アメリカ人が京都で感じた、フランスと日本の庭園の違い

 

きょう3月12日は、下のアンドレ・ル・ノートルさんの誕生日。ハピバ。

 

 

日本での知名度は、同じフランス人のアンドレ・ザ・ジャイアントにはやや劣るこの人は有名な造園家で、フランス式庭園を完成させたといわれる。
日本なら江戸時代初期の1613年3月12日に生まれたアンドレさんは、

ヴェルサイユ宮殿、テュイルリー宮殿、ヴォー=ル=ヴィコント城、サン=ジェルマン=アン=レー城、フォンテヌブロー宮殿の庭園

といったフランスを代表するような庭園を造りす。

アンドレ・ル・ノートルが手掛けた、トレビアンな庭園がこちら。

 

 

知人のアメリカ人がフランスに留学していたことがあって、10年ぐらい前に彼女と京都旅行に出かけた。
そのとき竜安寺の枯山水や金閣寺の池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)などいろんな日本庭園を見て、その感想を聞いてみた。
*池泉回遊式とは、池の周りを一周しながら観賞するような庭のこと。金沢の兼六園もこの様式。

彼女から見ると、フランス式庭園の真逆にあるのが日本庭園。
フランスで観賞用の庭というと、宮殿や城に住む王や貴族が自分の権力や財力を示すためのものだから、それだけで完成された一つの世界のように広大で、見る人を圧倒するような豪華さがあるという。
そういえばフランスの庭がとても見晴らしがいいのは、侵入者を見つけやすくするためだと、むかし見たテレビ番組で言ってた。

フランス式庭園の特徴にはこんなものがある。

・左右に同じ形や色のものを配置する対称性。
・三角、四角形といった多角形、円、直線などを使った幾何学的なデザイン。

フランスの庭は本当に人工的に造られているのに対して、知人のアメリカ人は、日本の庭園でそれをほとんど感じなかった。
彼女にとってとくに印象的だったのが、エリザベス女王も絶賛した龍安寺の庭。
もちろん庭師の意図をもって砂利、石、木などが配置されているけれど、できるだけ人の手を入れず、ありのままの自然を大切にしているように感じたという。
日本庭園では動画の植木のように、真っすぐな直線で三角形などの多角形に刈りそろえるようなことはほとんどない。
それに龍安寺の庭には左右対称のシンメトリーがなくて、石がバラバラに配置されているようだけど、全体的にバランスがとれていてとてもキレイに見える。

それにフランス式庭園だと、自然が完全に人間の支配下・コントロール下に置かれていて、噴水がそうした考え方を象徴している。
噴水の水は人間が無理やりそうさせているけど、日本庭園にある池や川や滝は自然界にある水の状態に近い。
フランス式庭園も日本庭園もそれぞれの良さがあって、両者を比べてみると、ヨーロッパ人と日本人の自然に対する見方が表れていて興味深いとアメリカ人が言う。

 

権力を誇示するようなフランス式庭園とは反対で、日本庭園は小さくてわび・さびの情緒がある。

 

 

今のパリには犬のフンとタバコ。昔はう〇ちが落ちていた。

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。