最近の記事で、日本の伝統的な食文化について書いているためか、韓国の全州市にある韓屋村のニュースが気になった。
韓国の大手新聞「朝鮮日報」が、韓国の「韓屋村」でおきている問題について伝えている。
韓国の伝統家屋村に“ジャージャー麺禁止令”で騒動=韓国ネット「二度と行かない」「伝統家屋村に伝統なんてあるもんか」
「韓屋村」は韓国の伝統的な家を集めた観光名所で、いってみれば「韓国の合掌造り集落」のようなところ。
朝鮮王朝発祥の地で1200年以上もの歴史がある都市、全州(チョンジュ)。ここ全州に、約700余軒の韓国伝統家屋が集落を成しているのが、全州韓屋村(チョンジュハノッマウル)です。
1977年に国から韓屋保存地区に指定され、現在では全州を代表する観光名所の1つとなっています。
画像はここをクリック。
韓国人の友人が、フェイスブックでここの写真をアップしていたことがある。
それを見て、ボクも全州市の韓屋村のことを知った。
この韓屋村では、韓国の伝統が重視されているため、その雰囲気づくりも大切にされている。
市は、昔ながらの風情が残る韓屋村にそぐわないコンビニやコーヒーチェーン店が入店するのを避けるため、11年、日本食・中国料理・洋食など韓国料理以外の料理を調理・販売する飲食店の開店を規制する「伝統文化区域地区単位計画」を定めていた。
この考えは分かる。
日本の伝統的な家が集まっている合掌造り集落に、西洋料理店や中国料理店はふさわしくない。
その場の雰囲気を守るためには、ルールが必要となるのは当然。
韓国の韓屋村でもこのように、全州市がここでの飲食を厳しく規制している。
・・・はずだった。
「日本食・中国料理・洋食など韓国料理以外の料理を調理・販売する飲食店の開店を規制」しているのに、なぜか中国料理店がオープンしていて、中国料理のジャージャー麺を売っていたことが問題になる。
今年5月、韓屋村内で中国料理店を営んでいた女性(42)が市から告発を受けた。韓屋村での中国料理の販売を禁じた市の規定に反したとの容疑だ。(中略)そのため女性が店を開くと、一部の商店主から「女性がこのまま営業を続けるならうちでもジャージャー麺を出す」など苦情が相次いだ。
「市が禁止したルールを破る」といっても、影でこそこそしてはいない。
堂々と中国料理店を出しているというのがすごい。
なんとも韓国らしい「、ケンチャナヨ(大丈夫、気にするな)な展開だなあ」と、思わずほおがゆるむ。
「あそこがルール守っていないのなら、自分たちもルールを破るぞ!」と市にすごむという発想も何となく韓国人らしいと思う。
でも、問題は中国料理店だけではない。
ここで出されている韓国料理にも、デタラメなものがあった。
たとえば、韓定食(宮廷料理に由来する伝統的な韓国料理)に、ソーセージやおでん、ブロッコリーが入っていたという。
ソーセージは西洋、おでんは日本の食べ物。
もう、韓定食をベースとした創作料理になっている。
それにしても、「韓国の伝統的料理にソーセージ」って・・・。
でも、朝鮮王朝時代の時代劇ドラマ「チャングムの誓い」で、カセットコンロやハイヒールが登場することよりはマシか。
問題はまだ続く。
この他にも、コーヒーチェーンが規制対象である一方でコーヒーも売るフルーツジュースのチェーン店は開店可能、煙やにおいのためもともと苦情のあったテイクアウトの串焼き店にはこれといった規制がないなど、市の計画はさまざまな面で今後も物議を醸しそうだ。
コーヒーチェーン店はダメ!
だけど、フルーツジュースのチェーン店がコーヒーを売るの良い!
というのは、なんでだろう?
そもそも韓国の伝統的な雰囲気を重視して、中国料理や日本料理がNGという韓屋村で、なんでフルーツパーラーのチェーン店はOKなのか?
こうなると、ルールを破った人だけではなくて、ルールをつくった側にも問題があったとしか思えない。
こういうのを「ざる法」というんだろうなあ。
韓国の伝統を重視するけど、利権を優先するとこんな結果になる。
こうした「韓屋村」の事態を知った一般の韓国人もあきれ顔の様子で、こんなコメントをしている。
「和食や中国料理の問題は別として、見るべきものがなさ過ぎる。二度と行かない」
「韓屋村は女の子たちがインスタグラムに上げる写真を撮るために行く場所だよ」
「韓屋村ではタロット占いもやってるし、VR(仮想現実)ゲームセンターに人がたくさんいた」
「全州市民は韓屋村にはほとんど行かない。行ってもぼったくりが多いし、無駄金を使うことになる」
「韓屋村のどこにも伝統なんてあるもんか。外見が韓屋というだけだよ」
韓屋村は、韓国の伝統を重視している。
だから日本料理や西洋料理はダメだけど、タロット占いや最先端のゲームセンターはOKという感覚がよく分からない。
それにしても、この記事の始めから終わりまで、本当に韓国らしい展開だと思う。
一つの問題が出てくると、パンドラの箱を開けたように次つぎへといろいろな問題が飛び出してくる。
そして、その事態にあきれた韓国人がボロカスに文句を言う。
これは、韓国の完成された様式美のよう。
でも下手な韓流ドラマより、この流れの方がおもしろい。
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