在日中国人も驚いた!日本社会の”クリーンな”汚職事件。

 

先月8月に、友人の中国人と長崎ちゃんぽんを食べた。

「長崎ちゃんぽんは完全に日本食ですね。中国のラーメンとは全然ちがいます」

そんな話のついでに、中国での習近平国家主席の評判を聞いてみた。
その中国人の話では、習主席の人気はかなり高い。
習氏が人々から支持される理由を聞いたら、「ワイロを厳しく取り締まっているから」と言う。

以前の中国では、役人の腐敗が本当にひどかったらしい。

例えば、建築業者が仕事をもらうために、役人を接待したとする。
業者は3人の役人をレストランに招待して、10人分の食事をごちそうする。
当然、食べる量より、残す量のほうがずっと多い。
中国では、「食べきれないほどの食事を出すのがおもてなし」という感覚があるらしい。

建築業者はこんな感じで、食事や現金を提供して役人から仕事をもらう。
こんなことが中国中のレストランであった。

前はそんな話をよく聞いたけど、習近平体制になってから、そんな光景がなくなったという。
もちろん、汚職がゼロになったわけではない。
でも、社会がクリーンになったおかげで、いまの中国ではレストランが困っているらしい。

 

それと、「聖域」もなくなった。
これまでだったら警察に捕まることのなかった大物でも、逮捕されるようになった。
これも「トラもハエもたたく」という習氏の反腐敗政策の表れだ。

”ハエ”はレストランでお腹いっぱい食べる小役人のことで、”トラ”は共産党の重要幹部のこと。
上から下まで、中国社会全体でワイロがなくなっていることを市民が実感できている。
これが習主席への支持につながっているという。

 

 

そんな話をしていた彼は、もう日本に5年以上住んでいる。

日本での生活にすっかり慣れて、もう日本のことで驚くこともなくなった。
と思っていたのだけど、最近、日本の社会にとても驚いたという。

それは日本の役人のお食事券。じゃなくて、汚職事件。
文部科学省の役員が医療コンサル会社の役員から、数回にわたって、約140万円の飲食接待を受けていた。
この役人は「国際統括官」というかなり地位の高い人。

これがバレて、役人は逮捕された。

中国人の彼はこれを知って驚く。
”たった140万円”でお偉いさんが逮捕されるなんて、中国では考えられないという。
汚職事件なんだけど、「日本はなんてクリーンな国なんだ!」と中国で話題になった。
結果的に、日本の評判が上がってしまったらしい。

この事件への中国人の反応は、レコードチャイナの記事(2018年7月27日)にも書いてある。

「1回の食事で140万円かと思ったら、1年半で140万円なのか」
「わが国の役人の夜食1回分にも足りない金額じゃないか」
「日本のこの基準を中国に当てはめたら、中国の役人は全員刑務所行きだ」
「中国なら清廉潔白な役人の部類」
「これはわが国の腐敗汚職に対する風刺だな」

文科省幹部が140万円接待で逮捕、中国ネットはびっくり=「中国なら潔白の部類」

日本在住5年の彼でも驚いたぐらいだから、一般の中国人には驚天動地だろう。
日本人のボクには「汚職事件で140万円なんて、額が小さすぎる」という中国人の感覚にビックリなんだけど。

 

 

先ほどのトラ(大物)かハエ(小物)かでいえば、この日本の役人はトラになるらしい。
でも、中国でトラ級といえば、例えばこんな人間だ。

産経新聞の記事(2018.5.8)から。

見返りとして計1億7千万元(約29億円)相当の金品を受けとったとされる。判決は「自ら模範となるべき高級幹部が巨額の賄賂を受け取った」と指弾する

元“ポスト習近平”に無期懲役判決 「29億円収賄」孫政才氏、上訴せず

 

文科省の国際統括官とは格がちがうと思うけど、中国人の友人も「30億円のワイロをもらって捕まった人がいる」と話していた。
この孫氏のことだろう。

中国で大物の汚職事件といえば、何十億というレベルらしい。

日本と中国ではワイロのレベルがちがう。
汚職撲滅を進める今の中国でも、140万円なら「清廉潔白な役人の部類」になるらしい。

今回の汚職事件には、日本をよく知っている中国人でも驚いていた。
そんな彼の話を聞いて、ボクは中国社会に驚いた。
改めて思うけど、やっぱり日本と中国の社会はぜんぜん違う。
長崎ちゃんぽんと中国ラーメン以上の違いがある。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。