「ポリコレ」といえば「ポリス・コレクション」の略で、警察が犯罪者から押収した金品のことをいう。
そんなわけはなくて、「ポリティカル‐コレクトネス」の略。
辞書的にはこんな意味ですよ。
ポリティカル‐コレクトネス(political correctness)
人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いること。
デジタル大辞泉の解説
よーするに、どんな性別や人種、宗教の人が見ても不快に思わない表現や、誰からも文句を言われないような言葉をつかうこと。
差別に厳しい(うるさい)アメリカで、1980年代ごろからこのポリティカル‐コレクトネスの考え方が広まった。
日本もポリコレの影響を受けて、言葉が“より適切に”言い換えられるようになった。
たとえば「肌色」が「ペールオレンジ」、「スチュワーデス」が「客室乗務員」、「看護婦」が「看護師」、「保母」が「保育士」に変わる。
くわしいことはここをクリック。
この「ポリコレ」に反する表現をすると、誰かを怒らせて苦情がやってくる。
いわゆる炎上だ。
最近では、トヨタ自動車がこれで失敗した。
毎日新聞の記事(2019年3月2日)
トヨタのツイッターに批判相次ぎ投稿撤回 「運転苦手?」女性への質問
トヨタがツイッターでこんな質問を投げかけた。
「女性ドライバーの皆様へ質問です。やっぱり、クルマの運転って苦手ですか?」
これを「女性=運転下手」という偏見に感じた人が多く、「女性軽視?」といった批判が寄せられた。
というかこのツイートは炎上してしまい、トヨタは「不適切な表現があり、多くの方に不快な思いをさせてしまいました」と謝罪して投稿を撤回。
この質問文の「やっぱり」という言葉がとくにまずかったらしい。
超一流の企業でさえこんなミスをしてしまうのだから、誰でも見られるところでの表現には注意が必要ですね。
ポリコレの厳しい現代では、公共の場所での言葉づかいには注意が必要だ。と前からよく言われているのに、なんでこんなことが起きるのか?
読売新聞(2019/03/04)
ハンドPR幕「手クニシャンそろう」批判で撤去
ことし11月に、熊本県で女子ハンドボール世界選手権大会が行われる。
なのでそれをPRのために、熊本市の中心部にキャッチコピーの書かれた垂れ幕が設置された。
それは常識の範囲内だけど、キャッチコピーが一線を越えていた。
「ハードプレイがお好きなあなたに」
「手クニシャン、そろってます」
女子ハンドボール大会のPRでこんな表現を用いたらどうなるか?
このキャッチコピーを考えた人や許可を出した人たちは、なんで誰も想像できなかったのか。
「低俗」「女性蔑視」「ひどい」といった批判や苦情が殺到したため、この垂れ幕は撤去された。
さらに熊本国際スポーツ大会推進事務局は、大会公式ホームページに謝罪文を掲載。
事務局は「魅力を発信したい思いで考えたが、配慮に欠ける表現があった」と平謝り。
ちなみに上の2つはそれぞれ、「攻撃しないと、反則になるらしい。」「ディフェンス練習が、ほぼ、ぶつかり稽古。」という表現に替えられた。
これならポリコレ棒で叩かれなくて済む。
ネットの反応を見ても、8割の人がこれにはあきれ顔だ。
・これ擁護するのは無理だわ
・さすがにバカすぎる。
・作者はきっとけがれなきピュアな人。
・いやらしく考える方が穢れてる
・うまいこと言ったつもりだったんだろうなw
・炎上したもん勝ちなんでしょ、今の広告は
・最低 ( ˙-˙ )
・何が悪いかよくわかりません(すっとぼけ)
・熊本民だがこれは恥ずかしいわ
・むしろなぜこれが通ると思った?
女子ハンドボールの「魅力を発信したい思いで考えた」結果、なんで「ハードプレイがお好きなあなたに」や「手クニシャン、そろってます」になるのか?
ここまでひどくはないけど、「それってどうなん?」という表現を見つけた。
JR西日本の「さわやかマナーキャンペーン」で、利用客から「ちょっとちょっと!なマナーいきもの」というのを募集する。
すると子供から大人まで、約1,200点の生き物が寄せられた。
JR西日本のホームページで公開された作品のなかで、「おい、ちょっと待て」というのがある。
この4つはいい。
左下のヤツはどうなん?
「飛び込み」と「ミンチ」は人身事故と四散した肉片のことでしょ。
これに「カツ」を加えて、「とびこミンチカツ」というのはポリコレ的にどうなのか?
しかもこれが佳作に選ばれている。
評価の基準をぜひ教えてほしい。
JR西日本は正気か?
「それぞれの作品を一つずつご覧いただけるコーナーもございます。ぜひご覧ください♪」ということなので見てみよう。
この中に「とびこミンチカツ」も登場する。
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