3600年前に隕石爆発で都市が消滅→カトリックで同性愛禁止

 

6600万年前に巨大な隕石(小惑星)が地球に衝突したことで、恐竜は絶滅したといわれている。
そこまで壮大な話じゃないんだが約3600年前、中東のヨルダンに巨大隕石が落ちてきて空中で大爆発をおこし、古代都市を消滅させる出来事があったらしい。

 

 

古代都市「トール・エル・ハマム」などがあったこのエリアには推定5万人が住んでいて、約3千年ものあいだ繁栄を誇っていた。が、紀元前1650年ごろ突然姿を消して不毛の地になった。
1500度という自然では考えられない超高温で溶けた陶器片などが発見されたことから、消滅の原因は隕石の大爆発とみられる。
直径およそ50mの隕石が爆発した衝撃は、広島に落とされた原子爆弾の1000倍に相当するという。
一瞬ですべてが消し去られるワケだ。

研究チームによるとこの大災害が語り継がれていき、旧約聖書にあるソドムとゴモラ(神の怒りによって滅ぼされた都市)の記述につながった可能性がある。

でこれに日本のネット民の反応は?

・神話とか聖書とか大昔のラノベのモデルになった「実際に起こった事故・事件」が、現代になって痕跡で見つかるの好き
・別に信仰しなくていいと思うけど、聖書は読み物としておもろいからオススメ
・サービス魔法のメテオが、こんなに強力だとは思わなかった…。
・喋ってる言葉が全部かっこよくて草
・大体の「神の」は自然の驚異ってやつだね

まだ文字のなかった時代、地球上で起きた大災害が口から口へ、時代を超えて伝えられていき伝説という形になったのだろう。

断定はできないとしても、この古代都市トール・エル・ハマムが旧約聖書のソドムとゴモラであるとすれば、これによる「被害者」は、

L(レズビアン):女性の同性愛者
G(ゲイ):男性の同性愛者
B(バイセクシュアル):両性愛者

といった、いわゆる性的少数者の人たちで間違いない。
そのキーワードは「神の怒り」。

 

なんで神がソドムとゴモラの都市を滅ぼしたかというと、そこに住む人たちが神の教えに背き、欲望のおもむくまま好きなことをして暮らしていたから。
両都市の住民は特に「重大な罪」とされる同性愛を楽しんでいたから、神の怒りを買ったとされる。
日本(神道)の神とキリスト教やイスラム教の神との違いは、一神教の神は人を簡単に大量殺害してしまうこと。
このとき怒った神は空から炎と硫黄を降らして、ソドムとゴモラの都市を滅ぼし住民を焼き殺してしまう。

例外はあって、神の教えを守っていたロトとその家族は助けられた。
もっとも「後ろを振り返ってはいけない」という指示に反して、振り返って滅ぼされる都市を見たロトの妻は塩の柱にされてしまったが。

 

焼き尽くされるソドムとゴモラとそこから逃げるロト

 

聖書にこんな記述があることから、キリスト教(カトリック)では同性愛を神の教えに反した、「逸脱した行為」とみなしている。
だからレズビアンやゲイ、バイセクシュアルの人たちへの見方は否定的でとても厳しい。
ことし3月には、神への「罪」である同性婚を祝福することはを「不可能」だとハッキリ言った。
英BBCニュース(2021年3月16日)

ローマ教皇庁、「同性婚は祝福できない」と公式見解

さらにイタリア議会でホモフォビア(同性愛嫌悪)を処罰する法案が審議されると、ローマ教皇庁(ヴァチカン)はこれに抗議。
英BBCニュース(2021年6月23日)

ローマ教皇庁、同性愛嫌悪を処罰する法案は「信仰の自由を抑制」

ただ今のローマ教皇は同性カップルにも、婚姻関係に準じた権利を認めるべきだとも発言していて一定の理解はある。
でも同性愛を「神に対する罪」と考えていることは確かだ。

 

ということで可能性を含めて、約3600年前に巨大隕石が大爆発をおこして都市を消滅させた出来事が、聖書のソドムとゴモラの話にすり替わってキリスト教で同性愛が禁止された。
それが現在の「同性婚は祝福できない」というカトリックの公式見解につながり、苦しい思いをしているレズビアンやゲイの人たちは世界中にいる。
天文現象に人間の想像が加わったことで、とんでもない影響力や拘束力がうまれてしまったらしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。