クジラをどう思う?ベトナム人と日本人の「同じと違い」

 

はじめにクエスチョン。

アジア10カ国では「日本・カンボジア・モンゴル・ラオス・ロシア・韓国」、「イスラエル・インド」、「オマーン、中国」の3つに分かれている。
これは何でしょう?

答えは、IWC(国際捕鯨委員会)加盟国での捕鯨に対する考え方。
日本がいるグループは捕鯨支持、次は反対、最後は中間派。
アジアでは捕鯨賛成の国が多いけど、ヨーロッパでは一変する。

ヨーロッパ31カ国のうち、捕鯨支持はアイスランドとノルウェーだけ。
デンマークは中間派で、イギリス・フランス・オランダなど28カ国が反捕鯨国。
アメリカも捕鯨には反対だ。
IWC全体でみると、捕鯨支持35・中間派3・反捕鯨50・不明1になる。

ことし12月、日本はIWCの脱退を発表。
理由はご存じの通り「普通の女の子に戻りたいから」ではなくて、商業捕鯨を開始するため。
日本は2019年7月から商業捕鯨を再開する予定だけど、いま欧米が強く反発しているからどうなることやら。

 

ちょっと前にベトナム人と話をしていて、意外に思ったことがある。

「日本にはクジラを食べる食文化がある」と言ったら、彼が「えっ、本当ですか?」とえらく驚いていた。
ベトナムの食文化はバラエティーにあふれていて、いろいろな食材がある。
ベトナムのレストランで、ずい分高い「shake(シェーク)」があるなと思ってよく見たら「snake(ヘビ)」だった。

ベトナムにはヘビや犬を食べる食文化がある。
いろいろ食べるからクジラも食べるのだろうと勝手に思っていたら、「ぜんぜんないです。クジラを食べるなんて絶対にいけません」と彼に全力否定されてしまった。
「クジラを食べる」と言っただけで、まるで野蛮人の扱い。

ヘビや犬を食べるのはかまわない。でも、クジラの肉はありえないと言う。
ワケを聞くと、ベトナムでクジラは漁師を守る神様になっているから。
遭難した漁師をクジラが助けてくれたという話がいくつもあって、いまではクジラは守り神になっている。
そんなクジラ信仰があるから、ご神体を食べるという発想は出て来ない。
ヒンドゥー教徒が牛肉を食べない理由と同じだ。

 

そのベトナム人はベトナム中部の出身で、地元では毎年クジラ祭りがおこなわれている。
日本の祭りみたいに、クジラの像を山車(だし)に載せて街中を歩くらしい。
著作権フリーの画像がなかったからここには載せられないけど、祭りの様子を見ると、列には100人以上いる。
かなり大きな祭りだ。

「犬を食べる」と聞けば日本人は抵抗を感じるけど、「クジラを食べる」とベトナム人が聞けばもっと引いてしまうかもしれない。
日本で犬は一般的にはペットで、神様にはなっていない。

*後日、別のベトナム人に話を聞いたら、クジラ信仰はおもにベトナムの中部と南部の漁師の間にあるもので、一般の人はクジラをそれほど神聖視していないらしい。
でも、クジラの肉食べることはない。
話を聞いたのは20代の女の子だけど、その子にとっては、クジラより犬を食べるほうが残酷でありえないと言う。

 

おまけ

日本にもクジラ信仰はある。
なんせ神道には、森羅万象、何でも神にしちゃうという考え方があるから。
食の恵みをあたえてくれるクジラに感謝して、クジラを供養する寺やお墓なんかが日本各地にある。
くわしいことはここをどうぞ。

多くは鯨の墓や戒名を付けたりなどしているが、鯨の過去帳を詳細に記述している寺などがある。なかには鯨観音とよばれる観音をもつ寺もある。

日本の捕鯨・信仰の対象として

ベトナム人のクジラ信仰と違って、日本人の場合は、肉を食べて生かしてもらうことでクジラに感謝している。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。