簡単に前回の内容を確認しておこう。
中国旅行で洛陽という都市に行った。
街をブラブラ歩いていたとき、ずい分安い羊肉の串焼きを見つけたので、早速買ってかぶりつく。
ふつうにおいしい。
次の日、中国人のガイドにその話をしたら、きつく注意されてしまう。
「もう、そこの食べ物は絶対に食べてはいけません。安すぎます。羊肉と言いながら、別の動物の肉を使っていますよ。今の中国では、そういう悪いことをする人が多いのですから」
げっ。
ネットで調べてみたら、いろんなニセ肉が出てきた。
殺鼠剤で殺したネズミの肉、検疫を受けていない肉、病死した動物・・・。
よく、こういう肉を食べ物に加工できるものだな。
ところでボクは、何の肉を食べてしまったんだろう?
今まで中国には、回ぐらい旅行で行ったことがある。
その経験からいわせてもらうと、中国旅行で気をつけることは食べ物。
観光名所には、必ずしも行かなくてもいい。
ぼったくられても、日本で働いて稼げばその分を取り戻すことはできる。
でも、食事はそうはいない。
悪い物質をふくんだ食べ物を体内に入れ続けると、それがたまっていっていつどのような形で自分にかえってくるか分からない。
中国旅行で安さを求めたいのなら、食べ物以外のもので予算を削るべき。
健康と安全を犠牲にしてまで得られるものはない。
その後の人生を考えると、重い病気になったらその治療費が高くつく。
中国の屋台や安食堂の食費どころではない。
今のボクがたまに感じる不安はまさにそれ。
食費をけずった結果、ずい分損をしたと思う。
中国だけではなくて、海外旅行では「庶民の料理」や「庶民の雰囲気」を味わうことこそが旅の醍醐味だと考えていたから、なるべく安い屋台や食堂でご飯をすませていた。
ちなみに醍醐味というのはもとは仏教の言葉ですよ。
「最上で真実の教え」という意味。
でも今となっては、注意が足りなかったと反省している。
今までの海外旅行で体の中にどれだけ有害な物質を入れていたのか分からなくて不安になってしまう。
不安といっても、いつも考えてしまうほどではないけど。
たまに思い出すと、「あのときもっとお金を出して良い物を食べていれば良かったな」と後悔するぐらい。
そうならないように、中国旅行をする人には注意してほしいことがある。
中国旅行で食に安さを求めるのはやめよう。
健康・安全が一番。
お金はその後にいくらでも取り戻すことができる。
・「地溝油」という下水からつくった油
前回、中国の食の問題として、「ニセ肉」を取り上げた。
でも、中国での屋台や安食堂で危険は、肉だけではない。
以前、「地溝油(ちこうゆ)」という、信じられない油が出回って社会問題になった。
この地溝油とは、下水からつくられる油のことで、今でも屋台や食堂で使われているだろう。
工場などの排水溝や下水溝に溜まったクリーム状(あるいはスカム状)の油を濾過し、精製した安物の食用油脂。 日本では下水油(げすいあぶら)と紹介されることも多い。
(ウィキペディア)
「ウィキペディア」にこの地溝油の「製造方法」がのっている。
この油のつくり方が、とんでもない。
文を読んでいるだけで、気分が悪くなってしまう。
食事中なら、それが終った後に見てほしい。
製造方法
マンホールの蓋を開け、下水道内の黒く濁り、赤みを帯びたのり状の物体を掻き出す役割の者がおり、毎日一人当たり桶4杯くらいを収集する。
(ウィキペディア)
マンホールから下水道に潜り込んで、赤黒い物体を取り出す。
うっ、この光景を想像しただけで、吐き気が・・・。
なんでこんなことをするのかといえば、儲(もう)かるから。
「販売価格は通常のサラダ油の半額程度(ウィキペディア)」らしい。
屋台や食堂を経営する側は、安く油を手に入れることができるから当然買ってしまう。
単純に考えて、その店の料理は安いから客が集まる。
そうしたら、店はまた地溝油を求める。
売った側も買った側もニンマリ。
害を受けるのは食べた客。
そんな客をよそに、またマンホールに入って赤黒い物体を採取する。
それでも、中国には行く。
自然や歴史遺産が魅力的だから。
この地溝油を体内に取り入れてしまうと、どんな危険があるのか?
「中国青年報」が伝える医学的研究によれば、地溝油に含まれる最も危険な成分は発がん性物質のアフラトキシンであり、その毒性はヒ素の100倍にも及ぶ。劇毒の農薬である「666」と「DDT」も基準値以上が検出されている。
(ウィキペディア)
あっ、めまいが・・・。
屋台や安食堂では、オーナーが客の健康や安全を考えてくれるなんてことは期待しない方がいい。
儲けることしか頭にないと思っていいだろう。
中国人のガイドは、地元に住んでいる中国人ならどこの店が安全か危険かがおおよそ分かるし、知り合いがやっている店や屋台に行けば大丈夫だという。
日本人の旅行者にできる自衛策といば、安い屋台や食堂には行かないことだ。
100%の保証なんてないけど、値段の高い店ならまだ安心できる。
それか、ツアーでつれて行ってくれる店ならいいだろう。
「中国のレストランでは、どこも地溝油やニセの肉を使っている!」なんて、極端な考えに走ることもない。
先ほど書いたけど、それでもボクは中国旅行に出かけている。
でも食費には、今まで以上にお金をかける。
それにしても、今でもあの時食べた肉と油が気になる。
ネズミだったのか、病気で死んだ猫だったのか?
ふつうの油だったのか、下水からつくったトンデモ油だったのか?
こんな思いをするなら、100円ぐらい出してまともな串焼きを食べればよかったよ。
おまけ
この記事で「値段の高い店ならまだ安心できる」と書いたけど、2016年12月2日の「レコードチャイナ」に、衝撃的なニュースがあった。
人気グルメ番組に登場した有名レストラン、料理に使われていたのは下水油―中国
屋台や安食堂ではなくて、テレビのグルメ番組に紹介されるような有名店でも、地溝油(下水油)が使われていることが分かって問題になっている。
ある店の客は「とても清潔で、そんな油が使われているとは夢にも思わなかった」とショックを隠せない。毎月5〜6回は食べに来ていたという。
中国人でも見抜けなかったら、日本人に分かるはずがない。
中国では何を食べたらいいんだ?
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