韓国の格差社会の実態③スプーン階級論:特権階級は国民の敵

 

少し前に、「ヘルコリア」について書いた。

激しい競争社会の韓国は生きにくい。
それでヘルコリアと呼ばれるようになった。
OECD(経済協力開発機構)加盟国のなかで、韓国は自殺率がワースト1位(10万人あたり29・1人、日本は18・7人)となっている。

韓国の若者たちは韓国を「ヘル(地獄)」のようだと言っているけど、大人たちは、こんな言葉を使っている韓国の若者を批判している。

一生懸命勉強しても、一体何の意味があるのか-。受験、就職など直面する生活の不安に背を向け、政権批判や風刺に懸命な若者たち。親の世代からは「口ばかり上手になって、努力しないことを正当化している」と不安の声も漏れる。

「ヘル(地獄)朝鮮」韓国若者らに蔓延するニヒリズム なぜか「日帝」にちなむ造語まで…

世代によって価値観や考え方が違うのは、どこの国でもおんなじだ。

 

 

では、前回に続いて「スプーン階級論」の話。

今の韓国では、金持ちと貧しい人の格差が大きな問題になっている。

金持ちの子どもはそのまま金持ちになって、貧しい人の子は貧しいままであるという格差の固定化がすすんでいるという。

こんな韓国社会の実態に、多くの若者が怒っている。

 

そんな不公平な社会を背景に、去年は「スプーン階級論」という言葉が流行した。

「金の箸とスプーン」「土の箸とスプーン」に代弁される不公正かつ不公平な構造にあるということを悟り始めたという事実に希望の種を見る。

【コラム】「ヘル朝鮮」を「ヘブン大韓民国」に(1)

 

この「スプーン階級論」の意味を理解するには、次の英語のことわざを知っておいた方がい。

ヨーロッパでは有名な言葉だから、一般常識としても知っておく価値はある。

「born with a silver spoon in one’s mouth」

「銀のスプーンを口にくわえて生まれる」ということから、「恵まれた家、裕福な家に生まれた」という意味になる。

「彼は銀のスプーンを口にくわえて生まれてきた」というと、裕福な家柄の生まれだという意味になり、「彼は木のスプーンを口にくわえて生まれてきた」というと、貧しい家の生まれだという意味になる。

銀のスプーン

 

金持ちの象徴が「銀のスプーン」で、貧しさの象徴が「木のスプーン」ということ。
このことわざは、セルバンテスの「ドン・キホーテ」から生まれたらしい。

このヨーロッパのことわざが昨年の韓国で流行語となった。
親の職業や地位によって、子世代のスプーン(階層)が決まるという階級論。
どこの家に生まれるかで人生は決まってしまう。
本人が努力しても上の階層に行くことはできない、という韓国の社会事情を嘆いている。

수저 계급론 (수저론) : スプーン階級論、スプーン論

最も恵まれている財閥の子息であれば金のスプーンを意味する금수저(クムスジョ)、以下は은수저(銀のスプーン、ウムスジョ)、동수저(銅のスプーン、トンスジョ)、最も階層の低い状態を흙수저(泥スプーン、フクスジョ)という。

 

韓国では、ヨーロッパの「銀のスプーン」のことわざを韓国風に発展させている。

金のスプーンに泥のスプーンという、「新しいスプーン」を加えて階級をさらに増やした。

そんなスプーンによって表される階級の違いは、こんな感じになるらしい。

金のスプーン:親の資産が20億ウォンまたは世帯年収が2億ウォン以上
銀のスプーン:資産10億ウォン以上または年収8000万ウォン~1億ウォン。
銅のスプーン:資産5億ウォン以上または年収5500万ウォン以上
泥のスプーン(最下層):具体的には資産5000万ウォン未満または年収2000万ウォン未満の世帯の出身者

参照:韓国の若者が超格差社会に嘆き節、「お前は何色?」

 

金のスプーンの「年収2億ウォン」は、日本円にすると約1千9百万円。
泥のスプーンの「2000万ウォン」は、約190万円。
この金と泥の間に、銀のスプーンと銅のスプーンの階級がある。

日本では昨年、「日本人には一般国民と上級国民がいる」とネットで話題になった。
くわしいことこれを。

上級国民

スプーン階級論によると、韓国社会のなかでは国民の階級が4つある。

それだけ、歪(ゆが)んだ社会構造になっているということなんだろう。

 

 

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