選した。
ソウル市長として三選を果たしたのは、彼が初めて。
首都ソウルで、2011年から3年連続で市長に選ばれているのだから、政治家としての能力はとても高い。
今回は、このソウル市長に焦点を当てていこうと思う。
朴氏は反日と用日をうまく使い分ける、典型的で”優秀な”韓国の政治家だ。
この人を通して、韓国人の考え方や価値観が見えてくる。
去年の8月、日本政府が「あってはならないことだ!」と韓国に怒りを見せた。
というのは、バス会社がソウルを走る市バスに、プラスチック製の慰安婦像を乗せるという政治パフォーマンスを行ったから。
上のような像をバスに乗せて、ソウル市内を走らせるという発想がすごい。
こんな奇想天外なことをするから、欧米人に「Only In Korea(韓国でしかあり得ない)」と言われんですよ?
日本のマスコミも取り上げていたから、この出来事を覚えている人は多いと思う。
このときは手が込んでいた。
慰安婦像をバスに乗せるだけではなく、像を乗せたバスが日本大使館近くを通るときには、慰安婦映画で使われた音楽が流されていたのだ。
本当に、よくこんなことを考えつくもんだ。
なんでこれで、毎年ノーベル賞が取れないのか?
きっと、考え方の基準が世界と違うのだろう。
でも、この反日パフォーマンスはやり過ぎ。
それで菅官房長官が「あってはならないことだ」と、これを批判した。
外務省の幹部もイラッときたようだ。
中央日報の記事(2017年08月15日)から。
「日韓双方が、未来志向で両国関係の発展に向けて努力している中で、こうした行為は水を差しかねないものだと懸念している」という立場を表したが、官房長官が市内バスの少女像に対する立場を表明したのは初めて。
日本は、2015年の日韓合意で約束したことを全て行っている。
それで韓国側がしたのがこれ。
それでも日本は日韓友好のために努力している。
けな気というか、日本は本当に忍耐強い。
というか、韓国への見方や対応が根本的に間違ってないか?
バスに慰安婦像を乗せることを許可したのはソウル市。
当然、市長もこのアイデアに賛成しているはず。
賛成どころか、これを熱烈に支持していた。
市長も慰安婦像と同じバスに乗って、それをマスコミに取材させている。
朝日新聞の記事(2017年8月14日)で像を視察した市長は、慰安婦合意についてこんな見解を示していた。
「長く時間がかかっても、少なくとも国民が情緒上納得できる新たな合意に至るべきだ」
言っていることは、慰安婦映画を見た感想と変わらない。
「日本は慰安婦問題を終わらせようとしている」
「まずは加害者が謝罪をするべきだ」
これと同じ。
韓国の政治家として大事なことは、国民の情緒を納得させること。
その大きなものが、人々の反日感情を満たすこと。
それで朴氏もこんな反日行為に乗っかっている。
上の記事にある画像を見てほしい。
朴市長は慰安婦像の手に自分の手を重ねている。
慰安婦像に寄りそう姿は韓国人には受けていた。
これが国民情緒を納得させる方法らしい。
でも個人的には、慰安婦像をバスに乗せて市内を走らせるという発想や市長のパフォーマンスには、強烈な違和感を感じた。
日本人と韓国人には、考え方や価値観に決定的な違いがある。
この一件でそれがよく分かった。
韓国の政治家の場合、国民の支持がほしかったら、反日愛国の感情に訴えるのが手っ取り早いし効果的だ。
何より、反日はリスクが少ない。
ソウル市長として初の三選に成功した背景には、こういう姿勢があったわけだ。
ここまでは、朴市長の反日のはなし。
次回は、朴市長の用日について書いていきます。
国内では反日を叫んで国民の情緒を納得させるけど、日本に対しては、技術や資金などの利益を得ようとする。
韓国の利益のために、日本を有効に利用する。
でも、これは悪いことではない。
国益のために他国を利用することは、どこの国もやっている。
この点については、日本も韓国に学ぶべきだと思う。
でも日本人の反応を見ていると、反日と用日の両立はもうむずかしくなっているようだ。
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