外国人と花見④「日本の桜はどう?」ってドヤ顔の日本人が嫌い

 

今週からゴールデンウイーク。
ということでタイミングを外しまくって「いまさら感」がハンパないのだけど、これから桜と花見の話を書こうと思う。
といっても北海道ではこれからが桜のシーズンだから、完全に季節外れな話題でもない。

日本人はむかしから桜と花見が大好き。
貴族の楽しみだった花見が庶民に広がったのは江戸時代のころ。
でもそのときの日本は絶賛“鎖国中”で、日本人も桜も、世界にはほとんど知られていなかった。
「いやいや、中国には知られていたんじゃないの?」と思うかもしれないけど、日本人は桜が大好きということを中国に伝えたのは黄 遵憲(こう じゅんけん)という人だ。これが清朝末期、日本では明治初期のころ。

幕末・明治にやって来た外国人によって、「桜の国・日本」というイメージが世界に広く伝わるようになる。
たとえば、明治時代に来日したシドモアというアメリカ人女性は、旅行記に春の日本をこう記した。

たとえ何でも陰鬱な冬に逆戻りしても、日本全国、白とピンクの花環で彩られるまで、じっと堪えます。栄光の四月、満開の花の雲、桜の爆発で帝の国は歓喜に包まれます

「シドモア日本紀行: 明治の人力車ツアー  (講談社学術文庫) 」

 

ものごとには「不易と流行」ってのがありますね。
不易(ふえき)とは変わらないもので、流行とはそのときどきで変化するもの。
明治と令和(ややフライング)の日本を比べると、「帝の国」は民主主義の国になったから違うけど、それ以外はいまも変わっていない。
江戸も明治も令和も、春になると桜の爆発で国民は歓喜に包まれる。
日本はそういう国だから。

さて、「外国人と花見」というテーマでいろいろな外国人から見た桜や日本人の印象を書いてきたのだけど、今回はその最終回。
「日本の桜はとてもきれい」と思い込んでいる日本人に読んでほしい内容だ。

 

 

いまはベトナムでも日本の桜は有名だから、ベトナム人はSNSに「SAKURA」という日本語を書いていた。
イギリス人もブログで同じように「サクラ」と書き、日本を象徴するアイコンと言っている。

「Sakura flowers are probably one of the most iconic images of Japan」

そして桜は日本の風景を魔法のように変えてしまうという。

「They magically change the landscape and if you get up close to them, you can see how simple and beautiful they can be.」

これを見ると、明治の日本を訪れたイギリス人ラフカディオ・ハーンの見た風景が広がってくる。

いったい、日本の国では、どうしてこんなに樹木が美しいのだろう。西洋では、梅が咲いても、桜がほころんでも、かくべつ、なんら目を驚かすこともないのに、それが日本の国だと、まるで美の奇跡になる。

「日本賛辞の至言33撰 (ごま書房)」

ききました?「美の奇跡」ですって、奥さん。

 

 

これは、日本に10年以上住んでいるバングラデシュ人の感想。

Japan Beauty! Time of Cherry Flower
Sakura とNippon Beautiful Japan

やや不自然ながら日本語でも、「豊かな日本の大自然が桜のおかげで美しい日本になります」「日本人は花見が大好きで、この1週間前後しか出来ない短い時間で、みなさん精一杯楽しんでます」とメッセージを書いていた。
このバングラデシュ人も桜について、「They magically change the landscape 」というイギリス人と同じような印象を持っているようだ。

 

いままでの「外国人と花見」シリーズに出てきたイギリス人、台湾人、ベトナム人、インド人、バングラデシュ人は、みんな口をそろえて「日本の桜はとてもきれいだ」と絶賛していた。
でも、そればかりではない。
「桜はいいけど、日本人は面倒くさい」というアメリカ人に会ったこともある。

そのアメリカ人は日本に約15年間住んでいて、桜は何度も見ているし、花見にもあきるほど行っている。もうお腹いっぱいだ。
でも毎年春になると、「日本の桜はどう?」「もう花見に行った?」と日本人から質問をされる。
英会話スクールの生徒ならいいけど、プライベートでそう聞かれると心底ウンザリするという。
たしかに桜はきれいだし、白とピンクにつつまれる日本の春は大好きだ。
けど、「外国人は桜が好き」という勝手な前提にもとづいた一方的な質問は大嫌い。

外国人だって日本に10年以上いたら、感覚もかなり日本人に近くなる。
だから、日本人が日本人から「桜を見てどう思う?」と質問されるような感覚なのかもしれない。
そうなったら、「桜はきれいだけど、それを聞くおまえは何なん?」となるのでは?

「花見は義務か?散歩をするだけで、オレにはじゅうぶんだ」とそのアメリカ人は心で思うのだけど、さすがに口に出しては言えない。
「いいえ、残念ながら花見はまだです。でも、日本の桜は本当にキレイですね」と笑顔で言う自分もたまにムカつくらしい。

「外国人は日本の桜をきれいと思っている」というのは基本的に合っているけど、それをドヤ顔で言うのはやめよう。

 

おまけに書いとくと、日本に一年以上住んでいる外国人に「お箸は使える?」とか「生の魚は食べれる?」ときくのもやめよう。
「またその質問かよ、うざっ」と思われるから。
くわしいことはこの記事をご覧あれ。

外国人の「日本人あるある」。またかよ!と思わせる5つの質問

 

 

こちらもどうぞ。

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。