日本に旅行に来た外国人が驚くことに、「日本のサービス」がある。
まあ、この動画を見てくださいよ。
日本に住んでいる外国人が、日本のレストランとアメリカやカナダのレストランとの違いを、面白おかしく伝えている。
大げさなところがあるけれど、日本のレストランは「お客さま第一のサービス」を心がけていることは間違いないらしい。
中国人の友人から、日本に旅行に来る中国人の多くは、日本が好きになって中国に帰るという話を聞いたことがある。
日本の何が良いのか聞くと、「日本人のサービスです」と言う。
コンビニのスタッフは、必ず「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と丁寧なあいさつをするし、100円のお菓子を買っても「またお越しください」と頭を下げる。
コンビニという庶民の店でも、従業員の教育が行き届いていることに中国人は驚くらしい。
「何も買わずに出て行っても、従業員が『ありがとうございました』と言うことがあるじゃないですか。中国ではそんなサービスなんてないですよ。絶対にあり得ないです」
と友人が言っていた。
ボクも中国旅行に何回か行ったことがあるから、それには同感する。
でも、それは中国だけではない。
韓国のコンビニでも、従業員同士がしゃべっていたり、スマホをいじっていたりして驚いた。
でも、韓国ではそれが普通。ケンチャナヨ。
でも、日本に来る中国人観光客が喜ぶのは、日本の百貨店の洗練された接客だという。
「日本の百貨店では、従業員が笑顔で両手を前に重ねて深々と頭を下げるじゃないですか?中国であんな質の高いサービスを受けたかったら、最高級のホテルやレストランに行かなくてはいけません。日本はそこが違います。ふつうの百貨店でも、一流のサービスを受けることができます。中国人があんなサービスを受けたら、日本が好きになっちゃいますよ」
そんな話をしていた。
日本のサービスとは、そんなに気持ちの良いものなのか!
と思うと同時に、「確かに中国のサービスはひどい」とも思う。
中国でサービスは期待してはいけない。
入国審査では、大切なパスポートを投げてよこされたことがある。
またレストランでは、店員が何も言わずに料理の皿を「ドンッ」とテーブルに置いて去ることなんてことはあたり前のようにある。
中国旅行に行ったときは、中国のレストランやデパートはサービスを受けるところではなくて、忍耐や我慢を学ぶ場と考えている。
以前、上海に住んでいる日本人と話をしたときに、「中国の百貨店で、信じられない光景を見た」ということを聞いた。
中国人の友人と上海の百貨店に買い物に行ったとき、洋服屋の店員が段ボールを敷いて寝ているのを見たという。
「あの人は、何をしているのだろう?」
と思って友人に聞いたら、「疲れたから寝てるんじゃないの?」と事もなげに言われた。
中国の洋服屋での仕事は、給料が本当に安い。
「それで、いつクビになってもかまわない!と思って、堂々と段ボールを敷いて寝ているんでしょ」
と、友人は平然と言っていたという。
「中国最大の国際都市の上海でさえ、これなのよ」と、その日本人があきれていた。
でもそんな中国も、最近は変わっているという。
中国の接客サービスというと、「お釣りを投げてよこす」「店員がロクに返事もしない」「売り込みがしつこい」など、日本では良いイメージがないかもしれない。確かにかつての中国はそうだった。
しかし、いま中国の現場では「サービス革命」と言ってもいいほどの激変が起きている。全体としてはまだ日本との差はあるが、日常的に実感するサービスレベルの向上はすさまじく、「これが昔と同じ中国人か」と驚くこともしばしばだ。
中国人のサービスが激変した理由は、このサイトにいくつか書いてある。
その1つに、従業員の「評価と競争」があるという。
従業員としては、顧客に高く評価されれば単純にうれしいし、経営者は顧客の評価に基づいてボーナスの支給や昇進、昇格などさまざまな策を講じることができる。
中国人のスタッフは競争心が強いので、自分の評価が周囲より高ければメンツが立つ。そうして従業員のやる気を引き出し、サービスの向上につなげているのである。
(同記事)
自分がやったことが正しく評価されて、それが給料や昇進という具体的なかたちとなって返ってくる。
確かにこれは、手応えや仕事のやりがいを感じやすい。
でも待ってほしい。
これは、「社会主義を否定する」ということだろう。
社会主義では、「1時間の仕事をしたら、全員が同じ給料をもらう」という平等を重視していたはず。
「競争を取り入れて、差をつける」というのは、社会主義を否定して資本主義を取り入れたことと同じになる。
中国人のサービスが激変した理由は「社会主義国家という意味での中国らしさをなくしたため」と言うことができる。
皮肉なことだけど、それが時代なんだろうね。
次回は、日本のサービスについて書いていきます。
その「原点」となった三井高利(たかとし)について。
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