きのう9月29日は「招き猫の日」だった。
929を「来る福」と縁起よく読んで、日本招き猫協会がこの記念日を制定したとか。
「苦しく憎い」と読むと激しく不幸な予感しかないけど、これはこれで何か記念日があるかと思って探してみても特になし。
とにかく一日遅れだけど、今回のテーマは日本生まれの縁起物「招き猫」についてで、このラッキーアイテムが東南アジアでどう使われているか見ていこう。
招き猫を改めて確認したい人はここをクリック。
前足で人を招く形をした、猫の置物。猫は農作物や蚕を食べるネズミを駆除するため、古くは養蚕の縁起物でもあったが、養蚕が衰退してからは商売繁盛の縁起物とされている。
日本に3年間住んでいて、いまは母国のカリマンタン島に戻っているインドネシア人がSNSにこんな投稿をした。
「これは何?」とたずねる外国人に、そのインドネシア人はこんな説明をする。
more and more money.the meaning that like the cat of hello money in japan.
このインドネシア人に聞いたら、招き猫はインドネシアでもけっこう有名なラッキーアイテムでお店や自宅に飾る人がいるらしい。
上の英文には、招き猫はお金をどんどん呼び込むみたいに書いてあるけど、日本人はそこまで露骨でどん欲ではないと思う。
けど、この分かりやすさがインドネシア人に受けている理由と思う。
ただ日本では招き猫が右手を挙げていればお金、左手なら人や客を招くと言われているから、これだと金運アップじゃない。
ある日本人が上の投稿に、「日本だと車に招き猫を付ける人はいない。これだと事故を招いているみたい」とツッコんでいたけど、「家には別の縁起物があるから、車にはこれを置いた」と答えるこのインドネシア人はどこまで欲深いのか。
そういえば確かに日本で車に招き猫を付ける人は見たことないから、このへんはインドネシア人と日本人の発想が違いか。
お金が嫌いと言う人は嘘つきか神に近い例外的な人間で、ふつうはみんな大好き。
幸運や金を呼び込む招き猫は東南アジアで人気の日本文化で、タイ・カンボジア・ベトナムを旅行したときに飲食店やお土産屋でこれを見つけて、うれしくなってその手に招かれるまま店に入ったことが何度もある。
この記事上の写真はタイのデパートにあったもので、巨大な招き猫と一緒に写真を撮るタイ人が多かった。
前にフィリピン人に「招き猫」と「福助人形」について聞いたら、こんな返事がきた。
There’s a lot of those in the Philippines, especially in buildings owned by Chinese/Japanese.
招き猫はフィリピンでもたくさんあって、中国人や日本人が所有する建物でよく見る。
日本に住んでいた別のフィリピン人は招き猫を「中国文化」と信じて疑わず、「あれは日本の文化だ!」とボクがと言っても、「いやいや、あれは中国だよ」とゆずらない。
それでネットで調べさせたら、日本生まれと知って「マジかっ」と驚いていた。
上のインドネシア人もいまインドネシアにある物の中で、どれが日本由来か中国由来かなんて区別できないと言っていたから、招き猫を中国のモノと思っている東南アジアの人は多いと思う。
日本の文化が海外でも人気があるのはいいことけど、できれば正しく広がってほしい。
福助人形
ベトナムの公園にある招き猫
手の向きが反対なのは、日本の「こっちへ来い」はベトナムでは「あっちへ行け」になるからだろう。
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> 手の向きが反対なのは、日本の「こっちへ来い」はベトナムでは「あっちへ行け」になるからだろう。
それ、アメリカ人もベトナムと同じです。むしろ日本が世界的に少数派らしいです。
その証拠に、たとえば映画「マトリックス」で、キアヌ・リーブスが相手に向かって「かかって来い」というポーズをすると、その手が、このベトナム招き猫と同じ向きになってます。