2018年、子供の命名に見るいまの日本人。より伝統的・和風に?

 

きょうは12月20日。
言うまでもなく、「シーラカンスの日」で「ぶりの日」だ。
というのはウルトラどーでもいい。
今回は子供の命名から今年をふり返ったり、いまの日本人の好みや考え方を見ていこうず。

12月18日と19日の2日間で、「赤ちゃん 命名辞典」に登録された名前にはこのようなものがある。

名叔と那叔。
読み方はそれぞれ同じで「なの」。
外国人が聞いたら「ナノテクノロジー」とかの「nano」を連想するのでは?
日本人には読みにくいけど、外国人にはきっと覚えやすい。

歩仁という名前もあった。
読み方は「ふに」。
仁は「優しさ・真心・思いやり」といった意味の言葉で、儒教でもっとも大事な「五常の徳」のひとつでもある。孔子や孟子が「仁」をとても重視していた。
仁の心が世の中に広がるのはいいことだ。

今月、杉浦太陽さんと辻希美さんが三男に「幸空(こあ)」と命名した。
そのせいか、この命名辞典にもさっそく幸空が登場している。

2日間で登録された名前だけでも、キラキラネームはたくさんある。

想羅琉と昊琉は「そらる」と読む。愛唯(あい)、真祈(まいの)、生寛(きとら)、べん、皆吏(かいり)、那莉愛(だりあ)などなど。
女の子の名前で「柊冴(しゅうご)」というのもあった。
これがいまの日本人の命名か。

でもこれは、1つのサイトに2日間で登録された名前の一部。
日本全体だと、どんな名前がいくつ誕生しているのか想像もつかない。

上にある名前はいいのだけど、12月14日に登録された名前に「凱宙(がいちゅう)」があった。
これだと子供のころは「害虫」、大人になると「外注」を連想されそう。
子は親を選べない。
これはいつの時代、どこの国でも同じだ。

 

ここまではいわゆるキラキラネームで個性的な名前。
2018年に人気の名前は次のとおり。

男の子

1位:大和(やまと)
2位:健人(けんと)
3位:絢斗(あやと)
4位:義継(よしつぐ)
5位:和空(わく)

 

続いて女の子。

1位:丈乃(たけの)
2位:六花(りっか)
3位:蕗(ふき)
4位:陽葵(ひまり)
5位:琥珀(こはく)

個人的な感想なのだけど、1位が「大和」や「丈乃」と全体的に和風な名前が多い。
義継は鎌倉時代の御家人っぽい。
いまの若い親は日本的なものを求めていたり、伝統を重視しているということか?

このブログを運営していてもそれを感じる。
たとえばこのブログでは、このページにアクセスが集まっている。

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」 ①

ブログ記事には一時的なブームで関心が集中するものがあるけど、「外国人から見た日本」というテーマに流行りやすたりがない。
以前から、いつも一定のアクセスがある。

来日外国人に日本の印象を聞くテレビ番組も前から人気があるし、日本をもっと知りたいと思う日本人が増えているのだろう。
なんせいまは国際化の時代だから。

 

2日前、読売新聞にこんな記事(

訪日外国人旅行者、史上初の3000万人突破

旅行者だけでなく、仕事で日本を訪れる外国人がここ数年で本当に増えた。
外国人と接すると、日本についてくわしくなる。
「お寺(仏教)と神社(神道)の違いはなに?」「のれんにはどんな意味があるの?」とか質問されて、それを調べているうちに日本の伝統・歴史・宗教の理解が深まっていく。
外国人のおかげで日本を再把握することができる。

海外旅行に行くなど異文化に触れることが、日本に興味を持つきっかけとなった人はきっと多いはず。

 

ところで、坂本龍馬の本名を知ってますか?
「龍馬」は通称でいわばニックネーム。
本当の名前ではない。
龍馬の本名(諱:いみな)は「直陰(なおかげ)」で、のちに「直柔(なおなり)」になった。

諱とは「生前の実名。生前には口にすることをはばかった(デジタル大辞泉)」で、英語でいうと「true name」になる。
龍馬のばあい寺田屋事件でケガをしたことから、「直陰」から「直柔」に変えたといわれる。

江戸時代までの日本では、ある人の本名(諱)を呼ぶことは親や主君といった限られた人だけだった。
真の名前はとても大事なものだったから。

平成の日本人はこんな考え方をしないけど、「名前は神聖で大事なものである」という日本の伝統的な考え方は引き継ぐべき。
こんな価値観があったら、自分の子供に「がいちゅう」と命名しないだろう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。