今回の内容
・応援合戦という日本文化
・応援の始まり
・学ラン
・鉢巻き
・赤組と白組
ちょっと前に、生まれて初めて運動会を見たというアメリカ人の感想を書いた。
彼女は日本の中学校で英語を教えていて、そこでその運動会を見学している。
「運動会もラジオ体操も、日本の文化なのよ!」と、とても感動していた。
その子が一番気に入ったのは応援合戦だった。
ラジオ体操と運動会のことは前に書いたから、今回はこの応援合戦はについて書いていきたい。
・応援合戦という日本の文化
「赤組と白組に分かれておこなう応援合戦は、最高だった。アメリカで応援というとチアリーディングだけど、日本の応援は全然違うのね。学ランを来て、鉢巻きをしている姿が日本的で良かった。太鼓の合図に合わせて大声を出したり、みんなで踊ったりしていて、あれはもう日本の文化ね」
確かに同じ応援でも、アメリカのチアリーディングと日本の応援とはまったく違う。
ちなみに日本では今、組体操が危険だと問題になっているけど、アメリカではチアリーディングが問題になっているらしい。
高度でアクロバティックな技を見せようとして事故が続発。
TVの生中継中に落下死する事故も起きてしまった。
日本でも、児童生徒に難易度の高いものを求めてしまって事故を招くことがある。
そうなると、誰のための運動会なのか分からなくなってしまう。
それにしても、テレビの生中継で死亡事故がおこるとは・・・。
・応援の始まり
今の日本の学校でしているような応援が始まったのは、1894年ごろという。
旧制高校で応援団が結成されるようになったのは、1894年の高等学校令により旧制高校が全国的に普及し、学生の運動部活動が学外でも展開するようになったことに始まる。
1890年代後半には、声援隊、応援隊などと呼ばれていたが、次第に応援団と通称化されるようになった。
(ウィキペディア)
1894年といえば、日清戦争がおきた年だ。
この応援も、戦争と関係があるんだろうか?
「戦争に向かう兵士を励ます意味があった」とか。
・学ラン
浜松の学校では、応援合戦のときのスタイルは学ランが一般的だ。
あと、法被もあるかな。
応援のスタイルは日本の地方によって違うと思うけど、学ランに鉢巻きという姿は多いだろう。
マンガに出てくる応援合戦も、そんなかっこうだ。
友人のアメリカ人が「日本らしい」といった「学ラン」も、もとは外国から来たものだ。
学ランの「ラン」とは、オランダの「ラン」のこと。
学ランの語源・由来
学ランの「ラン」は、江戸時代の隠語で洋服を意味する「ランダ」が略された語。
学生が着るランダ(洋服)という意味から「学ラン」となった。
ランダが洋服をさす由来は、鎖国状時代の日本では「西洋」は「オランダ」のことを言った
ため、一般的には「蘭(らんぷく)」と呼ばれた。(語源由来辞典)
・鉢巻き
鉢巻きの起源はなんと古墳時代にさかのぼり、宗教的な意味で使われていたという。
現在の運動会の応援合戦で使う鉢巻きには、「神々を招く」といった宗教的な意味はない。
簡単に言ったら、「気合いを入れるため」だろう。
こんな精神的な目的で鉢巻きをするようになったのは、鎌倉時代だという。
鎌倉時代以降は、武士が軍陣に際して、精神を引き締めると同時に、烏帽子(えぼし)の脱げ落ちるのを防ぐために鉢巻を締めたので、鉢巻は長く武装の一種と考えられていた。
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
ここでいう「精神を引き締める」というのは、運動会の応援するときの鉢巻きと同じだ。
ちょっと話がそれますよ。
ラーメン屋や肉体労働者が額にタオルを巻いているのも、同じ意味があるんだろう。
「流れる汗を止めるため」という機能だけではなくて、額に布を巻くことで「精神を集中する」、「気合いを入れる」といった目的があるのだと思う。
ニューヨークのラーメン屋に行ったというアメリカ人に話を聞いたら、そこでラーメンをつくっていた人は、白いシェフハットをかぶっていたという。
「料理をつくる人がタオル巻きというのは、あり得ない」
日本では、ラーメン屋のスタッフは職人だからタオル巻きでいい。
この鉢巻きは、海外にも広がっているらしい。
意外なところでは、アラブのゲリラが「神(アラー)は偉大なり」という言葉をものを使っている。
彼らは鉢巻きをしなくていい。
ゲリラが気合いを入れても、世の中のためにはならないから。
・赤組と白組
日本の運動会では、ふつう赤組と白組に分かれる。
この色の分け方は、源氏と平氏の戦いにルーツがあるという。
だから、平安時代からの伝統になる。
源氏が白旗を、平氏が紅旗を掲げて戦った際に用いられた配色であり、対照的な色合いでもあることから、日本において、伝統的に対抗する配色として用いられるようになった。
(ウィキペディア)
*紅白のルーツについてはこれ以外の説もある。
ちなみに、韓国にも運動会はある。
友人の韓国人に話を聞いたら、「赤組と白組」ではなくて「青組と白組」だったという。
「赤組はダメですよ。赤は共産主義(北朝鮮)の色じゃないですか。学校でそれはマズイですね」
なるほど。
それぞれの国には、それぞれの事情があるってワケですな。
こちらの記事もいかがですか?
イギリス人が嫌いな日本人「馴れ馴れしい」を「フレンドリー」と勘違い
外国人(アメリカ人とヨーロッパ人)との会話がで盛り上がる話題
コメントを残す