【法より主観】日本が、韓国との話し合いをあきらめた理由

 

一年に何度もあることだから、もはや「東京で雪が3センチ積もった!」のほうがビッグニュースなんだが、最近日本が韓国に抗議した。
原因は韓国国防省が公表した国防白書。
このなかで日本との関係について、前回の白書にあった「パートナー(同伴者)」から「隣国」へと”格下げ”している。

でも日本にとって、それ以上に見過ごせなかったのは2018年の「韓国海軍レーダー照射問題」についての記述だ。
韓国海軍の駆逐艦が自衛隊機に危険なレーダー照射をおこなったことでこの問題が始まり、その後、説明と謝罪を求める日本に対し、韓国側は「危険な低空飛行をおこなった自衛隊機のほうが悪い」と日本に謝罪を要求して交渉は泥沼化し、最後は日本から打ち切った。

それを韓国の国防白書はこう書く。

日本経済新聞の記事(2021年2月2日)

韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射した事件は「日本哨戒機の威嚇的な近接飛行」だったと主張した。「事実をごまかした日本の一方的な発表で両国関係が難航した」と記した。

「日本はパートナー」の記述削除 韓国国防白書

これに怒った防衛省が韓国側に抗議した。

 

このとき韓国側が説明をコロコロ変えたから、事態を解決困難にさせてしまう。
前と違うことを何回も言い出すから、韓国寄りの毎日新聞でさえ社説で「不可解なのは、韓国側の説明が変遷していることだ。(中略)問題が発生した後の韓国側の対応にも疑問がある。」と擁護できなかった。

今回の「日本哨戒機の威嚇的な近接飛行」という韓国側の主張については、当時の時事通信にこんな記事がある。(2019年1月4日)

「主観的で一方的」=韓国反論動画にあぜん―防衛省

自衛隊機の「低空飛行を脅威に感じた」というだけで、韓国側は客観的な証拠をなにも提示しない。
専門家からみれば「韓国の主張する高度150メートル、距離500メートルだとしても、一般的には脅威ではない」ということで、「どう感じたか」をくり返し主張する韓国との協議は「いつまでも平行線だろう」と記事にある。

日本が国際法を根拠に危険な飛空ではないと言っても、韓国側は主観を根拠にそれを否定し、日本に謝罪を要求していた。

防衛省HPをみれば、韓国との話し合いが無意味である理由がわかる。

防衛省は、実務者協議において、更なる客観的根拠の提示を求めましたが、韓国側からは、そのようなものは示されず、逆に「脅威を受けた者が、脅威と感じれば、それは脅威である」などの全く客観性に欠ける回答を繰り返しています。

韓国海軍駆逐艦による自衛隊機への火器管制レーダー照射に関する 防衛省の最終見解について

 

客観的な根拠はなくても、韓国側が「そのように感じたら」事実は成立するから、それに基づいて日本は謝らないといけない。
個人ではなくて国家が協議の場でこう言いつづけるのだから、日本はとうとう韓国をあきらめた。

そんな態度はいまも変わっていない。
元徴用工問題でも慰安婦問題でも韓国側は日本との約束や国際法よりも、「脅威を受けた者が、脅威と感じれば、それは脅威である」みたいな全く客観性に欠ける主張をし、謝罪や賠償を要求している。

あのとき「大局的には未来志向の日韓関係が大事だ」と強く主張して、問題をうやむやにした岩屋毅(いわやたけし)防衛大臣の態度もいまからみたら大失敗だ。

韓国側とのこの問題での協議を打ち切る方針を示した。そうした融和的な姿勢には防衛省・自衛隊内に「岩屋毅防衛相には、もっと韓国に強く出てほしい」との声がある。

岩屋毅

 

日韓友好のために日本がゆずって韓国は感謝したか?
その2年後には「事実をごまかした日本の一方的な発表で両国関係が難航した」と国防白書で書いたのだから、岩屋大臣の妥協には何の意味もなかった。
むしろこういう前例をつくったら、関係はどんどん悪化する。

 

 

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1 個のコメント


  • 「岩屋毅防衛大臣の態度もいまからみたら大失敗だ」

    当時から大失敗でしたよ。
    リ地域に格下げや防衛白書、外交青書でに記述や国会での所信表明演説の中の文言が減った事への意趣返しというか、子供が同じことをやり返すのと同じ
    日本にとっては格上げでしょ。このまま記述無しの白紙にまでなったら

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。