「中国は韓流を制限するな」という韓国が日本文化を制限する愚

 

いまの韓国は、中国による「限韓令」や「禁韓令」によって戦々恐々としている。
中国は怒らせたらオソロシイから。
前回にそんなことを書いた。

中央日報の記事(8月19日)でそのことを報じている。

中国が育てた韓流スターファン・チヨル、中国のTVから消える

韓国人歌手のファン・チヨルが中国TV芸能番組の出演オファーに応じて撮影を終えたが、編集過程で全て削除された状態で放送されていた事実が一足遅れて確認された。

中国当局による「禁韓令」や「限韓令」とウワサされている。

これは8月の記事。
11月になると、中国では韓流スターにモザイクをかけていたことが報じられた。
犯罪者ではあるまいし、スターが「モザイク処理される」というのはひどい話だ。

 

 

でも韓国の芸能界としては、中国が最大の稼ぎ場所。
中国から韓流が締め出されると、困ったことになる。

そんなレベルではなくて、生きるか死ぬかの死活問題。

そういうことで、とうとう韓国政府が事態の把握と収拾に動き出した。
11月22日の朝鮮日報の記事。

「中国が韓流締め出しか 韓国政府が実態把握に着手」

政府はひとまず、中国にある韓国の大使館、総領事館、文化院などを通じて実態を把握し、韓流規制が事実と確認されれば国内関連業界への被害を抑える方法を模索する。

韓国政府は外交ルートを通じ、サード配備の対立が韓国と中国の文化交流に影響をあたえてはいけないと中国に伝えるという。

韓国が国として、全力で中国の「韓流制限令」に対応していることが分かる。
中国で韓国の歌手やドラマなどが次々と「消される」ということは、韓国文化の影響力がそれだけなくなることにもつながる。

 

韓国にとっては、憂慮すべき深刻な事態なんだろう。
本当に大変だと思う。

・・・でも、待ってほしい。

「中国は、韓流を制限するべきではない」という韓国が今、日本文化を制限してないか?

 

 

韓国が日本の歌やドラマを制限していることは、ずい分前からやっていた。
中国が「限韓令」や「禁韓令」をしていることに、韓国は不満をもっている。

でもその韓国が、ずっと前から日本文化を制限する「限日令」や「禁日令」をしてきたじゃないか。

韓国での日本大衆文化の流入制限

大韓民国では、自国文化の保護のため、また大日本帝国の韓国併合の影響による国民感情を害するとして、日本の漫画や映画、音楽など、大衆文化を法令で規制してきた。

具体例としては、韓国のテレビにおいて日本語の歌を流してはならない、日本のテレビ番組を放送してはならない等がある。

韓国の地上波で日本語の歌が放送されたのは2010年で、SKE48が「2010ソウルドラマアワード」の授賞式で歌ったときだ。

この状況は日本では正反対。
日本では、「限韓令」や「禁韓令」なんてしていない。
韓流ドラマやKポップの歌を、どこのテレビ局でも自由に放送することができる。

禁止や制限どころではない。
一時期は、テレビ局が猛烈に韓流を宣伝していたことがあった。
あれはやりすぎで、逆効果だったみたいだけどね。

 

韓国では日本文化を制限しているのに、日本では韓国文化は自由な状態になっている。
当然、「日本の番組が韓国の地上波放送で解禁されていないのは不公平だ」という不満が日本側から出てくる。
それで2011年に自民党の議員が動いたのだけど、この後どうなったかは聞かない。
文化的な不公平が少しでもなくなっていることを願うだけ。

それにしても韓国は相変わらず豪快なブーメランを放つ国だ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。