前回につづいて今回もカエルに関連する話を書いていこうと思う。
御坂美琴さん大興奮。
先週、西日本新聞にこんな記事があった。(2020/10/15)
なぜ?山登るヒキガエルの子 麓から1カ月かけ山頂へ 市民遺産認定
福岡県の宝満山(829メートル)を登るヒキガエルが太宰府市の市民遺産に認定された。
御坂美琴さん大歓喜。
ふもとの池で生まれたヒキガエルの一部が梅雨になると、林道・車・蛇・100段の石段といった艱難辛苦を乗り越え、1カ月ほどかけて山頂に登りつめるという。リアルど根性ガエル。
山を登るカエルは世界的にも珍しく、その理由はまだ解明できてないのだけど、登山者の靴底についたカエルのにおいを追って登る可能性が指摘されているとか。
実はこれについては、宝満山のカエルさんに聞いたことがある。
なんで山に登るかたずねたら、「そこに山があるから」と答えてましたよ。
まぁそんなワケはないのだけど、中国の仙人ならカエルと話ができるかも。(強引っ)
中国にはスーパーハードな修行に耐え抜いて、不老不死、空を飛ぶ、水の上を歩くといった超人的な力を持つにいたった仙人の思想がある。
太宰府の山を登り切ったカエルもこの領域に達しそう。
仙人は日本でも有名でアニメや漫画のキャラクターで出てくるし、50歳以下で亀仙人を知らない人はいないはず。
ガチでいえば飛鳥時代の呪術師・役小角(えんのおづぬ)は仙人の位置付けをされている。
中国で有名な仙人は「八仙」で、亀仙人並みの人気があるといわれる。(いや知らんけど)
八仙は日本でいえば七福神のようなめでたい存在で、正月飾りで八仙のデザインがよく使われる。
この中に唯一の女性(女仙)がいるのだけど、それを名前から想像してほしい。
・李鉄拐(りてっかい)
・漢鍾離(かんしょうり)
・呂洞賓(りょどうひん)
・張果老(ちょうかろう)
・何仙姑(かせんこ)
・藍采和(らんさいか)
・韓湘子(かんしょうし)
・曹国舅(そうこくきゅう)
答えは何仙姑。
伝説では何仙姑は唐の時代にいた仙人で、ウワサを聞いた則天武后が国中を探させたけど見つからなかったという。
ちなみに日本では「酔拳」で有名な中国の武術「酔八仙拳」の八仙が上の人たちで、酔八仙拳は八仙が酒を飲んで酔っぱらった様子から生まれた武術なのだ。
何仙姑
八仙、海を渡るの図
まんま七福神
いまでこそ亀仙人の知名度が抜けているけど、日本の歴史をみるとガマ(蝦蟇)仙人は特に人気の高い仙人だった。
仙人を描いた絵ではよくガマ仙人と李鉄拐(りてっかい)がセットになっているけど、ガマのほうは八仙には選ばれてないし中国での知名度もイマイチ。
でも日本人が好きなのはこっち。
日本において蝦蟇仙人は仙人の中でも特に人気があり、絵画、装飾品、歌舞伎・浄瑠璃など様々な形で多くの人々に描かれている。
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』にも出てきた「ガマ仙人」。
『ナルト』に出てくる大ガマ仙人の元ネタはこれだろう。
このガマ仙人の「ペット」がカエルの妖怪で、前回でてきたベトナムのラッキーアイテムのルーツとなった「青蛙神」(せいあじ)だ。
中国の道教信者がこれを信仰していて、青蛙神には天災を予知できる能力があり、また縁起の良い福の神と考えられていた。
日本ではウサギだけど、中国では月に青蛙神がいると言われるらしい。
ガマ仙人はこの三足の青蛙神を金貨で釣り上げて自分に従わせ、以来いっしょに行動するようになった。
日本人の価値観やセンスだとこういう仙人はユーモラスで親しみやすいから、本国ではマイナーな仙人が東の島国でブレイクできたと思う。
中国人には超人的な能力のある八仙が好みだったけど、亀仙人がエロ仙人だったように日本人は庶民に近い、人間的な存在が好きなのでは。
おまけ
中国で仙人が住むと言われた黄山
こちらの記事もいかがですか?
中国文化の日本文化への影響②日本風にアレンジした5つの具体例
コメントを残す