インド人旅ブロガーが見た日本:良い・悪い・驚いた・食べ物など

 

先週の木曜日、知り合いのインド人からメールが来た。
彼の友だちが旅行で日本にやって来るらしい。
それ自体は珍しくないけど、その友人はユーチューバーだった。

My friend is a YouTuber. He make travel videos from the country he visits.
This is his 23rd country I think.

 

もっと正確にいうと彼はVlogger(ブロガー)。
Video Bloggerとして、インド人に旅の魅力を動画で発信している。

「インド人の旅ブロガーか。おもしろそうだな」と思って、そのインド人とカレーを食べに行ってきた。

 

 

食べたのはカレー・ナン・タンドリーチキン。
このうちインドで生まれた食べ物はカレーだけ。
ナンとタンドリーチキンはイスラーム教徒がインドに持って来たもの。

 

というわけで今回は、「インド人ブロガーが見た日本」を中心に書いていこうと思う。
世界23カ国を旅した旅ブロガーは、日本のどんなところに良い/悪いと思ったか?
どんなことが印象的だったのか?
そんなことを書いていきたい。

さて、見せてもらおうか。
インド人vloggerの本気とやらを。

 

〇今まで一番良かった国は?

国じゃないけど、ロシアのペテルブルグがとてもきれいな街で感動した。
ハリーポッターの世界にいるようで、ここが最高に良かった。

ペテルブルグに興味があったらこれをご覧ください。

サンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群

ペテルブルグの街並み

 

 

〇日本のイメージは?

日本は世界有数の先進国で、高い技術力がある。
日本製の車や電化製品は高品質で故障が少ないから、日本には信頼性が高いというイメージがある。
マンガやアニメもインドで有名だ。
クレヨンしんちゃん、ドラえもん、ドラゴンボールは自分も好きだった。

ボクがこの質問をしたら、逆に「日本でのインドのイメージは?」と聞かれて困った。

「そうですね。インドは一般的には「危険・汚い・きつい」の3Kの国ですね。バックパッカーには「世界3大ウザイの筆頭」として有名ですよ。ハハ」なんて死んでも言えないじゃないですか。
「日本ではカレー・カースト・仏教が有名です」と、中学校の授業で聞いたことを答えておいた。

 

〇旅行先で日本を選んだ理由は?

東南アジアには行ったことがあるから、今度は東アジアに行きたかった。
日本には最先端のテクノロジーがあって、同時に長い歴史や伝統もある。
世界でも独特な国だから興味をもった。
中国はあまり好きじゃないし、韓国のことはよくわからない。

 

・日本で驚いたことは?

日本には来る前から驚いた。
カウチサーフィンを100件以上申し込んだけど、OKが出たのは大阪の1件だけ。
こんなことは初めてだ。
でも「すまないけど、その期間は混んでいるからできない」といった返事は確実に来る。

あと日本では自動販売機がとても多い。
飲み物だけじゃなくてタバコの自販機もある。
でもコンビニエンスストアがたくさんあるし、あそこまで自動販売機が必要なのか不思議だった。

それと日本人の英語力。
道をたずねても、英語が話せない人ばかりでビックリした。
こんな経済大国で教育レベルの高い国で、若い人がこんなに英語を話せないとは思わなかった。
でも、行きたいところを伝えると親切に教えてくれる。

 

〇日本の悪いところは?

駅がすごく複雑。
東京駅や新宿駅は巨大で、目的地の場所がわかりにくい。
地下鉄や電車の会社がたくさんあるから、乗り換えも大変だった。

これは他の外国人から聞いたことだけど、日本ではWi-Fiを使える場所が少ない。
インドではデリーやムンバイなど大都市の駅では、無料でWi-Fiを使うことができる。
しかも通信速度は早い。
ボクはポケットWi-Fiを持っているからいいけど、そうでなかったら困ったと思う。

 

〇日本の食べ物は?

日本で食べた物はおいしい物ばかり。
味は少し薄いけど、健康的だと思う。
インド以外では東南アジアの料理が一番おいしかった。
でも味と健康を考えたら、日本の料理は世界で一番いいと思う。
最近インドでも、甘さや刺激を抑えた料理を好む人が増えている。

 

 

〇日本で良かったところは?

まだ東京しか行っていないけど、とても効率的な社会だ。
電車や地下鉄はすぐに来るし、しかもとても時間に正確。
人々はゴミを捨てないから、シンガポールと同じぐらい街がきれい。
だから歩いていて気持ちが良かった。

人も親切でとても礼儀正しい。
電車の中で、大声で話す人も電話で話す人もいない。

それにみんなルールを守る。
赤信号では止まるし、駅で見た人の列は芸術的だった。
だから日本の社会には秩序がある。

 

日本人がインドに行くと、まさにこの逆を感じる。

よく言えばエネルギーや活気にあふれている。
でも率直に言えば、ルールと秩序がないから危険でうるせー。
インドでは人と動物が共存している。
牛・豚・羊・猿・イノシシ・ラクダなんかが街にいて、その横を車やバイクが通り過ぎる。
前から象が歩い来ることもあった。

だから日本人旅行者はインドを「カオス」と呼ぶ。

 

インドにはタゴール(1861年ー1941年)という国民的な詩人がいた。
彼は1913年にノーベル文学賞を受賞している。
アジア人がノーベル賞を受賞したのはこれが初めて。

インドとバングラデシュの国歌を作詞・作曲したのもこの詩聖。
タゴールは何度も極東の島国を訪れていた。

早くから日本に対する関心も深く、岡倉天心・河口慧海・野口米次郎らとの親交があり、日本人の自然を愛する美意識を高く評価した。5度にわたって訪日している。

ラビンドラナート・タゴール

 

大正時代の日本を見たタゴールの感想は、インド人の旅ブロガーと似ている。

一つのことが、この国の巷で目につく。街には人はあふれているが、いっこうに騒々しくはない。人びとは大声で話すことを知らないかのようである。

「日本賛辞の33撰 ごま書房」

 

おまけ

首都デリーの様子

もちろん、こんなところばっかじゃない。

 

 

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インド  目次 ②

インド 目次 ③

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。