福岡県で集団暴走行為をして、それをスマホで撮った公開した暴走族のメンバーが福岡県警に捕まった。
それ自体には大したニュースバリューがないけど、チーム名の「歩女狐突」は刮目に値する。
毎日新聞の記事(2019年11月26日)
県警によると、メンバーは同じ中学校の卒業生同士が中心となり、「歩女狐突(ぽんこつ)」の族名で活動していた。
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これにネットの反応は?
・だめだ鯉ヘルペスに勝てる気がしない
・まさにポンコツ
名は体を表す
・どうやったらポンコツって読めんだよ
・親もポンコツなんだろうなぁ
・福岡には昭和が残ってるな
福岡ならポンコツよりトンコツだろ。
火得多魔でもいいけど。
さて福岡の日常はこれで終わり。
ここからはベトナムの話ですよ。
日本と同じように漢字文化圏だったベトナムにも、こんなニュースが生まれる可能性があったのだ。
中秋の名月の日に、浜松にあるベトナムの仏教寺院で祭りがあると聞いて行ってみた。
それが上のお寺で、額の文字からベトナム語で「寺」は「タン」なのかと思ったら、語順が逆で、「チュア」が寺というベトナム語だった。
*「寺精進」になるらしい。
日本・韓国・ベトナム(漢字表記は越南)は歴史的に中国の影響を受けていて、3国には漢字を使っていたという共通点がある。
日韓越が東アジア3兄弟といわれる由縁(ゆえん)。
誰がそう呼んでいるかは知らないけど。
でも韓国とベトナムでは漢字の使用がなくなって、いまでは日本だけになってしまった。
ベトナム人の話では、漢字は社会からすっかり姿を消していて、見かけるとしたら博物館にある昔の文書かお寺ぐらいしかない。
でも、見るだけで普通の人は漢字を読めない。
話を聞いたベトナム人も「精進寺」を読むことができなかったし、当然、意味もわからなかった。
でも、お寺の中でこんなものを発見。
庶民の楽しみ、ベトナム将棋だ。
「他にもこれがありました!将棋の漢字ならだれでも読めるし、意味もわかります」と言う。
こんな感じでベトナムは漢字を使っていただけあって、いまでも漢字由来の言葉には日本人でもわかる(かもしれない)ものがある。
たとえばこの「chú ý」というベトナム語、どんな意味だと思いますか?
「chú ý」の発音はチューイーで、意味は「気をつけろ」。
元となった漢字はもちろん「注意」。
日本人にとっては「初めてなのになつかしい」みたいな、こんなベトナム語はほかにもたくさんある。
国語はクオック・グー(Quốc ngữ)
古代は「コーダイ」
同意は「ドンイー」
感動「カムドン」
国歌は「クオックカー」
愛国は「アイクオック」
*ベトナム建国の父・ホーチミンは「グエン・アイ・クォック」(Nguyễn Ái Quốc / 阮愛国)と名乗っていたこともある。
こうした漢字由来のベトナム語を漢越語という。
現在のベトナムでは漢字そのものは使われていないものの、漢語の数はむしろ増加し、現在もベトナム語において重要な役割を果たしている。新聞などでは70%の語彙が漢語であるという。
ベトナムを植民地支配していたフランス人が漢字を見て「わけわからん」と思って、17世紀ごろからベトナム語をローマ字で表すようになり、それが現在のQuốc ngữ(クオック・グー:国語)となった。
だからベトナムが独立を守っていて、日本と同じようにいまでも漢字を使っていれば、「夜露死苦」や「走死走愛」のような漢字の当て字をつくる「歩女狐突」(ぽんこつ)がいたと思う。
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