きのう5月6日は「ゴムの日」だった。
ルフィーの誕生日ということではなくて、5・6の語呂合せからこの記念日ができたらしい。
ということなら今回の話はインドネシア人の時間感覚についてだ。
インドネシアってこんな国
面積:約189万平方キロメートル(日本の約5倍)
人口:約2.55億人(2015年)
首都:ジャカルタ(人口1,017万人:2015年)
民族:大半がマレー系(ジャワ,スンダ等約300種族)
言語:インドネシア語
宗教:イスラム教 87.21%,キリスト教 9.87%(プロテスタント 6.96%,カトリック 2.91%),ヒンズー教 1.69%,仏教 0.72%,儒教 0.05%,その他 0.50%(2016年)
以上の数字はインドネシア共和国(Republic of Indonesia) 基礎データから。
日本の印象について外国人にきくと、「信じられないほどの時間厳守!」という答えがよく返ってくる。
その代表的な例が電車や地下鉄の運行。
1分の遅れもなく電車が到着・出発する体験をすると「マジか!」と思うものの、そのうち慣れてそれが当然になってくる。
でも、日本に来たばかりの外国人が「ビックリした!」と言うのを聞くと、「ですよねー」と改めて思う。
人も時間に正確で、会議では定刻前に全員が着席しているのが当たり前だし、待ち合わせに5分遅れただけで「いやいや、そんなにしなくていいから」と思うほど謝る。
そんな話を欧米人やアジア人、南米の人など世界中の外国人から聞いた。
そんな日本の真逆にある国がインドネシアだ。
インドネシア人は基本ルーズで、1時に待ち合わせをしても、その時刻に相手が現れることはなく、1時30分、2時とズルズル時間がのびていく。
あちらではそんなことが日常チャメシゴトだから、「ジャム(時間)」+「カレット(ゴム)」を合わせた「ジャムカレット(ゴムの時間)」という言葉まであるのだ。
これは2004年に発売された本だからやや情報が古いけど、日本経済新聞社の記者でジャカルタ支局長をつとめていた日本人が、現地で体験した「ジャムカレット」の話を書いてる。
あるときインドネシア政府の情報省から緊急連絡がきて、「経済政策で緊急重大発表があるから、午後4時に集まってほしい」という。
それで、指定された場所に着いてからの展開がまさにインドネシアだった。
定刻の午後4時になっても政府要人は誰も顔を見せない。係官の説明も要領を得ない。
「30分遅れは毎度の話」と時間のルーズさに慣れている外国人記者たちもさすがに一時間二時間とたつうちにイライラが募ってきた。赤道に近いインドネシアは昼夜の時間が一年中ほぼ同じだ。それで時間まで覚えているのだが、ようやく官僚が姿を現したのは午後七時をゆうに回っていた。窓の外はもう暗い。
「ゴム時間共和国インドネシア (日本経済新聞社) 小牧利寿」
これは特別ヒドイ例だとしても、30分ぐらい遅れはインドネシアでは遅れのうちに入らないのだろう。
さすがにいまは少しは改善されたと思うが。
先月、日本の大学に留学していて、いまは母国に戻っているインドネシア人と話をした。
日本で生活しているうちに自然と“日本人化”してしまい、インドネシアに帰ってからは常識の違いに戸惑ったという。
日本人の「5分前行動」を素晴らしいと思った彼は、それをマイルールにしていつも約束の5分前か、最低でもその時間に間に合うよう心がけていた。
そんな行動を完全に身につけたあとで、インドネシアで生活するのはちょっとした地獄。
日本での留学を終えて母国の大学生に戻った彼は当然、インドネシア人と一緒に過ごすこととなる。
でも、プライベートの約束で30分、1時間遅れるヤツなんてザラにいるし、学生同士の打ち合わせがあってもみんな時間通りには集まらない。
1時間30分遅れて話し合いがスタートしたときには、「日本なら終わってる時間なのになー」とぼんやり思ったとか。
”精神的日本人”となった彼はいつも定刻の前に来てイスに座っているから、他のインドネシア人が驚いて、「おまえさ、ここは日本じゃないんだから、もっとリラックスしろよ」といらないアドバイスをもらったこともある。
彼を見て自分の行動を変える人は皆無で、気づいたら浮いていた。
もちろんこれがインドネシア人の当たり前ということは知ってたし、ここでは「5分前行動」なんて異世界のルールということも分かってた。
でもやっぱりこれは大事だし、まわりに流されないで守っていかないといけないと思う。
結果いつも日本人の時間感覚で、インドネシア人の「ジャムカレット」な感覚と接することになるから、時々イラっとさせられる。
インドネシアに戻ってからもう1年以上たって、衣食住ではすっかり慣れたけど、時間感覚だけにはいまだに違和感を感じる時がある。
ただ相手が1時間遅れても怒らない包容力は、インドネシア人の良いところだと思っている。
ということで「5分前行動」と「ゴムの時間」は、彼が感じた日本人とインドネシア人の「最大」といっていいほどの違いだ。
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> ”精神的日本人”となった彼はいつも定刻の前に来てイスに座っているから、他のインドネシア人が驚いて、「おまえさ、ここは日本じゃないんだから、もっとリラックスしろよ」といらないアドバイスをもらったこともある。
ははは、その話では「他のインドネシア人」の言うことに私も賛成ですね。
そんないい加減な考えだから日本に来て商売しても上手く行かないんだよ。
正確に早く綺麗に美味しく商品を提供するなんて事はきっと物凄くハードルが高い事だろう。
オープンしてもすぐにいつの間にか無くなってるのは仕方ない事だね。
世界はインドネシアには合わせる事が決して無いのだからインドネシア側が合わせるべき。
そろそろ国際感覚を身につけるように若者から変わっていこうな。