危険③中国旅行での注意:日本の社会との違い、偽物のスケールが違う。

 

中国を旅行中、古都・洛陽に足を伸ばし、市内を歩いていると、「羊肉」という看板をかかげた串焼きの屋台を見つけた。
羊は高級肉なのに、地方都市のせいか値段がかなり安く、「良い店を見つけた」と思って5本ほど買って食べた。
次の日、中国人ガイドにその話をすると、

「それは安すぎます。羊の肉じゃなくて、別の動物の肉でしょう。今の中国では、そういう詐欺行為が多いんですよ。気をつけてくださいね」

と言われた。
それを聞いて、「じゃあ、あれには豚や牛の肉がまじっていたんですか?」とたずねると、

「そんなもんじゃありませんよ。薬剤で殺したネズミの肉、検疫を受けていない肉、病死した動物とかだと思いますよ」

と言われ、絶望的な気持ちになった。

中国には肉だけなく、調理で欠かせないに油にも「ニセモノ」がある。
それが下水から作られる油、地溝油(ちこうゆ)だ。
中国旅行では、屋台や安そうな食堂で食べる時は要注意。

 

・中国で安く食事をすませるなら、気をつけること

中国では、こうした「ニセ肉」と「地溝油」を使ってレストランや屋台で料理を作っていたことがバレて、たまに問題になる。
中国人ですら、ここまでひどい物を使っていたことに驚がくした。でも、そんな「ニセモノ事件」は過去のことで、現在では状況が改善されているとは思う。
無くなってはいないだろうけど。

地溝油はとても安いし、屋台や安い食堂が客の健康を心配するところはないから。

たとえば、サーチナにこんな記事がある。(2016年11月4日)

思わず鳥肌!有名火鍋店が食べ残しの油を使い回し、毎日50キロを客に提供―中国

この温州市の火鍋店は「伝統的な重慶の味」を強調し、市内では有名な店だったらしい。屋台や安食堂とはレベルが違う。
しかし、店では食べ残しの火鍋から油を集め、新しい油と混ぜて客に提供していたことが発覚した。
その量は1日で50キロほどだったというから、すさまじい。
結果、火鍋店の関係者4人が逮捕された。

有名店でこれだと、何を食べたらいいのか分からない。

 

・やっぱり、日本と中国は違う

あたり前のことだけど改めて言いたい。
中国は日本ではスケールが違う。
日本でもコスパ重視で安い物を求める人は多いし、安い物に安いなりのワケやデメリットがあることは承知しているはず。
しかし、日中では、安さと引き換えに失うものや、抱え込むリスクの大きさがまるで違うのだ。

ボクの今までの中国旅行の経験と中国人から聞いた話やネットで得た情報を総合すると、中国で安く食事をすませようとするのなら、次のことは頭に入れた方がいい。

・羊肉と称して、病気で死んだ動物の肉や殺虫剤で死んだネズミの肉を食材にしている危険性がある。

・下水の気持ち悪い物質からつくった油を使っている可能性がある。

 

つけ加えると、先ほどの記事には続きがあった。
客の食べ残しから油を集めていた火鍋店の中には、「地溝油、口水油(食べ残しの料理から回収した油)を根絶」と書かれたケースが各テーブルに置かれ、「食後は墨汁を鍋の中へ」と呼び掛けていたのだ。
店が積極的に「悪い油を追放しよう」とアピールし、影で違法な油を客に提供していた。
油も言葉も全部ニセモノだ。

 

日本でも悪いことをする人はいるし、そういう企業もある。
しかし、中国で起こる悪行は質と規模で、日本人の想像を越えている。
中国を旅行するのなら、「信じる者はだまされる」、「安全はタダではないし、安くもない」という認識を持つ必要がある。

 

洛陽で会った中国人のガイドはこうも言っていた。

「中国人は何でも作ることができるんです。羊肉を使わなくても、羊の肉をつくることができるんです」

冗談だったかもしれないけど、今はこの意見に納得できる。
その特殊な能力を人類の進歩のために活かせばいいのに。

 

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北京の天壇

こんな素晴らしい建築物を創造する力があるのに…。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。