セーラームーンのコスプレでサーフィンを楽しんでいるのは、東京五輪のフェンシングに出場した香港の朱嘉望さん。
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日本が好きな朱嘉望さんは、気に入ったおにぎりやユニクロの服なんかをSNSで伝えているらしい。
そんな親日さんのいる香港から朗報だ。
読売新聞の記事(2021/08/20)
香港の反日団体が「慰安婦」像3体を撤去…「申請なかったと撤去求められた」
香港の反日団体が日本総領事館の近くに設置した慰安婦像がこのたび撤去された。
ちなみに知人の香港人に聞いてみたら、
「香港で慰安婦像があるの事、知らなかったよ。私の知る限り、香港人は反日の思いはあまりないよ。あるはあるけど、少ないと思うね。」
とこの像の存在はまったく知らず。
香港にもこんな団体はあるけど、親日家のほうがたくさんいる。反日的な人よりは、朱嘉望さんのような人を香港の「標準」とみていい。
にしても、「あるの事」という言い方は中国っぽいな。
さてその理由は、「設置にあたって申請がなかったとして、警察から撤去するよう求められたため」というのだが、この像が設置されたのは2017年だぞ。
申請がなかったのなら、そのときすぐに分かるはず。
4年経ったいま突然、3体すべてを片付けるよう指示が出されるというのは不自然だ。
前々から日本政府が香港政府に像の撤去を要請していたから、その粘り強い姿勢がやっと功を奏したのか。
という想像はお花畑すぎる。
香港については最近、こんな気になる動きがあった。
読売新聞の社説(2021/08/23)
香港が「一国二制度」を基に築いてきた国際金融センターとしての地位を揺るがす措置である。中国にとっても、損失は大きいのではないか。
香港の変容 国際金融都市の土台が崩れる
香港の民主派を弾圧しているといった理由で、いまアメリカは制裁として香港政府高官らの資産を凍結している。
この決定に基づいて香港にある外資系金融機関は、制裁対象となった人物の取引禁止などの措置をとってきた。
いまの香港政府は中国政府と一心同体。
もう支部と本部のようなものだから、アメリカの制裁は中国にダメージを与えることを狙ったものであることは明白だ。
となると中国がその痛みを黙って受け入れるわけがなく、対抗措置として「反外国制裁法」を香港へ導入するつもりだという。
アメリカの制裁行為への協力を禁止したこの法によって、制裁に関係した個人や組織を国外追放にしたり、中国内にある財産を差し押さえることが可能になる。
要するに香港の外資系企業に対して中国は、アメリカに協力して制裁を続けるのか、それともそれを見直して中国側につくのか迫っているようなもの。
中国が欧米の制裁を無効化させたいのは当然。
かといって「反外国制裁法」が香港に導入されたら、「正当な企業活動が当局によって阻害されかねないという不透明なビジネス環境では、発展は期待できない」と読売新聞は指摘する。
外国企業が拠点を他に移すことも考えられるし、この法によって、国際金融都市としての香港の地位が低下していくことはまず間違いない。
香港から外国企業が撤退したら、中国にとっての損失もデカい。
そんなことは中国だって百も承知。
とはいえアメリカによる制裁をこのまま放置しておくわけにもいかないから、自分も傷つくことを覚悟で「反外国制裁法」の香港導入を考えている。
4年前に建てられた像を申請に不備があったという理由で、いまになって撤去を命じたこととこの動きは関係あるだろう。
もともと狭い狭い香港で、日本好きで日本の情報にくわしい人でさえ知らなかったような存在感のない像だ。
それがなくなっても香港・中国政府に困ることはない。
損得を考えればこれは日本へのアピールになるから、メリットのほうが大きいはず。
「反外国制裁法」をムチとするならこれはアメ。
撤去理由はハッキリとは分からないけど、反日団体が設置した慰安婦像がなくなって、市民が自分の好きな日本文化をSNSで発信する香港が良い香港だ。
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