まえにアメリカ人、イギリス人、バングラデシュ人、カナダ人と一緒に静岡市へ遊びに出かけた。
といっても神社仏閣をめぐるスタディツアー的なやつ。
まず最初に行った清見寺で血天井を見学。
鎌倉時代にこの近くで戦いがあって多くの人が命を落とし血を流し、そのさい血が床などに付着した。
地元の人が死者を供養するためにそれをこのお寺に運んできて、いまでは天井になっているという。
「わたしの国でこんなものは見たことも聞いもない」とすべての外国人が驚く。
*血天井はいろんなところにある。(特に京都)
くわしいことをここを見られよ。
日本人の不思議な信仰に触れたあと久能山東照宮へ行った。
長い長い階段を昇って入り口に着いたとき、日本に15年以上いるアメリカ人がこの言葉を見て疑問を感じる。
「初穂料ってなんですか?さっきのお寺には拝観料とありましたけど」
もし外国人からそう質問されたら、すぐ答えられますか?
「ああ初穂料ね。日本に長くいる君がわからなくても無理ないよ。だってボクも知らないから」ということで、受付にいた神職に意味を教えてもらう。
読んで字のごとくで、初穂とはその年にはじめてとれた稲穂(お米)のこと。
日本には収穫を感謝して神様に初穂を供える習慣があって、それが伝統文化となって令和のいまでも続いている。
最初は稲だけだったけどそれがしだいに広がって、野菜や海産物などの初物も「初穂」として神様に供えられるようになった。
さらには神様に献じられるお金も「初穂」となり、現在では上のように神社に納める金銭のことを「初穂料」と呼んでいる。
神社で祈祷をお願いするときもお守りを買う(授かる)ときも、すべて初穂料を納めることになる。
だから神社でのやり取りでは、たんに物やサービスを金銭と交換するのでなくて、神への感謝の気持ちを込めるほうがいい。
アメリカ、イギリス、カナダは伝統的にコメ文化の国ではないから別として、日本人と同じように米を主食とするバングラデシュ人に聞いても、「初穂料」に相当する言葉はないという。
バングラデシュでも豊作を願ったり収穫に感謝することはあるから、農村では初穂を神にささげることはあるかもしれないけど、日本の「初穂料」のように身近な生活に定着した文化はないらしい。
血天井や初穂料なんてものがある国は世界でも日本だけだろう。
外国人と一緒にいると日本のことがよく見えてくる。
この写真は岐阜の馬籠宿に行ったときに、一緒にいた外国人が撮ったもの。
リトアニア人(東ヨーロッパの国)とロシア人から見ると、こういう風景は本当に日本らしいと言う。
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