米軍がアフガニスタンからの撤収を完了させて、２００１年の米同時多発テロから始まった２０年にわたるアメリカの最も長い戦争が終わった。
毎日新聞の記事（2021/08/31）
アフガン駐留米軍撤収完了を発表 米史上最長の戦争終結
アメリカが終わると、タリバンが始まった。
米軍撤収を受け、アフガンの新しい支配者となったイスラム主義組織タリバンは、「２０年に及ぶ占領が終わった。われわれは歴史をつくった」、「われわれの国が完全な独立を勝ち取った。神に感謝」と喜びを爆発させる。
韓国ではアフガンのようすを見て、「クリスマスの奇跡」なんて言われる「興南撤退作戦」を連想した人も多かったらしい。
１９５０年に始まった朝鮮戦争のさなか、北から進軍してきた中国軍によって包囲された米軍が、いまは北朝鮮にある興南（フンナム）の港から１万人以上の住民を貨物船に乗せて脱出することに成功。
そのあと南へ向かって進み、プサンを経て巨済島に着いた。
食べ物や飲み物、医薬品も不足していたのに一人の犠牲者も出さなかったことから、この撤退劇は「クリスマスの奇跡」と呼ばれるようになる。
この避難民の中にいたのがムン・ジェイン大統領の両親だ。
両親からこの撤退劇について話を聞かされただろうから、文大統領はアフガンから撤退する米軍を見てこの歴史を思い出したかも。
ちなみに航海中に５人の赤ちゃんが誕生して、米軍兵士は生まれた順に「キムチ１」「キムチ2」…「キムチ５」と呼んだとか。
Among the civilians evacuated and brought to the South were the future parents of incumbent South Korean President Moon Jae-in. Five babies were born on the ships and were nicknamed Kimchi 1–5 by US sailors.
米軍とともに南へ移動する韓国人
この写真の中にムン大統領の両親がいるかも。
プサンの観光名所に「国際市場」がある。
くわしいことは韓国の観光情報サイト・コネストの説明を読んでくれ。
地元客だけでなく、国内外から多くの観光客がやってきます。韓国映画や韓国ドラマの撮影ロケも良く行われ有名です。
「興南撤退作戦」で北から逃げてきた人の多くがプサンに住み着き、それがこの観光スポットの始まりになる。
映画『国際市場で逢いましょう』はこの出来事を基にして制作されたのだ。
長男であるドクスは父から「お前が家長になるんだ。家長はどんな時でも家族が優先だ」と家族を任される。釜山へと渡ったドクスら一家は、国際市場にある叔母の店で働くようになる。
自分に直接関わる歴史があるにもかかわらず、文大統領はアメリカ対してけっこうドライで冷たいところがある。
特に米軍との協力については明らかに消極的な姿勢をみせるから、アメリカは在韓米軍の撤退、とまではいかなくても、縮小を検討しているようだ。
中央日報/中央日報日本語版のコラム（2021.08.31）
問題はこの過程で韓米同盟に消極的な現政権の態度が在韓米軍の戦力損失につながりかねないという点だ。（中略）米国との合同演習に積極的な日本とは違い、どうにか縮小または延期しようとする韓国政府のせいでヘリ操縦士が演習もまともにできない
【時視各角】アフガン危機の本当の被害者、北朝鮮？
米軍が「興南撤退作戦」という奇跡を成功させたことで、自分はいま大統領をしていられるのだから、アメリカの立場をもっともっと尊重したほうがいい。
できれば日本も。
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