【対人関係】外国人にはわかりづらい!日本人の「が」の使い方

 

日本人との対人関係で、こんな不満を持っている外国人はよくいる。

「日本人の言うことは、イエスかノーかよくわかんねえええ」

日本人は礼儀正しい丁寧だ。
だから、お断りの表現が遠回しになる。
「相手を傷つけないように」と配慮した結果、外国人をイラつかせたり傷つけたりしてしまう。
こんなことはボクもよくあった。
いまもある。

 

日本人と接する中国人もそう思っているらしい。

中国情報のサイト「サーチナ」で、中国メディア・東方網の「『いいえ』と言わない日本人は、どうやって他人の誘いを断るのか」という記事を紹介している。

外国人が日本語を学習するとき、「はい」をイエス、「いいえ」をノーと覚える。
でも、日本人は相手の気持ちをよく考えるから、日本人の「いいえ」は必ずしもノーではない。
日本人は誰かの招待を断るときに、「いいえ(ノー)」とダイレクトに言わない、と記事に書いてある。

その点、外国人の言い方は直接的だ。
「このチョコ食べる?」と聞くと、「ノーサンキュー」と外国人は平気で言う。
慣れるまでは、けっこう傷つく。

 

では、「いいえ」を言わない日本人は、どうやって相手に「ノー」を伝えるのか?

これが記事の核になっている。
中国メディアの分析によると、日本人は「いいえ」の代わりに「が」を使って、相手を傷つけないように断っている。

サーチナの記事(2018-09-22)から。

招待を断る時には通常「行きたいのですが・・・」とし、相手の考えを否定する時も「お考えはよくわかりますが・・・」として自らの意見を述べるのが一般的であり、「が」が反対の意思を十分示すうえ、相手を傷つけることもないとした。

「No」と言わない日本人は、どうやって頼まれごとを断るの?=中国メディア

 

この記事にネットの反応は?

・日本人から見て、ああ断りたいんだなと言う表情をします。
・>どうやって頼まれごとを断るの?
聴いてないふりをする日本人が多い。
・「よく考えてみます。」「検討をしてみます。」等で飲み会のお断りは「親戚が病気になって見舞いに行きます。」
・京都人「よかったら上がっていかはりまへんか?」
(訳)「さっさと帰れ、ボケ!」
やからな…
・ふつうにNo言いますよ
嫌な相手と付き合うほど人生に無駄な時間はないから
・お引き受けしたいのは山々なんでございますが、今はちょっと力不足でございまして…

 

最後のような言い方を外国人は一番嫌う。
これだったら、「ノー」の一言の方がマシ。

この東方網の記事は、対人関係で日本人が重視するポイントは「相手を不愉快な気持ちにさせないというところにある」と指摘している。

ワシもそう思う。
日本人のことをよく研究していて感心した。
中国人の考え方や行動を、ここまで解説する日本のメディアはあるのだろうか。

日本人の配慮と中国人の自己主張を足して二で割ると、理想的な国際人になると思う。

 

でも、やっぱり日本人との関係や日本語はむずかしい。

「『~ですが』の『が』がわからない」というニュージーランド人に会ったことがある。

それはまだ携帯電話がなったころの話。
あるときそのニュージーランド人が友人の家に電話をかけたら、母親が出た。

「私は~です。しんぱち君はいますか?」と、そのニュージーランド人が聞く。

「すみません。しんぱちは今、家にいないのですが」と母親が言う。

ここでニュージーランダー(ニュージーランド人)は、この「が」を逆説の接続詞と理解した。
「彼はそう言ったが、実際には来なかった」の「が」みたいな。

だから、「が」の後に言葉が続くと思って、何も言わないで受話器を握っていた。
でも母親は何も言わない
しばしの沈黙の後、母親は「申し訳ありません。しんぱちは今、家にいないのですけど」とくり返す。

ニュージーランダーは、「ですけど」も接続詞と受けとった。
それで「ですけど、の後は何ですか?」と聞いたら、「だから、しんぱちはいませんっ!」と怒気をふくんで母親に言われた。

この苦い経験を思い出して、彼がこう話す。

「だったら、『しんぱちは家にいません』だけでいいだろう。なんで『~が』とか『~けど』を付ける必要があるんだ?すごくわかりにくいよ」

でも、日本人の間では「~はいません」とだけだと、冷たく聞こえてしまう。
それで「~なんですが」「~ですけど」という言い方になるのだけど、外国人にはそれがややこしい。
ニュージーランド人には、羊を相手にするほうが楽だったりして。

外国人の日本語学習者は、「相手を不愉快な気持ちにさせないというところにある」という日本人の対人関係のポイントを理解することが大切だ。
同時に日本人も外国人が相手なら、ハッキリ短く言ったほうがいい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。