タイとラオスの違い。政治・歴史・食文化と「明るい夜」

 

今月9日に2発のミサイルをぶっ放した北朝鮮について、このニューズウィークの記事(2019年5月9日)を見ておどろいた。

「使えるのは1日たった3時間」北朝鮮の電力難が制裁で悪化

首都・平壌ではないけど、いま北朝鮮では、1日に3時間しか電気が使えないらしい。
朝に1時間、夜に2時間の合わせて3時間だけ電気が供給されるほど、電力事情が悪化しているのだけど、「金氏一家の銅像などをライトアップするために使われる電気」だけは別という。

北朝鮮の話はここまで。
これから、タイとラオスの違いについて書いていこうと思う。

 

タイにはビーチがあるけど、ラオスは内陸の国。
和歌山と奈良のようなものだ。

 

タイってこんな国

面積:51万4,000平方キロメートル(日本の約1.4倍)
人口:6,572万人(2015年)
首都:バンコク
民族:大多数がタイ族。その他 華人,マレー族等
言語:タイ語
宗教:仏教 94%,イスラム教 5%

タイ王国(Kingdom of Thailand) 基礎データから。

 

でもって、ラオスはこんな国

面積:24万平方キロメートル
人口:約649万人(2015年)
首都:ビエンチャン
民族:ラオ族(全人口の約半数以上)を含む計50民族
言語:ラオス語
宗教:仏教

ラオス人民民主共和国(Lao People’s Democratic Republic) 基礎データから。

 

タイとラオスの政治的な違いをみると、タイには王様がいるけどラオスにはそれがいない。
つまりタイは立憲君主制、ラオスは共和制の国ということ。
日本はタイと同じく立憲君主制の国。

歴史的にはタイはずっと独立国だけど、ラオスはフランスの植民地だったという違いがある。
その影響でラオスでは、フランスパンがいまでもポピュラーな食べ物になっている。ボクも旅行中、これに肉や野菜をはさんだものを何度食べたか分からない。
タイとラオスの食文化は似ていて、とくにタイ東北部(イサーン地方)なんてラオスとの違いが分からないほど。
でも、このパンの食文化は大きく違っていた。

 

フランスの植民地だったベトナムにも同じものがあって、それは「bánh mì(バインミー)」と呼ばれている。
友人のベトナム人いわく、「バインミー」というベトナム語はもともとはフランス語だった。

 

タイもラオスも仏教の影響が強いから、文化や考え方は似ている。

 

ボクが感じた両国の一番大きな違いは、ラオスでは電気が1日に3時間しか使えなかったこと。
まさにいまの北朝鮮状態。

ラオスで宿にチェックインして、部屋でテレビを見ようとしたら画面が映らない。
「日本人と思って舐めやがって!」とフロントに文句を言いに行ったら、電気が通るのは午後6時から9時の間だけということが判明。
「日本人よ、これがラオスの電力事情だ」という顔のフロントスタッフから聞いた話だと、レストランや一般家庭もそうだという。
タイでは停電ならあったけど、こんな時間制限は一度もなくて、電気は湯水のように使うことができた。
タイとラオスでは社会の発展度合いが、ボクの感覚として30年ほどの開きがあった。

 

これは旅行中に見たラオスの村。
ボクの泊まった町はここよりは発展していたけど、こういう赤い地面がむき出しのところ。

 

以下、ボクの記憶をたよりに書いていく。

ラオスでは太陽が沈んでも暗くならなず、月と星だけに照らされた町はビックリするほど明るい。
街灯がないのに、夜の8時9時になっても看板の文字や自分の影が見えたし、大人たちはサッカーを楽しんでいる。
あの明るさなら本も読めたかもしれない。
夜9時を過ぎて、町から一切の電気が消えてもどこにも闇がない。
ここまで明るいと、夜に対する認識が変わってしまって、あれならきっと「夜のように明るい」という表現が成立する。
タイでは見たことないような夜がラオスにはあった。

でもそれは20年ほど前のこと。
さすがにいまのラオスでは24時間電気が使えると思う。
それにこのときは中国を南下して入ったラオス北部のことだから、首都ヴィエンチャンの様子は分からない。
ということで、日本人旅行者のボクが感じたラオスとタイの一番の違いは、社会の発展がまるで違うということでした。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。