【日本の警察】その歴史や海外との違い、外国人の感想など

 

2日前の話なんだが、1月10日は「110番の日」だった。
由来は見たまんま。
「1月9日は一休さんから“とんちの日”にしました」とかいう強引な語呂合わせもなく、記念日としてはすごく自然。

ということで今回は日本の警察について、その簡単な歴史や外国人の感想なんかを書いていこう。

 

日本で国家によってつくられた初めての警察組織は、記録に残る限りでは平安時代の検非違使(けびいし)だ。
「非違(不法)を検察する天皇の使者」という意味の検非違使が、首都・京都の治安維持に努めたり、要人の警護にあたっていた。
検非違使の手下には元犯罪者で構成される「放免」という人たちがいて、彼らが犯罪捜査をしていたというから、現在の警察官と同じ役割を果たしていたのだろう。
でも時代が時代だけに、放免は拷問も担当していた。

江戸時代になると町奉行や勘定奉行などが組織され、いわゆる「お奉行さま」が都市の治安維持にあたっていた。

時代は江戸から明治に変わって1871年、東京に3000人の邏卒(らそつ:明治初期の警察官)が設置されたことが現在につづく日本警察の始まりとなった。
3年後の1874年には東京に警視庁が登場する。

さらにくわしい情報はここでどうぞ。

薩摩藩出身の川路利良は天皇を中心とする中央集権国家にふさわしい警察制度研究のため渡欧し、フランスの警察に倣った制度改革を建議した。

日本の警察

平安時代の検非違使

 

さて数年前、静岡県に住んでいたインド人カップルがUSJで「ヒャッハー!」しようと大阪旅行にでかけた。
あとで会った時に大阪の感想をきいたら、彼らにとって印象的だったのはUSJよりこの交番のサインだった。

 

 

そういえば彼は旅行中、SNSに上の写真と一緒に「I’d vote it. the best Police station signage in the world」(警察署のサインとしてはこれが世界最高だ)と書き込んでいた。
残念無念ながら、インド警察はこの正反対。
インドの警察官は社会的弱者や法の味方ではなくて、金持ちや政治家の側に立って庶民に対しては高圧的・暴力的に迫るという。
もちろん良い警察官もいるけど、インドではきっと絶滅危惧種に指定してもいいほどレアな存在だ。

個人的にもインドを旅行中に、警官が市民を棒でバシバシ叩いているのを何度か見たことがある。
そのとき一緒にいたインド人の日本語ガイドに理由をきくと、「わからない。警官の気分が悪かっただけじゃないか?」とそっけない。
まぁケンシロウ並みの攻撃力でもない限り、こういう場面で部外者はかかわってはいけない。

 

日本に住んでいた中国人も、「警察官はとても親切で礼儀正しいです。中国の警察は“おまわりさん”みたいな親しい存在ではありません」と話していた。
これはある中国人がSNSで表現した日中の違い。

日本警察:正義感+親切感=ティラエル
中国警察:野蛮感+恐怖感=ディアブロ

海外ではこういう警察が多いと思う。

 

ニューヨーク出身の知人の黒人女性は、前方から警察官が歩いて来るのが見えたらすぐにわき道に入ると言う。
「トランプのアメリカ」では黒人というだけで射殺される可能性が“マジ”であるから、警官から自分の身を守らないといけない。
ただ日本に比べると、アメリカの警官にはフレンドリーで気さくでジョークを言う人が多いとか。
以前、財布を落としたことに気づいて「おわったー」と思って近くの交番に行ったら、「これですか」と財布が出てきた。
ハイテンションになった彼女は警察官に一緒に写真を撮ろうと提案したけど、「業務中ですので」と断られてガッカリした。
アメリカの警察官なら、きっと笑顔で写真撮影に応じてくれたという。

 

まじめで鉄壁な日本の警察官

 

冒頭で書いたように、1月10日は「110番の日」であって警察の日ではない。
この記念日は「110番を適切に使ってくださいね」ということで1985年に警察庁が定めたのだ。

海外に比べて日本の警察官は高圧的ではなく、庶民の側にいて安心感があるせいか、非常識な理由で110番通報する人が近ごろ増えている。
これはその氷山の一角。

・辞書で見つからない言葉の意味を教えてほしい。
・〇〇の電話番号を教えて。
・雨が降ってきた。パトカーで家まで送って。
・公園のトイレに入ったら紙がなかった(またはトイレが詰まった)。すぐに何とかしてくれ。

無料だから使わないとソン!という感覚からか、もはや警察を「便利屋」のように考える人が一部でいる。
2020年に受理した110番の件数は約157万件。
その中でいたずらや不要不急の通報は約3割だったというから、これでは本当に必要な人が困ってしまう。
きょねんは「電車内でマスクをしていない人がいる!」といったコロナ関連の通報が約5000件あったという。

日本人は恵まれすぎていて、「I’d vote it. the best Police station signage in the world」と感動する人が少ないのかも。

 

 

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2 件のコメント

  • > 時代が時代だけに、放免は拷問も担当していた。
    > 江戸時代になると町奉行や勘定奉行などが組織され、いわゆる「お奉行さま」が都市の治安維持にあたっていた。

    このように表現すると、まるで江戸時代には奉行たちだけが自分自身で直接に治安維持に当たっていたように思えるのですが、実際には違います。奉行(長官)の下には奉行所の同心たちがいて(武士はここまで)、さらにその下には非公認の役職である「岡っ引」や、その部下の「下っ引」がいました。その彼らこそ元々は「放免」と呼ばれていた人達です。
    彼らは非公認ですから、今でいうところの非正規雇用(?)ですかね。女房に宿屋や飯屋を経営させておいて、原則無給で(!)江戸における刑事・警察官の任務を担っていたらしいです。それにしても無給とはひどいな。これじゃ、悪人から賄賂をもらうのもやむを得ないでしょうね。
    銭形平次や半七みたいに清廉潔白な活動ばかりでは、とても食っていけないでしょうから。

    それにしても、奉行所(警察署)が北町と南町の2つだけで、しかも月番交代制。長官はじめ署員は全員が武士(つまりキャリア官僚)、末端警察官は全員が非公式のバイト(?)って、よくこんな体制で当時の世界最大都市のひとつとも言える江戸の治安がいじできたものです。
    昔から、日本は平和だったのですねぇ。

  • 奉行の下、与力、同心、岡っ引、手下、下っ引といった人たちがいて、それぞれの立場で働いていました。
    その代表として、奉行が治安維持にあたっていたと表現しても問題ないと思いますよ。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。