【日本の秋】紅葉を見に行ったインド人夫婦の感想/印象は?

 

先週、インド人の知り合いからこんなメールをもらった。

Are you free on sunday ?
I checked on internet there is momiji matsuri on sunday

もみじ祭りがあるから日曜日に行きたいらしい。
日本の秋を楽しむのはいいけど、3日前に週末の予定を聞かれても困る。
と思ったら、日曜はガラ空きでぜんぜん困らなかった。

ということで今週の日曜日、彼と奥さんのインド人カップルをもみじ祭りに連れて行った。
つーことで今回は、そのとき聞いた感想やボクの質問を箇条書き的に書いていこうと思う。
ちなみに今回行ったのは「小国神社」という田舎の社。

 

・「もみじ」と「こうよう」の違いってなに?

これが彼には謎。
インターネットで調べていたら、この2つの単語が出てきたけど区別がつかなかない。
2つとも「紅葉」に変換されるから、この違いを知ってるインド人は本当にレアのはず。

簡単に言えば、「もみじ」とはこの葉っぱのこと。

 

「こうよう」とは、もみじを含めていろいろな葉っぱが赤や黄色に色づくことを言う。

日本人はどうやって「もみじ」と「こうよう」を使い分けているのか聞かれたけど、それは知らない。
たぶんみんな「気分」でしょ。

 

・インドで「もみじ祭り」はあるのか?

そんなものはない。
インドで祭りといえば宗教的なもの。
例えば今月11月には、ヒンドゥー教の女神ラクシュミーをまつる「ディーワーリー」という祭りがあった。
インドには他にも、イスラーム教やキリスト教などいろいろな宗教があるから祭りの数は多い。
でも、宗教色のない「もみじ祭り」のようなものはない。

このインド人夫婦は首都デリーに住んでいたけど、そこでは紅葉がなかった。
別の州で紅葉が見られるそうだけど、彼らは行ったことがない。
インドでは一般的に「紅葉を楽しむ」という発想がないようだ。

 

・インドに季節はあるか?

あるけど、州によってぜんぜん違う。
デリーのあたりでは冬になると、気温が5~6度にまで下がることがある。
だからインドを「常夏」と考えていると、きっと凍傷を負う。
でもそんな冬は1か月もないから、日本の冬よりは楽。

インドでは日本のようなハッキリした四季がないから、日本人の言う「季節の移ろい」という感覚もない。
寒くなったら上着を着て暑くなったら脱ぐだけ、という感じらしい。

清少納言もインドで生まれていたら、「春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて(早朝)」という枕草子は書けなかったはず。

 

・インド人の写真好き

このカップルだけじゃないけど、インド人はセルフィー(自撮り)が好き。
写真撮影より、自分が大好きなんだと思う。

インド人が写真を撮るときは、髪に手をやってセットしたりポケットに手を入れて遠くを見つめたりする。ロマンチストを気どるナルシスト、みたいな人が多い。
*個人的な経験にもとづく。

下の池を見たときも、池をバックに自分だけと2人での写真を何枚も撮っていた。

橋の上でも、シングルとカップルでの写真を撮る。
まあ知ってました。
でも、小国神社の池をこれほど気に入ってくれた人を見たことがない。

 

インド人のセルフィー好きは世界的に有名で、2016年には不名誉な世界ナンバーワンを記録した。

くわしいことはAFPの記事(2016年11月19日)をどうぞ。

「自撮り」で死なないで 死亡例世界最多はインド 調査結果

記事では、セルフィーではなくて「キルフィー(Killfie)」とある。
まさに自殺行為。
インド人をどこかへ連れて行くなら、由緒や歴史のあるところより、「インスタ映え」するスポットがいいと思う。

 

ちなみにインドのタージマハルで、セルフィーを撮ろうとして亡くなった日本人観光客もいる。
映える写真を撮ろうと階段にのぼったところ、転倒して死亡してしまった。

うん?たしかインドのムガル帝国でそんな皇帝がいたような?

と思ったら、2代目皇帝フマーユーン(1508年 – 1556年)だった。

フマーユーンはそのとき、長い衣服の裾に足をとられて階段から転げ落ち、石段で頭を打ち、その衝撃で頭蓋骨が砕けた。この事故が原因でおよそ2日後の27日に死去した。

フマーユーン

フマーユーン

 

 

だから紅葉の写真も撮りまくり。

とくに奥さんは生まれて初めて日本の紅葉を見たから、赤や黄色の競演に感激していた。

神社にあるこんな森をプラプラ歩く。
デリーの近くではこんな自然がないから、こういう散歩はすごく気分がいいらしい。
歩く→写真→歩く→写真のエンドレスループで、ここには1時間30分ぐらいいた。
ボクなら2~30分で十分。

 

 

インド人夫婦に言わせると、ここは「手軽できれいな自然」になる。
彼らが住んでいたところに森はないし、彼らにとって「フォレスト」とは広大な国立公園のこと。
その中をジープで走ってベンガルトラや野鳥なんかを見るイメージだから、日本とはスケールがちがう。

インドにもハイキングコースはあるけど、この森のように手入れはされていない。
だから危ないし、あんまり写真映えもしない。
やっぱりインド人にはインスタ映えが大事だ。

ここは小川・橋・紅葉をバランス良く配置しているから、セルフィー好きのインド人にはとてもいいらしい。

さすが盆栽の国。
日本人は自然を美しくコンパクトに構成することが得意だと思う。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。