ほんじつ9月24日は「掃除の日」。
1971年のこの日に「廃棄物処理法」が施行されたことから、環境省(いまの厚生労働省)がこの記念日を制定した。ということで今回は、日本社会の清潔さ・日本人のキレイ好きについて書いていこう。
訪日外国人に感想を聞くと、「日本はどこに行ってもきれい。道に紙くずやペットボトルなどのゴミが落ちてないし、落書きも少ない」と感心する人はよくいる。
完璧とは言わないけど海外に比べたら、日本は安全と清潔が社会の隅々まで行きわたっているから、そのことに居心地の良さを感じる外国人は珍しくない。
でも、ゴミがないのは素晴らしいことだけど、ゴミ箱すらないのは困ると言う外国人はいる。
ヨーロッパから来て東京を観光していたリトアニア人が、コンビニで買ったホットドッグを食べたあとゴミ箱がなかなか見当たらず、串を捨てられなくて困ったと話していた。
ヨーロッパの街では、そこらにゴミ箱が設置されているらしい。
写真はポーランドのゴミ箱。
数年前、2人の台湾人が旅行で日本へやって来た。
奈良で合流したときに日本の第一印象をたずねたら、空港バスに乗って外を見たとき、窓ガラスの「透明度の高さ」に2人とも驚いたと言う。
ガラス面がピっカピカに磨かれていて、窓を開けているのと同じぐらい街の景色が鮮やかに見えたから、写真好きの2人にこの配慮はとてもうれしい。
そのうち1人の母親が日本語ガイドをしていて、日本には何度も来ていて事情をよく知っているから、「日本人の仕事は本当に丁寧で細かい。観光バスの運転手は掃除でもプロフェッショナルで、車内のあらゆる場所をキレイにする。あの態度は台湾人も学ばないといけない」という話は聞いていた。
バスの窓ガラスを見たときにこの言葉が頭に浮かんで、「たしかに。母よ、あなたは正しかった」と納得。
ただ長所と短所は表裏一体で、母親は仕事がら、そんな日本基準を要求されて閉口することがある。
自分がガイドとなって台湾に来る日本人旅行者を案内するときは、旅行会社からすごく細かいリクエストがくるから、「ここまでしなきゃならんの?」とウンザリすることもあるらしい。
でも窓ガラスをはじめ、日本ではいろんな物がキレイで清潔に見える理由は、きっと日本人の掃除っぷりだけではないと2人は言う。
大阪へ着いた日に泊まったホテルでお風呂に入ったとき、部屋は水蒸気で満たされているのに、お風呂のガラス面はまったく曇っていなくて、驚く自分の顔がそのまま見えた。
台湾でこんなガラスを見たことなかったし、もともと日本製品には高品質・高性能というイメージがあったから、「日本では社会にある基本的なモノが、すでに台湾とは別ステージにあるのでは?」と考えたと言う。
それはどうか分からないけど、日本人のモノづくりの根本には、丁寧さや細かいところにも妥協しない職人気質があって、これは日本人のお掃除精神にも通じる。
おまけ
新幹線の清掃員の様子を映したこの「7分の奇跡」という動画が以前、世界的に話題になった。
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浴室内の鏡のことですかね?
日本では、大手メーカーのユニットバスや洗面台の場合、浴室や洗面所の鏡は裏側に発熱体が仕込んであって、照明を点灯するのに連動して、鏡を裏面から暖めるような仕掛けが備わっています。
ガラスや鏡が蒸気で曇ってしまうのは、
(1) ガラスの表面が汚れている(=その汚れの粒子が、曇りの核である微小水滴を作るタネとなる)こと、
(2) ガラス表面が冷たいことで表面結露を起こす(=ガラス表面付近の空気が冷やされて気体水蒸気を空気が保持できる濃度が下がり、結露温度を下回って、気体状態でいられない水蒸気が水滴に変化する)こと、
その2つが原因になります。
したがって、鏡をよく磨いてきれいにすることと、鏡を暖めることの2つの方法は、表面の曇りを防止するのにとても有効な方法なのです。
なお、鏡の汚れ取りには、細かな鉱物質の粉末を付着させた専用スポンジ(うろこ状スポンジ)を利用するのが効果的です。最近はホームセンターとか100円ショップでも売っているはず。プロは、これを電動回転クリーナーに取り付けて鏡を磨いていると思います。自動車のワックス掛けなんかと同じ感覚。
浴室内の鏡にはそんな構造があったのですね。
まったく知りませんでした。
ありがとうございます。