どういう流れでそうなったか忘れたけど、インドネシア人とドイツ人と話をしていたときに「母国の自然災害」が話題になった。
日本とインドネシアでは地震・台風・洪水の3つがあるけど、ドイツでは洪水だけで、地震と台風は日常的な脅威ではないという。
大雨による洪水は日本・因泥・独逸で共通していたけど、インドネシアの洪水には別の恐怖があった。
インドネシアで洪水が起こると、上流のジャングルに生息している蛇が流れてくるのだ。
市街地に水が流れ込んで、一面茶色の湖となった中で蛇が泳いでいる。
蛇には毒があるものとないものがあるけど、どっちもノーサンキュー。
毒蛇が家の中に入ってきて、噛まれて死亡することもあるらしい。
日本とドイツの洪水でこんな恐怖はない。
想像してごらん。
この水面を蛇が泳ぐ姿を。
ないと思ったけど、その可能性はゼロでもないようだ。
記録的な豪雨となった台風19号が去ったあと、東京の大田区にあるマンションの入り口で、帰宅した住民が床の上で何か動くものを見つけた。
よく見るとそれは猛毒をもつマムシ。
噛まれたらすぐに適切な治療をうけないと最悪、あの世行き。
大田区の住民にとってそれは現実離れした生物だったようで、発見した人は最初、枯れ葉が風で動いたのかと思ったらしい。
東京23区の住民にとってマムシは異世界の生物なんだろう。
でこの騒動、結論からいうと勇者が現れて一件落着。
FNNニュース(10/28)
マンションの住民男性が、自ら捕獲に乗り出した。
その手には、掃除用の長い棒を持ち、軍手をはめていた。
かまれないよう、頭部を器具で押さえ、しっぽ部分を持つ男性。
そして、捕獲作業開始からおよそ1分半後。
用意した袋に入れ、捕獲に成功した。帰宅したら毒持つマムシ 都内マンション 最悪死も
マムシの牙に軍手は意味ないような。
なんで大田区のマンションにマムシがいたのか?
通常ならあり得ないことだけど、この報道では専門家が、大雨で多摩川が増水したことでマムシが上流から流されてきた可能性を指摘している。
それ以外に考えられないだろう。
よく分からないけど、マムシも自分なりに命を守る行動をとったようだ。
この大田区マムシ事件からインドネシア人の話を思い出したのだけど、もうひとつ頭に浮かんだことがある。
2011年にタイで起きた、400人以上が死亡して230万人が影響を受けたという史上空前の大洪水だ。
これはタイで「最悪の洪水」と記録されていて、被害規模も世界レベル。
世界銀行の推計では、自然災害による経済損失額の大きさでは、東日本大震災、阪神大震災、ハリケーン・カトリーナに次ぐ史上4位である(2011年現在)。
このとき、タイ中部にあるアユタヤではこんな騒動がぼっ発。
日本経済新聞の記事(2011/10/17付)
脱走したワニ100匹に懸賞金 タイ洪水、トラやヘビも?
観光客向けのワニ園から100匹以上のワニが逃げ出して、周辺住民を恐怖のどん底にたたきこんだ。
*当時の日テレニュースでは脱走したワニは200匹。
世に言うアユタヤのワニワニパニックだ。
環境当局は警報とともに、ワニを生け捕りにしたら1匹当たり1千バーツ(約2500円)の賞金を出すと住民に伝える。
1995年の洪水のときには、ワニに襲われて亡くなった人もいるのだ。
当時のアユタヤで2500円にどれほどの価値があるか知らないけど、そんな額で体長1.5mのワニとたたかう英雄は日本だったら現れないだろう。ユーチューバー以外には。
この大洪水によってワニのほかにも、トラやヘビも逃げ出したという話もあった。
この2~3年後にタイを旅行したとき、バンコクの現地ガイドから、この洪水で蛇が流されてきて知り合いが噛まれたという話を聞いた。
毒蛇ではなかったからよかったけど、東南アジアの洪水には日本やドイツとは違う恐怖がある。
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