海外からみた日本・韓国の迷信の特徴。理由はそれですか?

 

このまえイギリス人とファミレスで話しているとき、「迷信」が話題になった。
イギリスにはコーヒーカップのひびの形から、幸運や不幸がわかるという迷信があるそうな。
日本にもそんなものがあるか聞かれたから、「茶柱が立てばいいことが起こる」という言い伝えを教えると、「それはとても日本らしい」と言う。

*茶柱の話は、新茶に比べれば質の悪い二番茶を売るために静岡の茶商人が作ったという、金のにおいがする話もある。

それよりこのとき聞いた「コーヒーカップのひびが~」というイギリスの迷信をネットで探したけど、何もでてこない。ボクが豪快に聞き間違えた可能性もある。
でも、ここでそれは重要じゃないから先に進もう。

 

迷信は文化だ。
迷信にはそれを信じる人たちの生活や価値観、考え方がよく表れている。
だから伝統的に緑茶を飲む文化のないイギリスでは茶柱の迷信なんて生まれないし、それを知ったところで社会に広まることもない。
もちろん「四つ葉のクローバーを見つけると運がいい」みたいに、外国から伝わって日本で定着した迷信もある。

日本人なら日本の迷信をいくつも知っているけど、日本の迷信の特徴はどうだろう?
これは外国の迷信との比較が前提になるから、日本の迷信しか知らないとそれは分からない。

ということで海外で日本の迷信はどう紹介されているのか、英語版ウィキペディアの説明をみてみよう。

A significant portion of Japanese superstition is related to language. Numbers and objects that have names that are homophones for words such as “death” and “suffering” are typically considered unlucky.

Japanese superstitions

 

四はdeath(死)、 九はsuffering(苦)のように、日本の迷信には数字とかかわりがある。

ここでクエスチョン。
ここで紹介されている日本のラッキーナンバーはなんでしょう?

 

答えはいくつかあって、まずは「7」だ。
その理由は7は一体感、協調、仲間意識を象徴するから。
(It is considered a good number since 7 symbolizes “togetherness”と書いてある)

他に「8」。
「繁栄」や「ハチ公」と音が似ているから。 (nearly homophonous)

9:「きゅう(救)」と発音されるから。
(for being pronounced “kyū”, like a word for relief).

10:「じゅう」という音は、”いっぱい・豊富な(replete)”や”十分な(enough)”といった言葉に似ているから。

 

逆に、日本人にとってアンラッキーな数字は「4」。
死と同じ発音だからで、病院やホテルでは4のつく部屋や階がないこともある。
43 (死産)、42 (死)、49 (敷く – to run over) といった数字も避けられる。
贈り物をするときはふつう、3つか5つで4つはない。
(When giving gifts such as plates, they are normally in sets of three or five, never four.)

他に「苦」をあらわす「9」も日本人から嫌われる。
櫛(くし)は「94」と発音が同じだから、それをプレゼントでもらうことはまずない。
(Combs (kushi) are rarely given as presents as the name is pronounced the same as 9 4.)

西洋文化の影響で「13」も縁起の悪いナンバーになっている。

 

以上が英語版ウィキペディアに書いてある説明で、これを世界中の人が読んでいるわけだ。

なるほど。
だが待て。
ツッコミたいところはいろいろある。
特に「7」が “togetherness”(協調、仲間意識)を象徴するから、日本人の好きな数字という説は初耳だ。
それに「8」は「八」で末広がりだからだろう。
まあいいや。
とにかく海外で日本の迷信はこう思われているようだ。

個人的にはスポーツジムの機械でマラソンをしていて、ふとタイムを見たら偶然「4:44」だと絶望的に嫌な気分になる。
この気分も数字の迷信に由来するのだ。

 

ところで韓国の迷信はどうなんだろう?なんて疑問をもったら、なんとタイムリーに、朝鮮日報にこんな記事(2019.12.11)がありました。

韓国人が最も好きな数字1位は?

韓国人がいちばん好きな数字は「7」。
韓国で7は幸運を象徴していて、調査の結果、これを選んだ人が45%で最も多い。
以下、「3」(19%)、「5」(8%)、「1」(7%)とつづく。
2位の倍以上だから、韓国で7は圧倒的に好まれている。

「3」の理由は、「韓国人はきっかり三度」という表現があるほど親しみのある数字だからという。
また上位4位(7、3、5、1)はすべて奇数だったことから、韓国人は偶数よりも奇数が好きということが分かる。

「4」「6」「10」を好きな数字と思う人はそれぞれ2%と最も少なかった。
4を嫌う理由は日本と同じだけど、最近はその迷信から脱する人も多いらしい。

4は「死」を連想させるという理由から、古い建物では階数、号数を飛ばすことがあったが、最近はそのようなタブーがほとんど消えているようだ。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。