【韓国だけにある国】韓国メディアが作る“滅茶苦茶な日本”

 

韓国紙・朝鮮日報の報道(2020/04/11)によると今の日本はパンデミックにおちいっていて、その原因は「忖度」という日本人の民族性にある。
*忖度とは他人の気持ちや考えを推しはかること。特に上司など、上の立場にいる人間の心情に配慮して行動すること。

「パンデミックに陥った日本、忖度する民族性が問題」

パンデミックとは感染症の全国的・世界的な大流行のことで、「感染爆発」といわれることもある。
いまボクが住んでいるのはその日本だけど、感染爆発の危機にあるという話は聞いたことはあるが、すでにパンデミックにおちいったなんてまったくの初耳。
そんな日本はどこにありますか?

それに現時点で、韓国の感染者は10564人で死者は222人。それに対して日本では7645人、死者は143人と日本と韓国の人口比(1億2500:5000)を考えれば、日本は韓国に比べてコロナ対策で成功していると言える。

*コロナの世界各国の感染状況はここで確認できる。

info/coronavirus

記事を読むと、アジア・パシフィック・イニシアティブの船橋洋一理事長が朝鮮日報のインタビューに答え、危機的な状況で日本の機動力が弱い最大の原因を日本全体が忖度社会であることを挙げた。

日本は他人の気持ちを考えて行動する傾向が強い。公務員だけでなく、日本人自体が『忖度民族』だ。平常時はこうした文化は他人の気持ちを思ってすることなので良い点もある。しかし、このような危機社会では誤った結果につながりやすい。これが日本の弱点だ

 

外国人に比べて日本人は相手の心情を考えたり、場の空気を読んで行動することが多いのは分かるけど、日本人全体を「忖度民族」と表現することには抵抗を感じてしまう。
どんな視座からこう言い切るのか。

 

でも、新聞はボランティア活動じゃないから、読まれる記事を書かないといけない。
「日本人は忖度民族」というフレーズは韓国人読者なら手に取ってみたくなるから、朝鮮日報は記事のタイトルに付けたのだろう。
まあ、お客さま第一主義の結果だ。

記事持を読むと船橋氏は、目立つのが嫌いで他人と違う意見を言わない民族性では、日本がパンデミックに「やられてしまう可能性がある」と言う。
逆に言えば、それしか言っていない。
現状ではまだそうなっていないけど、これから日本がそんな危機的状況になりかねないと船橋氏は指摘しているだけなのに、それが韓国紙の手にかかると「パンデミックに陥った日本」と完了形なる。

これだといま日本社会が大混乱になっていて、人々がパニック状態におちいっているようなイメージが浮かんでくる。
そんな日本は見たことも聞いたこともない。なぜなら存在しないから。

 

くり返すけど、日本のコロナ対策にはいろんな問題があるとはいえ、韓国よりはうまくいっている。
まあここ数日を見ると、感染者数の伸びが韓国より多いけれど。

 

全国紙といえば、その国で最も正確で信頼できる情報を伝えるメディアのはずなのに、現実以上に日本をひどく書く事例は中央日報でもあった。

日本で感染増加が続いていることを受けて、イギリスの教授が「Japan has been screwing up」(日本は取り返しのつかない状態に近づいている)と言う。
これは医療崩壊のことだと思う。
それを中央日報は「日本はすでに滅茶苦茶だ」とでたらめな訳文を記事に書いて、こんな見出しを付けて報じた。

「日本もう滅茶苦茶、安倍氏の宣言は手遅れ」…「東京崩壊」警告も

安倍首相の緊急事態宣言はもう手遅れだとか、「東京崩壊」とかいうのも現実とはまったく違う。

くわしいことはこの記事を見てくれ。

「滅茶苦茶・手遅れ・崩壊」これが韓国メディアの日本報道

 

「パンデミックに陥った日本」や「もう滅茶苦茶」という日本は現実にはなくて、韓国の認知空間だけに存在する、きっと韓国人だけに見える不思議なジャパン。
でもそれは商売のため、すべてはお客様のためで、韓国メディアが日本をひどく混乱した姿で描くと、韓国では読者に受けるし売れる。すると儲かる。

これは慰安婦、徴用工問題でも同じで、根拠のないことを報道しては「性奴隷」や「奴隷労働」なんて現実無視の恐ろしい表現をする。

日本では韓国に対して一部のユーチューバーやインターネット・メディアが“あおり”でやっていることだけど、韓国という特殊空間では全国紙がそれをする。
忖度する民族性が問題なのは一体どっちなのか。

「そうは言うけど、事実や現実をそのまま書いただけで韓国で売れると思うのか?ここはそんなに甘い空間ではない」と言われたら返す言葉はないのだけど。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。