【ガンディーの非暴力】インド独立運動の具体的な方法

 

ほんじつ10月2日は国際非暴力デーだでー。

非暴力しかし不服従を説いて、インド独立運動の中心人物となったマハトマ・ガンディー(1869~1948年)の誕生日がこの日で、2007年の国連総会で国際デーとして制定された。
ちなみにこのマハは「偉大な」という意味のヒンディー語で、「摩訶不思議」の摩訶(マカ)と同じ語源なのだ。

ガンディーというと超シンプルなこんな白い服を着ていることが多いんだが、実はこの服はインドの人たちにとって特別な意味があるらしい。

 

 

植民地時代、イギリスはインドから綿花を輸入して自国の工場で綿製品に加工し、インドへ輸入してカネをガッポガッポともうけていた。
インドにとっては原材料を生産・供給して、宗主国のイギリスが作った衣服などの製品を購入するという不利な支配構造が完成していたわけだ。
それを変えるために立ち上がったガンディーは、自分たちの着る服は自分たちで手で作ろうと、英国製品のボイコットを全国に呼びかける。

偉大な指導者が動かすのは口より体。
ガンディーはインド国内で生産された綿布を原材料とし、木製の糸車を使って糸を紡(つむ)いで「カディ」と呼ばれるインドの伝統的な手織り布を作った。
これが大英帝国への反抗、そしてインド独立への一歩となる。
糸車でカディを作ることは、簡単だけどむずかしい。
作業自体は女性やお年寄りでもできるから、多くのインド人がガンディーと同じように一本一本の糸を紡いでカディを織り、インドの綿織物業を復興させていった。

でも、この「非暴力運動」はイギリスに対する不服助・抵抗を意味する。
だから兵士に殴られることもあったけど、運動の参加者は非暴力主義に徹して反撃せず、糸車でカディを作り続けた。
やっていることは単純でも、勇気や忍耐といった精神的な強さが求められたのだ。

ガンディーは伝統産業と同時に、支配されるだけだったインド人にプライドを取り戻させたらしい。

毎日新聞の記事(2021/9/3)

「カディが普及することで、インドは植民地支配によって奪われた産業を取り戻しました」。こう話すのはサンジェイ・クマール・バルマ駐日インド大使(56)。「カディは自由の象徴でもあるのです」と誇りを口にする。

インド独立の父ガンジー 白い布の衣服に秘められた決意と意味は

 

こんなわけでカディ(手織りの綿布)から作られたガンディーの白い服は、インド人にとっては特別な価値があるという。

この糸車はインドの自由や独立の象徴となり、国旗の中央に描かれるようになる。
でも独立後、ダルマ(法)を表すアショーカ・チャクラに替えられた。

 

 

現在のインド国旗

 

力に訴えることなく、糸を紡ぐという誰でも参加可能な方法で独立運動を国民運動にして、ついにインドをイギリスから奪い返したガンディーさん、さすがです。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。