コロナ対策として韓国では、全土か分からないけど少なくともソウルではいま、飲食店は夜10時で閉店することになっている。
でも10時なんて、韓国人の感覚ではきっと準備運動でしかない。
酒を飲んで場があったまってきたところで、そこで楽しい会話が強制終了されるのは辛すぎる。
ということでコンビニで酒や焼酎とつまみを買って、大学のキャンパスに場所を移して二次会・三次会をおこなう大学生が増えている。
それが日常になりつつあって、大学の関係者や警察が困っているという。
朝鮮日報の報道(2021/06/07)
かなり遅い時間だが、学生会館前の広場では100人余りの学生たちがベンチや階段などに座って酒を飲んでいた。携帯電話から流れる音楽、にぎやかな会話や笑い声があちこちから聞こえてきた。大半はマスクをしていなかった。
夜10時、韓国の大学キャンパスは「酒夜城」に
いまの法律なら、5人以上で集まっていなければ違法行為ではない。
でも朝鮮日報の記者が訪れたこの大学では、5人以下やそれ以上の飲み集団がキャンパスの各所にいて、合計100人ほどが酒を楽しんでいたという。
大学内は私有地だから警察が力を発動することはできず、大学に雇われた警備員が「校内での飲酒や飲食は禁止されています」、「解散してください」と拡声器で言って回ることしかできないのが現状。
でもそれは、微力ではあるが無力ではない、つまりほぼ無意味で、それで解散する学生はほとんどいない。
片づけてその場を去る”フリ”をして、警備員の声が遠ざかったら宴を再開する学生もいる。
まぁそうだわな。
コロナ禍で対面授業やいろんなイベントが中止になって、楽しいキャンパスライフを送ることができなくなった不満と、春から初夏になって暖かくなってきたことから、いまソウルにある大学ではこんな「酒夜城」が見られるらしい。
でもこれはきっと全国的な現象だ。
ただ朝鮮日報の報道をみると学生のモラルのなさより、お粗末な政府のコロナ対策を非難しているようだ。
韓国のチメッ。
チキンとメクチュ(ビール)の造語。
韓国人の酒好きは、控えめに言って異常。
19世紀末の朝鮮半島を旅行して、その様子にあきれたイギリス人イザベラ・バードならきっと同意するはずだ。
酔っぱらいは朝鮮の大きな特徴であるといわざるをえない。そしてまた、酔っぱらっても恥ではない。正気を失うまで酒を飲んだとしても、粗野だとは見なされない
「朝鮮紀行 英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫) イザベラバード」
公の場で正気を失うまで酒を飲むのは粗野で不作法、という見方は現在のイギリスやアメリカにもあるらしい。
まえに英国・米国人と街中を歩いていたとき、飲み過ぎて倒れている人がいて、イギリス人が冷ややかにこう言った。
「日本では酔っぱらって歩く人や、立てなくなった人をよく見る。でも、英国でそれはマナー違反と見なされるから、あんな人たちはほとんどいない」
すると米国人も、「治安の違いもあるのだろうけど、アメリカでもあれは軽蔑されるね」と同意。
キリスト教の聖書「コリント人への第一の手紙」の6章10節にはこう書いてある。
「貪欲な者、酒に酔う者、そしる者、略奪する者は、いずれも神の国をつぐことはないのである。」
欧米社会で酔っ払いに対して厳しいのは、この考え方が影響しているのでは。
いまたまたまネットで熊本県にあるホテル「レフ熊本」では、朝食バイキングに「焼酎飲み放題」があるという情報を見た。欧米はもちろん、韓国でもこれはないかも。
日本産でそんな光景には見慣れたボクでも、ソウルの繁華街・鍾路(チョンノ)に行った時には絶句した。
夜の鍾路を歩いていると、酒で自力歩行が不可能になって両側から支えられて歩く人、大声で言い争っている集団、さらには泣きながら男をビンタする女性がいた。
韓流ドラマのいろんな要素が凝縮された空間で、心の底から異国に来たと実感。
知人にソウルの小学校で英語を教えているアメリカ人がいて、彼女に韓国でビックリしたことを聞いたら、
「彼らは本当にお酒が好き!月曜日の夜から飲みに行くって信じられる?それで深夜過ぎに家に帰る人が、会社員でも教員でもいて本当にあきれた。でも、どんなに遅くまで飲んでいても、次の日は遅刻しないで職場に行くところがすごい!」
と話す。
イギリス人や南アフリカ人などの英語教師に聞いても、韓国人の酒好きには驚いたという。
イベントの自粛や行動制限、飲食店の時短によるストレス、それに政府への不満もあって「深夜のキャンパス飲み」が発生したのだろうが、その根本には「お酒とおしゃべりが大好き」ということがあるはずだ。それ以外の理由はむしろ後付け。
韓国の若者にこれまで禁止したら、すさまじい反発が返ってくるから、キャンパス内が”聖域”と化している。
ソウルのバスターミナル
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> でもそれは、微力ではあるが無力ではない、つまりほぼ無意味で、
??? 反対ですよね。
→ でもそれは、無力ではないが、微力にすぎず、つまりはほぼ無意味で、・・・
> 公の場で正気を失うまで酒を飲むのは粗野で不作法、という見方は現在のイギリスやアメリカにもあるらしい。
うーん、まず1つには、体質上の違いがあります。欧米人に比べて日本人や韓国人は、アルコールを分解する体の仕組みが弱く、同じ酒量に対して「すぐ酔っ払ってしまう」ような弱い人の割合が非常に大きいのですよ。
また、治安上の問題も深刻です。私だって日本にいる時は結構酔っ払ったりすることもありましたけど、米国じゃいつも緊張感があって、とても泥酔状態になんぞなれませんでした。公衆の面前で酔って寝てしまったりしたら、日本ならせいぜい財布を取られるくらいで済みますが、米国だったら命が危ない。
また、「酒飲み」に対する世の人々の視線もあります。率直に言って、米国で「酔うまで飲む」ような人は「何か個人的問題を抱えている」「アルコール中毒患者」「人生の敗残者」ですから。そんなのと一緒にされたくない、負け犬になりたくないという(良い意味での?)プレッシャーが、個人には常に予防線になります。
でも本当のことを言うと、「病的レベルのアルコール中毒者」は、日本よりもおそらく米国の方がはるかに多いと思いますよ。上に述べたとおり「公衆の面前ではヤバい」から見えないだけで。また、その多くが「麻薬中毒患者」にも重複しています。
普段は人形のように可愛いかった20代の女の子が、あれだもんなぁ・・・。ショックでした。