いまや誰でもネットで情報収集をする時代。
でも、ネットには間違った情報や操作された情報がたくさんあって、騙(だま)されてしまうこともある。
そんな時代だからこそ、ネットの情報収集で騙されないようにしよう!
というテーマで、前回から書いているのですよ。
前は情報操作のことを書いた。
それにも気をつけないといけないけど、単純に偽情報を信じないように注意する必要もある。
ネットでの偽の情報を本当のものだと信じてしまい、失敗した人が何人もいる。
今回はそのことを書いていきたいと思う。
ネットの偽の情報を信じてしまって、それを根拠に行動を起こして失敗をしてしまった人たちがいる。
その代表的なものとして、ここでは「大津市中2いじめ自殺事件」を取り上げたい。
2012年に、大津市でいじめによって中学生が自殺に追い込まれた。
このときにネットでは、「こいつが加害者の親だ」とその人の住所や仕事先の連絡先をふくめた書き込みが拡散されていた。
でも、これがフェイクニュースだった。
その偽情報を信じてしまい、事件に関係ない人たちに嫌がらせ行為をした人が続出して、警察が動く事態になる。
読売新聞の記事「いじめた生徒の親族?ネットに偽情報で被害深刻」にそのことが書いてある。
・大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)がいじめを苦に自殺したとされる問題に関連し、インターネットの掲示板で知らぬ間に無関係の人の実名がさらされ、職場に中傷やいたずらの電話がかかるなどの新たな被害者を生んでいる。
・被害届を受けた滋賀県警は名誉毀損(きそん)容疑で捜査している。
そしてついに逮捕者を出すことに。
後ほど人違いであると判明し、滋賀県警察は東京都目黒区内の男性と兵庫県川西市の男性2人を名誉毀損の疑いで書類送検した。
(ウィキペディア)
この偽情報に関わったデヴィ夫人の場合は裁判に訴えられ、「非常に軽率な行為」として165万円の支払いを命じられた。
これほどの大事にはならないけど、偽の情報は今でもネットにはいっくらでもある。
そうした現状を受けて、2015年にアメリカのFacebookがデマや偽情報の表示を減らす取り組みを発表した。
Facebookでは、偽の情報や作り話をそうとは知らずにうっかり共有してしまい、あとでデマであることを知って投稿を削除するといったことが頻繁に起こっている。
Facebookがどんな対策をしても、偽情報の表示を完全になくすことはムリだろう。
それに、新しいタイプの偽情報が次つぎと生まれるだろうから、果たして減らすこともできるかどうか?
当然これはFacebookだけではなくて、ラインにしろツイッターにしろあらゆるSNSで起こっているはず。
基本的には、自分の身は自分で守らないといけないませんね。
この記事で大津の事件を取り上げたのは、ボクもこのときのことをよく覚えているから。
何を隠そう、ボクもこのネットの偽情報を信じてしまった1人だ。
ただ、心にそう思っただけで何もしていなかったから、特に何も起こってはいない。
なんで自分はあんな偽情報を、信じてしまったのだろう?
と後になってから振り返ってみると、そのときに自分が情報を信じてしまいやすい心理状態にいたからだろうと思う。
このときは自殺した子に対するいじめがあまりにひどく、それを知って怒りにかられていた。
だから、冷静に考えて判断することができなかった。
「誰がこんなひどいいじめをしたのだろう?」と犯人を知りたく思っていたから、ネットで「これがいじめたヤツとその親です」という情報を見たときに、すぐに信じてしまったのだと思う。
自分の中で「これは本当のことか?」というチェック機能が、まったく働いていなかった。
ネットの情報だけではなくて、人が騙されるとしたら情報そのものよりその時の心理状況によるところが大きいと思う。
海外旅行で「騙された!」という人にたくさんあってきたけど、それは「騙されやすい状況」に追い込まれていたことが多い。
旅行会社の小さな部屋で数人のインド人から迫られて、怖くなってしまった。
「時間がない、早くしろ!」とあせらされた。
そんなふうにまず相手の冷静さを奪ってから、次に騙すことが多い。
「後々になって考えたら、おかしいなあ」と気づいても、それは落ち着きを取り戻してから考えられることであって、自分がパニックになっていたら相手の言うことをそのまま信用してしまうのは仕方がない。
怒りにしろ不安にしろ、感情を大きく揺さぶられると冷静に判断できなくなるから簡単に信じてしまいやすくなる。
ネットで何かの情報を知って、強く関心をもったり自分の心を大きく動かされたりした時には、その情報が本当に正しいかどうか特に疑った方が良いよ。
自分が知った情報が正しいかウソかを判断する前に、今の自分が正しい判断ができる心理状態にあるかどうかを把握するようにしよう。
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