狛犬の歴史をたどると、エジプトのスフィンクスとつながる説

 

はじめの一言

「その後も訪れるたびに発展していく日本の姿を見てきたからこそ、首相になったとき私は日本と日本の人々から学ぼうと思ったのです(マハティール 昭和)」

「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」

 

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マハティール・ビン・モハマド

モハマド氏はマレーシアの政治家でいまは首相(2018年11月現在)。
日本の経済成長を見習おうというルックイースト政策をはじめたことでも有名。

 

 

前回、神社にある狛犬(こまいぬ)が日本に来るまでに通ったルートについて書いた。
中国の獅子像が高麗(こま)からきたことで、「こまいぬ」と呼ばれるようになったという。

まあ、くわしくは前回を見てくださいな。

 

日本での狛犬の始まりは、京都御所にある清涼殿(せいりょうでん)に置いたことにあるという。

狛犬【こまいぬ】

高麗犬(こまいぬ),胡麻犬などとも。
社寺の門前に守護のため置かれる獣形の像。普通は左右1対。起源はインド,ペルシアにあるといわれ,日本では平安中期,清涼殿に獅子(しし)像と1対に置かれたのが始まりと伝える。

(百科事典マイペディアの解説)

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京都御所の清涼殿とガイドの後頭部

 

さらに日本の狛犬のルーツをたどっていくと、はるか昔のインドの獅子像にたどりつく。

「京都国立博物館」のホームページにある狛犬の説明を見てみよう。

しかしその本当の起源は、仏像の前に2頭のライオン(獅子)を置いたことにあり、狛犬の形はそこから来ているのです。

仏教はインドにはじまり、シルクロードを通って中国に入り、やがて朝鮮半島を経て、日本にもたらされたことは、君たちもよく知っているでしょう。

狛犬(こまいぬ)

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ガンダーラ(パキスタン)にある仏像
仏像を支えている(守っている?)のがライオン。
写真がボケているのは、許してほしい。

 

古代インドの地図(ウィキペディアから)

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左上にガンダーラ(Gandhara) がある。
今はパキスタンの土地だけど、この当時はインドだった。

*「600B.C.」は、 紀元前600年。
BCは「Before Christ(キリストが生まれる前)」のこと。

 

・狛犬とスフィンクス

さらに狛犬の始まりとなった「獅子像(ライオンの像)」の起源をず~っとさかのぼっていくと、「古代インド・オリエント」にいきつく。

狛犬の起源は古代オリエント・インドに遡(さかのぼ)ります。狛犬はライオン(獅子)を象った像ですが、それがはるばるシルクロードを通って日本まで伝わってきました。

明治神宮Q&A

 

オリエント(古代オリエント)とは現在の中東にあった古代文明のこと。

そして狛犬の起源をたどっていくと、なんとエジプトのスフィンクスとつながりがあるという。

古代オリエント諸国では聖なるもの、神や王位の守護獣として百獣の王ライオンを用いる流行がありました。そのいちばんいい例がエジプトピラミッドのスフィンクスです。

明治神宮Q&A

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インターネットには、「狛犬の先祖がスフィンクスだった」と書いてあるページがある。
でも、この説はちょっとアヤシイ。

古代オリエントにあった 「ライオンを象(かたど)った像」が南のエジプトに伝わって、スフィンクスになった。
そして、古代オリエントにあった 「ライオン像」が東に伝わってインド、中国、朝鮮を通って日本に来て狛犬になった。

つまり、日本の狛犬とエジプトのスフィンクスは「共通の先祖(古代オリエントのライオン像)から生まれた」という可能性が高い。
エジプト文明よりメソポタミア文明のほうが古いし、栄えていたから。

 

どちらにしても、神社の狛犬とエジプトのスフィンクスにはつながりがあることは間違いない。

まさに歴史のロマンですね~。

 

 

おまけ

この明治神宮のホームページを見ると、本物のライオンが日本に初めて来たのは1866年とある。

1866年といえば、坂本龍馬が薩長同盟を成立させた年だ。
さらに翌年の1867年には、大政奉還をして江戸幕府は崩壊している。

でも別のサイトでは、1902年となっている。

百獣の王が1902年に初来日!上野動物園でライオンの展示が開始される【その日、歴史が動いた】

どっちが正しいんだ?

 

 

○今回の復習

・世界4大文明はなに?
・日本にライオンが来た1866年、坂本龍馬が成立させたことは?
・その次の年1867年に、将軍が政権を天皇に返したことをなんという?

 

答え

・黄河文明、インダス文明、メソポタミア文明、エジプト文明
・薩長同盟
・大政奉還

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。