日本人の身近にあるバイエルン:食べ物・スイーツ・自動車

 

ことし5月にフランス海軍の艦隊「ジャンヌ・ダルク」、9月にはイギリス海軍の空母「クイーン・エリザベス」、そして今月にはドイツ海軍のフリゲート艦が日本へやって来た。

 

 

ドイツ海軍のフリゲート艦バイエルンが東京に寄港したと聞いたら、ネットでは「ソーセージ祭り」が始まるしかない。

・ジューシーな名前やな
・わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい
・グラーフ・ツェッペリンとかブリュンヒルデじゃないと燃えないなー
・ごめんシャウエッセンで頼む
・軽巡バイエルン
戦艦フランクフルト
魚雷艇ポークビッツ
・船内食はソーセージとザワークラウトか?

 

フリゲート艦は別として、ソーセージやサッカークラブの「FCバイエルン・ミュンヘン」で日本でもお馴染みのバイエルン。
ここはもともとバイエルン王国という国があったところで、1918年にドイツ革命が起こるとドイツの一部となっていまのバイエルン州にいたる。

日本人にとって身近なバイエルンといえば、「美味なるものには音がある」だとソーセージ、「駆けぬける歓び」だと自動車メーカーのBMWがある。
バイエルンで始まったこの会社はいろいろなエンジンを製造していたから、ドイツ語で「Bayerische Motoren Werke GmbH(バイエルン州のエンジン工場)」という名称になり、頭文字をとってBMWと呼ばれるようになった。
ちなみにアウディの本社もバイエルン州にある。

 

バイエルン王国のヴィッテルスバッハ家の紋章
この青と白のデザインがバイエルン州旗や、BMWとバイエルン・ミュンヘンのマークに採用された。

 

 

 

 

日本で身近な「食べ物のバイエルン」なら、ソーセージのほかにコレがある。

 

 

レストランや業務スーパーにもあるスイーツのババロアは、「バイエルンの」を意味するフランス語「bavarois」に由来する。
これはバイエルン王国(バヴァリア)で、フランス人シェフが貴族のために考案したという説が有力で、他にも19世紀にフランスの有名シェフ、アントナン・カレームがバイエルンにあった温かい飲み物を元に作ったという説もある。
起源はどうあれ、ババロアがバイエルンを意味していることは間違いない。

バイエルン州出身のドイツ人とガストに行ったとき、ちょうどこのスイーツがあったから話を聞いてみた。

 

 

まず彼には「ババロア」の意味が分からない。
「いやこれは、バイエルンで作られたデザートなんだが?」とボクが言っても、そんなものは知らないと不思議そうな顔をする。
そのあとババロアの話をしたりほかの画像を見せると、「ああ、それは Bayerische Creme(バイエルンのクリーム)のことだ!」とようやく謎が解けたようす。

Bayerische Creme ならバイエルンのレストランにあるけど、「お高いコース料理に出てくる一品」というイメージがあって、めったに食べることはないという。
ガストや業スーで売ってる日本と違って、本場では高級スイーツの扱いらしい。

ということでソーセージだけでなくBMWやババロアなど、実は日本人に身近なところにバイエルンはあるのだ。

 

Bayerische Creme(バイエルンのクリーム)

 

日本人に大人気で、初代ディズニーランドの眠れる森の美女の城のモデルにもなったノイシュヴァンシュタイン城もバイエルン州にある。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。