今年のクリスマス、韓国は日本にサプライズを用意してくれた。
ハンギョレ新聞の記事(2018-12-05)
強制徴用被害者弁護団「新日鉄が24日まで協議に応じなければ差押え始める」
前回の内容と重なる部分あもるけど、見守ってほしい。
「強制徴用被害者」というのは韓国側の呼び方で、日本政府は「旧朝鮮半島出身労働者」と言っている。
いまの日本では「元徴用工」が定着しているから、この記事ではそう書くことにする。
ちなみにこの問題は完全に解決済み、くわしいことは外務省のホームページを見られたし。
「戦後の国際秩序への重大な挑戦」というのは、10月に韓国の最高裁判所が下した判決のこと。
53年前の約束をひっくり返して、元徴用工に約4000万円を支払うよう日本企業(新日本住金)に命じた。
でもこれは、世界の法秩序をもひっくり返すことになる。
だから新日本住金は断固拒否。
でも最高裁でそんな判決が出た以上、原告側は早くお金をもらいたい。
ということで弁護士が新日本住金に行ったのだけど、話し合いは拒否される。
それで12月24日までに協議に応じなければ、資産の差押えを始めると発表した。
それが昨日のこと(12月4日)。
慰安婦問題や竹島問題はまだよかった。
非難されたのは日本政府だったけど、徴用工問題では日本企業が巻き込まれて具体的な「被害」も出てしまった。
今までとは別次元で深刻な問題だ。
理由は知らないけど、韓国側はこの期限をクリスマス・イブに設定する。
もう日韓関係の冷却化は避けられない。
夜更け過ぎの雨はきっと雪へと変わる。
その雪が溶けて川になって流れていけばいいのだけど、きっと永久凍土になる。
でも、弁護士による発表は日本企業を“脅す”ねらいが強い。
原告側が韓国の裁判所に資産の差し押さえを申請しても、許可が下りるまでに数週間を要する。
上の記事を読むと、さらに時間が必要だ。
差押えの決定が出てから、差し押さえた資産を現金化するには時間がかかるだけに、新日鉄住金と協議する時間は残っている。私たちは協議を優先している
強制徴用被害者弁護団「新日鉄が24日まで協議に応じなければ差押え始める」
原告側は早く確実にお金を手に入れたいから、そのために新日鉄住金を揺さぶっている。
でもこれは振れば出てくるものではない。
弁護団の動きは積極的だ。
新日鉄住金への追加訴訟を起こすため、別の元徴用工らを対象に説明会を開くという。しかも年内に。
仕事熱心すぎて困る。
戦後つづいてきた日韓関係を乱しておいてこのふるまい。
いまや“被害者”は新日本住金だろう。
こんな事態を招いた最大の原因は韓国政府の沈黙にある。
最高裁の判決について、韓国政府はどんな立場でどう対応するつもりなのか?
文大統領の口から出てくる言葉には中身がない。
「韓日の協力関係が損なわれてはならない」
「歴史問題は賢明に処理するべき」
「未来志向的な協力を」
こんな感じで、キレイで透明なことを言うだけ。
そんなムナシイことをしている間に、三菱重工業にも賠償命令が出てしまったではないか。
さらに資産差し押さえのカウントダウンも始まった。
「これはもうヤバいんちゃう?」というときに、こんなNHKニュース(2018年12月4日)と遭遇。
「徴用」問題で韓国「忍耐を持って見守ってほしい」
いま韓国政府は全力で考え中だから、日本政府は忍耐強く見守ってほしいと。
さらに日本が対抗措置をとるようなら、韓国も「必要に応じて対抗措置をとる」という。
15年以上韓国紙を見てきたけど、韓国政府が日本に「見守ってほしい」と言ったのはこれ以外に記憶がない。
「だが断る」というのが日本の立場だ。
もう火は燃え広がっているのだから。
日本企業が燃えていくのを、政府が黙って見ていてはいけない。
「忍耐を持って見守ってほしい」というのは原告側に言えばいい。
そんな韓国への答えはこれだ。
産経新聞の記事(2018/12/4)
徴用工判決に「具体的な対抗措置を」 自民党外交部会で強硬論続出
こんな状況になっても、韓国政府は見ざる聞かざる言わざる。
だから、「このままでは解決しない」というあせりが自民党内で高まっているという。
口で言うだけでは効果はないから、駐韓大使の召還など具体的な対抗措置をとるべきという意見が増えている。
たしかにいまの韓国政府には、痛みをともなう具体的な対応が必要だ。
でもこれは自民党の中でのはなし。
与野党が全体的にどう考えているかは分からない。
でも、「忍耐を持って見守ってますね」という政治家はいないだろう。
・・と言いたいのだけど、そんな政治家もたぶんいる。韓国は見守るけど、日本企業は見捨てるような。
「Korea is always right」と、韓国のすることなら何でも正しいという日本の政治家はいるのだ。
だから日韓関係はいつまでたっても前進しない。
ヤフコメの民意は「日本は対抗措置を!」だ。
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