タイでラーメンがブームの理由③日本のブランド力、日本製品への信頼

 

「日本のラーメンは、なんでタイでブームになったのか?」

その理由を何人かのタイ人に聞いてみた。

理由は大きくわけて3つある。
1番目と2番目のついては前回までに書いてきた。
今回は3番目の理由について書いていきたい。

 

タイでラーメンが人気となった理由は、「日本という国に強いブランド力があったから」ということ。
ラーメンがタイ人に受け入れられた背景には、その前からあった日本の良いイメージの影響が大きかったという。

 

ラーメンが伝わる前から、タイで日本は人気の国だった。

それは今でも変わらない。

むしろ、タイ人の「日本好き」は高まっている。
2016年の調査(ジャパンブランド調査2016)では、タイ人の好きな外国の第1位に日本が選ばれている。

もう、世界的な親日国といっていい。

日本のことが好きな国、1位はタイ – 電通調査

調査によると、「日本のことが好きな国・地域」は1位タイ、2位ベトナム、3位フィリピン

ちなみに、この調査の対象は次の20の国と地域。

中国(北京、上海)、香港、韓国、台湾、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア。

 

ときどきまわりの友人から、「東南アジアって反日なの?」ときかれることがある。

んなことはない。
東南アジアの国が、「日本好き」の1位から3位までをしめている。
この結果からもわかるように、東南アジアでの反日感情は気にしなくてもいいレベル。

とはいえ、反日感情がまったくないということはないと思う。
日本が過去にしたことはあまり良いことではない。

2016年11月30日に、天皇陛下は次のようなお言葉を述べられている。

また、日本が英国の植民地だったシンガポールを占領した先の大戦にも触れ、「貴国の地において多くの人々が尊い命を失い、様々な苦難を受けたことを忘れてはならない」とされた。

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でも、ふつうに旅行するだけならとくに気にするほどではない。

 

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「味の素」を知らないタイ人は、いないだろう。

 

おっと話がそれた。

日本のラーメンの話だった。

今のタイ人の間では、日本旅行がとても人気がある。
「日本に行ったらラーメンを食べたい!」というタイ人とてもは多いという。

タイでは2013年にビザ発給条件が緩和されて以来、訪日旅行客数が伸びている。またこれに伴い、日本食ブームがますます加速。ラーメンはもちろん日本のスイーツ店も人気という。

日本のことが好きな国、1位はタイ – 電通調査

タイ人の日本語ガイドから聞いた話では、日本へ旅行に行くタイ人の最大の楽しみは「食」だという。
「日本へ行ったら、食べきれないほど日本食を食べたい!」というタイ人は本当に多いらしい。

でも日本の食べ物は、タイ人にとっては味が薄い。
だから、日本食に唐辛子やナンプラーをかけて食べることもあるとか。

 

タイでの日本食ブームは、けっこう新しい。

それまでのタイ人が持っていた日本のイメージは、「高品質の日本製品」というものという。

タイ人が日常生活のなかで日本製の電化製品や自動車を見たり使ったりしていて、それがそのまま日本のイメージになっていく。

タイ人のガイドはそんなことを話していた。

日本製のものは性能が良くて壊れにくい。
それがそのまま日本という国のイメージやブランドになっていったらしい。

 

今でも日本製品への信頼は高い。

タイでは日本製の自動車がたくさん走っているし、今でも日本の家電製品への評価も高い。

日本製のものなら、中古でもじゅうぶん通用する。

日本製品は品質がいいという印象から、中古品でも手に入れたいというタイ人も改めて急増しているのである。

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ただ家電製品については、韓国製のものに比べると日本製は値段が高くて手を出しにくいらしい。

タイでの日本製品のイメージは「高品質!」というもので、かなりのブランド力を持っていることは今も昔も変わらない。

 

タイで日本の人気が高い理由には、こうしたイメージがあるはず。
日本のラーメンがタイで人気になった背景にも、日本のブランドイメージがあることは間違いない。

 

ちなみに、「日本の中古品は質が良い」と言っているのはタイ人だけではない。

100円ショップにある品物の質の良さには、アメリカ人やイギリス人の友人も驚いていた。
あるオーストラリア人は、日本にある中古の服や本を見てその「新しさ」に感動していた。

オーストラリア人がいう「中古品」とは、本当にオンボロのものらしい。

 

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バンコクのショッピングセンター「ターミナル21」の東京フロア

 

ターミナル21

「ターミナル21」という名前にもあるようにターミナルをもとに建てられた建物は、いまにも世界へ旅にでかけるような気持ちにさせてくれます。実際にターミナル21の中では数カ国の国をテーマにしたフロアになっており、エレベーターをくぐるたびに新しい世界へと舞い降りることができます。

バンコクナビ

この説明にあるように、ターミナル21のフロアーは世界のいろいろな国をテーマにしている。

このなかに、日本をイメージした「東京フロア」がある。
アジアのなかで東京を選んだということからも、タイ人が日本のことを良く思っていることがわかる。

このフロアーを歩くと、「タイの人たちは、日本をこんな風にイメージしているんだ!」ということが分かって、それもおもしろい。

 

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日本の協力によってタイの地下鉄が完成したことを伝えるプレート

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。