むかし慰安婦問題についてアメリカ人と、話(と書いてバトルと読む)をしていたときのこと。
慰安婦を「性奴隷」と主張し、サウザーのように一歩も引かないそのアメリカ人に、「それは違う。なら根拠を見せてほしい」という応酬を何度かくり返して、お互い疲労と虚しさを感じはじめたころアメリカ人がこう言った。
「I think we can just agree to disagree on this」
「このことについて、お互い同意できないことには同意できる」ということで、これ以上話しても平行線をたどってケンカになるだけだから、「見解の違い」ということにしてもう議論はやめよう、といったニュアンスになる。
イギリスやオーストラリアは分からないけど、これはアメリカではポピュラーな言葉だから覚えておく価値あり。
さてきのう今後の日韓関係のゆくえを左右する、重要な会談が韓国で行われたのをお存じか。
いま韓国の原告側が差し押さえている日本企業の資産を本当に現金化したら、いまの日韓関係は一度破綻する。
そのカウントダウンが迫っている中で行われた日韓の局長級協議には、韓国で大きな注目と期待が集まっていた。
中央日報の記事(2020.10.28)
これまで電話協議やテレビ会議を続けてきたが、直接会って意見を交わすのは、平行線をたどる双方の立場を最大限調整するという意味だと解釈することができる。
29日に韓日局長級協議へ…韓日中首脳会議の年内開催「分岐点」
いまの日韓にとっての最大最厚の壁は、両国関係を「戦後最悪」にまで落とし込んだ元徴用工問題だ。
これについて日本の立場は明白、韓国側に対して「日本が受け入れ可能な解決策」を提案するよう求め、現金化は絶対に避けねばならないとくり返し伝えている。
一方の韓国は国内事情を持ち出して、日本の要求を拒否し続けている。
「最大限調整する」というけど、果たしたそんなことができるのだろうか?
いやいや、無理にきまってる。
という予想を裏切ってほしい、という期待は裏切られてやっぱりの結果だったらしい。
ハンギョレ新聞の記事(2020-10-30)
菅首相の年内訪韓が事実上見送られたことで、韓日関係の早期改善は難しくなった。今後、両国首脳が顔を合わせる機会は2021年夏の東京五輪開会式となる見通しだ。しかし、この期間内に現金化が実現すれば、韓日関係は断交に次ぐ厳しい状況に陥らざるを得ない。
8カ月ぶりの韓日局長会議「お互いの立場の違い」のみ確認
「この件については、お互い分かり合えない」という点で完全一致した結果、年内の菅首相の韓国訪問はほぼなくなった。
これもまた「やっぱり」なのだけど、この席で韓国側は日本に「より誠意ある姿勢を見せる必要がある」と迫ったという。
ちなみに元徴用工裁判の原告人は約1千人いるというから、一度もこれに巻き込まれたらエンドレスだ。
韓国のいう「誠意」を見せたら日本は泥沼。
韓国は自分たちの過去を、1秒でも振り返ったことがあるだろうか。
慰安婦合意でも日韓請求権協定でも、韓国は日本からお金を受け取ったあとに約束を破ったから、いまの最悪の関係が出来上がったのだ。
問題を生み出した側が解決しないといけない。
自分がするべきもの日本に押し付けるとは、さすが文政権の韓国。
これでは日本の価値観には絶対的に合わないし、それは向こうも同じだから、「agree to disagree」と言って席を離れるしかない。
でもこれはつまり、いまのままでは話し合いでの解決は不可能ということだから、日韓関係は次の負のステージに移行することになる。
韓国しだいだけど、「断交に次ぐ厳しい状況に陥らざるを得ない」はわりと近いかも。
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